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【作品名】東方儚月抄 ~ 月のイナバと地上の因幡 【ジャンル】漫画 【名前】藤原 妹紅 【属性】竹林に住む少女 【大きさ】成人女性並み 【攻撃力】掌に直径数十cmの火の塊を作り出すことができる 【防御力】鍛えた女性並み 【素早さ】数m離れたところから発射されたおもちゃの銃の弾幕を回避するキャラを圧倒するレベル。飛行可能 【特殊能力】不老不死 【長所】不老不死 【短所】ういろうに弱い 【戦法】空を飛んで火の塊をぶつける
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今朝起きると敷き布団のシーツが破れていて、苔色の麻地が縦に裂けて中から花柄の下地が見えていた。 裁縫なんか生涯としてまともにやったことがないので、はてどうしたものやらと朝飯のお茶漬けを食べながら思案していたところ。 何故かその裂け目が剥き身の蟹肉に見えてしかたがなくなってきた。 「とどのつまり、何が言いたいんだ? その話は」 「蟹が食べたい。蟹をくれ」 「起きたまま寝言いってんじゃない」 ピシャリ 乾いた音は、はたかれた頬だったか、閉ざされた戸口だったか。たぶん両方だ。 「要は繕えばいいんだろう? その破れ目さえどうにかすれば、寝ぼけて不届きなことを言う口は永劫に閉まるってことだ」 早朝の竹林は物の怪の喧騒もほどなく、哲学すら閃きそうな静謐に満ち満ちていた。薮から差し込むわずかな朝日が体を舐めてゆく。 妹紅は欠伸を押し殺そうともせずに、もんぺに片手を突っ込んで俺の前を歩く。空いた手には裁縫道具と思しき木箱を携えて。 「朝早い時分になんだと思えば―――全く……」 思えば寝ぼけていたのかしらん。 実際、妹紅の宅を訪ねたのに大した意味はない。ないが、俺が彼女の家を訪ねる場合、意味を伴うことは少ない。 何となく訪れ、そこでお茶をしたり、外界の見聞を披露したり、碁を興じたり、本を貸し合ったり、永遠亭のお姫様とやらとの一騎打ちに巻き込まれたりが常だ。 それに安息を感じる己にはとうの昔に気がついていた。対する彼女も、言行は荒いが特別に迷惑がる様子もないので、俺の竹林に向かう足は止まない。 妹紅は、良い友人だった。 俺の住居は人里から幾らか離れた低平な土地にある。 あまり人好きのする性分ではないので、こうした遠すぎず近すぎずな位置は非常に気に入っている。 妹紅は畳の上に胡坐をかきながら、甲斐甲斐しくシーツを繕っていた。 「意外だな」 卓の上に、たくあんと緑茶を置く。 「何だい。私に家事が出来ると変てか」 「とんでもない。意外とそういう格好が似合うな、って思っただけさ。どこの嫁に行ってても不思議ない」 さっそく湯のみに手をつけていた妹紅が、にわかに吹き出した。 「おいおい」 「おいおいはお前だ。変なこと言いやがって」 やにわに妹紅の顔がみるみる赤くなってきたので、俺は慌てて布巾を取り出しつつ謝罪した。 「何だかわからんが済まん」 「全く。……」 妹紅は俺から受け取った布巾で口と零した茶を拭った。しかし顔は赤いままだ。恐らくさっきの言葉の中で、何か失礼なことを言ってしまったことに違いない。 時として俺は、こうして何事か妹紅を赤くさせることがしばしばある。 いくら考えても俺の言行のいずこに角が立ったのか判然としないこともある。そういう時に俺は自身の口下手を自覚する。 何となく、気まずい雰囲気が流れた。 「っつ」 「どうした」 妹紅が指を傷つけたのは多分必然のことだった。先ほどから見るからに手の動きがたどたどしくなっていたからだ。 薬指に赤い球体が膨らんで行き、つうと指を伝って流れ落ちてゆく。 「絆創膏、持ってくるかい」 「いや――平気」 俺が席を立ちかけた次の瞬間には、出血は止まり、流れた赤い雫だけが残るのみとなっていた。 不死身。 普段顔を付き合わしている分には、ただの気安い女性なので、たびたび俺はそのことを失念する。 しかし、痛みはあるのだ。流れ落ちた血を見ていると、不意に申し訳ない気持ちが一杯に押し寄せてきた。 「妹紅」 「なんだよ……」 「やはり見ていられない。俺が何か悪いことを言ったんだろう? はっきりと謝らせてほしい」 「そんなんじゃ――ないさ」 妹紅はばつが悪そうにそっぽを向いた。 繕い終わったらしい布団のシーツを敷き布団に被せなおしている。 その背中が、気丈に振舞う普段の姿よりもめっきりと縮こまって見えた。俺はこのことが、このまま捨て置いてはいけないことに思えてならなくなった。 「誰ぞの嫁……と言ったのが気に障ったのか」 後ろ背中に声をかけると、はっきりと妹紅の動きが止まった。 「嫁……嫁か」 そう上の空に呟くと、再びこちらに向き直って胡坐をかいてくる。 その目は沈んでいる。 「○○、私が蓬莱の秘薬を飲み、不老不死の身になっていること、話して久しいよな」 「ああ」 「私、さ」 「千と……数百年。昔は自分が、その歳月を過ごすことに、今ほどの恐れも持ち合わせてなかったよ……。 でも、だんだん、だんだんだ。気付いてゆき、気付かれていくのさ。世間と自分の決定的な隔絶が。 私は一つところに留まって生きるということが出来なくなっていた。 おおくの人間には排斥され、親しくなったわずかな者たちには先立たれる。それはそれは、暗いかめの水底のような心地だ。 巡り巡って、今私を支えている唯一の生き甲斐が、同じ蓬莱の者――私をこんな体にした、輝夜との殺し合い。 最も憎むべき相手にのみ生かされている自分が、芥も残らぬほど焼き尽くしたくなる」 妹紅の瞳が、話の中の暗いかめの水底になるのを、俺は黙って見つめている。 俺が口を差し挟まないのを見ると、妹紅は静かに言葉を連ねた。 「私は誰とも具せない……」 「そんな私にずけずけと入り込んでくるのがお前だ、○○。 どうせお前も、いずれ私を恐れるかくたばるかして、私の前からいなくなってしまうのだろう? 陳腐な話だが、私は何かを失う辛さより、持たざる孤独に慣れた人間さ。そしてそれに慣れようと考えている。そうでなければ生きて行かれない。 私が奪い奪われる関係は、同じ不老不死のあいつだけでいい。お前みたいな普通の人間が、こうして私にかまけていると、ろくでもないことになる」 「そう、ろくでもないんだ。お前といると、調子が狂う。 ○○が平凡に暮らしているように、私も暮らせるような気がしてくる。○○が言うと、冷たかった人の言の葉が、色味を帯びて熱くなる」 「もう、止してくれ……。私の蓬莱人としての覚悟には……堪らないことだ」 気がつくと、窓から差し込む陽光はすっかり明るくなっていた。 湯のみから上がっていた湯気は消えている。 「俺は」 「謝りたいと言ったけど、折角だが謝らないことにした」 「俺はさあ、おつむは良かないし、気の利いたことも何一つできない、冴えない普通の人間だよ。 そんな普通の人間からすると、その、妹紅が、俺みたいに暢気に暮らしちゃいけない理由がわからないんだ。 なあ、生きてるって、そんな、つまらないもんじゃないよ。そんな風にずっと考えていたら、いずれ心を亡くしてしまうよ。 ただ臓物が脈を打ってるだけで、死んじまってるようなものさ……。お前がもしそうなっちまったら、悲しむ人間がいるんじゃないか。 妹紅、お前は人間なんだよ。確かにちょっと強かったり頑丈だったりするけれど、俺が見るところじゃ可愛くて綺麗な娘さんだ。 そんなお前が、人間を止めて生きてゆく覚悟をしている。 俺は……それが悲しくてならねえんだよ。藤原妹紅のあんたに、生きていてほしいんだよ」 俺の家は、これほどまでに静かだったろうか。 いつも蔵にある糊をつついて騒がしい小鳥の声すら、今は絶え果てている。馬小屋からもいびきがさっぱり聴こえない。 そういう風に気が散っていたのは、余りに沈黙が長かったからだ。 妹紅は俺の話を聞くと、さっきとは比べ物にならないほど真っ赤になって俯いていた。 弱った。もしかしてまた俺は変なことを言ってしまったのか。 と慌て始めた矢先に、妹紅がいきなり俺に抱きついてきた。 「もう知らないぞ、○○! そんな、そんなこと言うんだったら、とことん私に付き合ってもらうぞ! お前がよぼよぼのじじいになってくたばるまでだ! 嫌だって言ったってきかないからな!」 妹紅は俺の胸の中で、ぐしゃぐしゃになって泣いている。 突然の事態に、慣れない長い話をして熱過労を起こしつつある俺の脳味噌は、更なるオーバーヒートを迎えた。 「ちょ、ちょっと、妹紅、落ち着け。羊を数えて落ち着くんだ。あれ? なんか違う……」 「ここここれが落ち着いてられるもんか! 羊が一匹二匹よんひき!」 まるで計ったかのように、元通りに敷かれた敷布団の上に俺は押し倒された。 そんでもって―――。 結局、シーツはまた破けた。 俺達は、真昼ぐらいになってやっと、ほったらかしにしていたお茶とたくあんを食べた。 冷めていたはずだけど。 なんだか熱い気がした。 「今度、何かもっとうまいものを食べに行こうか」 「そうだな―――」 『蟹とか?』 なんで俺達が、同じことを思いついたのかは知れない。 うpろだ1333 ─────────────────────────────────────────────────────────── -いつもどおり、今日も夜の竹林を歩いていたところだった。 迷ってる人間などを里に帰してやるのをいつもの日課としていた。 急病で永遠亭に向かうという人間の護衛も終わり、だんだんと夜も更けてきた今、そろそろ引き返して休もうとしていたところだ。 闇夜に光る歪な半月も、傾いている。 「…少し休むか」 私は目の前にあった大きい切り株に腰掛ける。 空を見上げたまま、しばし体を休めていた。 カサッ 「…?」 …足音? 今確かに枯れ葉を踏む音が聞こえた。 自分の音じゃない… それに、かすかに人間とは違うにおいがする。 軽く身構えると、音の生まれた場所を凝視した。 -ガサッ -ガサッ …近い。 座ったまま、少量の気を右手にためる。 -カササッ 葉が揺れる。 …来る。 ガサンッ 「のわっ」 影が深緑の景色の中から飛び出てきた。 「ぐへぅ」 ドサン。 緑の中から現れたのは、 10代半ばの体つきをしている、"人間"の男だった。 「…っつぅ」 男はゆっくりと体を起こすと、服についた土を枯れ葉をたたき落とした。 たたき終えたところで、ようやく私の存在に気づく。 暗闇の中で目が合い、私と男は少しの沈黙に包まれる。 「…大丈夫か?」 私が座ったまま問いかける。 「…あ、あぁ」 鳩が豆鉄砲食らったような驚いた顔をしながら、男は少し笑った。 それがこいつに出会った最初だった。 「…迷い人か?」 「ん、…まぁそんなものかもしれん」 男は私の隣に座り、一緒に半月を見上げていた。 「私は迷い人を里に帰すのが日課だ。送って行くぞ」 腰をたたき、少しついた汚れを落としながら立ち上がる。 「ん?…別にいいさ。迷ってるわけじゃなければ里の人間でもない」 「…?」 私はよく意味がわからず、また切り株に腰掛けた。 「どういう意味だ?」 「ん?そのままの意味だ」 「ふむ…」 埒が明かないと感じた私は、それ以上の追及をやめた。 この男が送って行けというなら里に送るし、大丈夫だというなら私は少し休んでから戻るだけだ。 「…あんた、名前は?」 男が不意に問いかけてきた。 「…自分はただの健康マニアの焼鳥屋だ」 そういうと男はプッと軽く吹き出して 「なんだよそれ…」 と笑った。 「そういうお前はどうなんだ?」 と、逆に問いかけた。 「ん?俺、か…しがない占い師だ」 占い師、か。 「いつも大きいローブにくるまりながら、人の手を見てそいつの人生を占っている」 「へぇ」 私は少し感心したように、男の話を聞いた。 今まで何人占ったか、どんな人間がいたか、どういう町を歩んできたか。 「人の手を見ながらいろいろな街を歩んでいく…か、面白そうな職業だな」 「ん…そうでもないさ」 男は少し空を見上げる。 「最初にそういうことができるって気づいたときはうれしかった。それを使えばお金だって儲けられるし、夢見てた旅も実現できるってな」 男は続ける。 「でも、毎日毎日同じことの繰り返し、新しい進展もなければ戻ることもできない場所まで離れた」 「…」 私は男の話を聞いている。 男はいったん話を区切ると、ポケットの中から煙草を取り出した。 「…煙草は体に悪いぞ」 「ん…いいさ」 男は煙草を口に咥えると、またポケットを探り始めた。 「んー…おっかしいな…ライター…」 「…」 私は軽く指を鳴らすと、煙草の先端に火をつけてやった。 「…!」 男が一瞬驚愕の顔をしてから、ゆっくりを笑顔になった。 「あんた、すごいな…どういう手品だ?」 「極まった健康マニアならできるのさ」 私は少し得意げになって、空を見上げた。 「今回だけだぞ」 私は後から付け足した。 「ありがとう」 そういうと男は、煙草を吸い始めた。 「そういえば、お前家族は?そんな歳でこんな時間まで出歩いて、両親が心配しないのか?」 男は、煙草を咥えたまま、ずっと歪な半月を見ていた。 「両親は…物心ついたときにはいなかったな」 「…。そうか、すまなかったな」 私は失言を悔やんで謝罪をした。 「謝んなさんな、気にしてない」 男は煙を口から吐き出しながらいう。 「あんたはどうなんだ?」 「…自分は健康マニアの焼鳥屋だ」 「…ちぇっ」 自分のことは黙秘にしていることにやっと気づいたのか、男はそれから追及することはなくなった。 「だったら、左手貸してみ?少し占ってやろう」 男が右手を差し出してきた。 私は占いに多少の関心を持ち始めていたので、左手を右手に乗せた。 …暖かい人の肌の感触だ。 男はすでに手慣れているのか私が女でも気にしてないらしい。 …本当に久しぶりの人の肌に、もしかしたら顔が赤くなってるかも知れない。 「…ふむ」 男がまじまじと左手を食い入るように見つめる。 「今いる大切な人を、大事にしてやったほうがいい。いるだろう?」 「…すごいな」 この男がいったのは、多分慧音のことだろう。 「なんでもわかるのか?」 「左手っていうのは、その人間の人生…生きた証、歩み方をそのまま表す」 左手のしわにあわせて、男は指をなぞらせる。くすぐったい。 「健康運はばっちりだな…まぁさすが健康マニアといったところか…」 そういうと男は笑った。 「これからも病気は少ないが…多少運が悪い時期があるかも知れん」 …輝夜の襲来に用心しとくか…。 「最後に生命運だな…」 男はまた指でしわをなぞる。 「どれどれ…」 男は生命運とやらのしわを見つけると、また食い入るようにみつめる。 「…?」 男はなぜか何度も何度も繰り返し見る。 「…おかしいな」 …? 「あんた…何回死んで、いや」 「何年生きてる?」 「…!…すごいな、そんなことまでわかるのか」 私は本当に占いに驚いた。 そこまでわかるものなのか。 「…ここのしわでわかるんだが…圧縮されすぎてあんたの歩みが見えん。この分だと軽く千や二千は年を越してるだろう…?」 「…お前はすごいな」 「まぁな…まぁきかんでおこう。どうせ健康マニアの焼き鳥屋だろう?」 「わかってるじゃないか」 そういうと、私と男は二人で笑い出した。 そろそろ明け方、空に明るみが出てきたころだ。 「今日は楽しかった、今までいろんな人間を見てきたが、あんたみたいな人間ははじめてだ」 「私もだ。まさか私の経歴がわかるほどすごい人間がいるとはなぁ…」 里への道を歩きながら、二人で会話をしていた。 「里への道まで教えてもらって悪いな」 「気にするな、日課だからな」 「そうか、ありがとう」 男は感謝をいうと、私も少し微笑んでやった。 「…またきてもいいか?」 「きてもいいが、見かけても私からは声をかけないぞ?」 「いいさ、自分であんたのこと見つけ出す」 男は空を見上げながら、そんなことを言い出すもんだから少し照れくさくなってしまった。 「…ここからずっとまっすぐに歩いていけばもう里だ」 「そうか」 私は立ち止まり、男だけが先に歩いていく。 「今日は本当にいい日だった。また夜に会いにくるよ」 「見つけられればいいな」 そういうと男は苦笑いをする。それを見て、私は少し笑った。 「んじゃ、"また"な、妹紅」 「あぁまた…?!」 今、私の名前を… 「名前ぐらい、しわで簡単なんだぜ?ふふん」 男はそうとだけいうと、里に向かって歩き始める。 「…一本とられたな」 私はそういうと、久しく名前を呼ばれたからか、暖かい心を持ちながら竹林に戻っていった。 うpろだ1361 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「やぁ」 最近のおなじみの声だ。 「お、今日もきたのか。ご飯時だぞ、運がいいな」 「お、タイミングいいな、見計らってきたけどぴったりだ」 ○○はそういうと少し笑った。 「やぁ○○さん、あなたも妹紅のご飯を食べに?」 「やぁ慧音さん。ご馳走になりにきましたよ」 そういうと慧音は目を輝かせながら 「そうだろう!そうだろう!妹紅のご飯はいつでもおいしいからな!」 慧音が妹紅の晩御飯のよさを一気に話し出した。 それを聞きながら照れくさそうに妹紅は顔を紅に染める。 「ほら、そんなのはどうでもいいからまずは食べろ」 妹紅はちゃっちゃと茶碗に炊きたての白米をよそる。 「今日は焼き魚か」 慧音が白米がどっしりのった茶碗を受け取ると、箸を取り出す。 自分で持ってきてるあたり準備万端といったところだ。 「今日ちょっと川で釣りをしてな、いい感じにつれたんだ」 「そうか、妹紅は釣りもうまかったな!」 見てるだけで面白い。 慧音の妹紅へのベタ惚れさは見てて心が暖かくなる。 ○○も自然に口から笑みがこぼれた。 「まぁとりあえず○○も食べろ」 「ん、あぁ」 ○○も妹紅から茶碗をもらい、箸をとる。 「んじゃ、ありがたくご馳走になるよ」 ○○が魚に箸をつけて、身をつまむ。 「どれどれ…」 ○○と慧音が白米と身を一緒に口に入れる。 『うまい!』 二人揃えていったせいか、妹紅は少し驚きながら、顔を紅潮させる。 「そ、そうか…?よかった」 妹紅は安心した顔で自分の茶碗にもご飯をよそる。 「いや、普通にうまいよこれは」 「妹紅が作るのはなんでもうまいな!」 二人が口々に料理を褒め、また顔を紅潮させる。 「…はは」 ○○が少し笑った。 「ん?どうした?○○さん」 慧音が魚を食べながら聞いた。 「いや、さぁ…こんなに面白く飯が食えるって、単純だけどほんと幸せだなってさ」 ○○が茶碗をおく。 「こうやって楽しい話をしながらうまい飯を食べてると、ほんと他のことなんかどうでもよくなってくる」 ○○はそういってから、また魚を食べはじめた。 「…そうだな。私も慧音と食べる晩御飯はいつでもおいしかった」 「それは私もいつでもだ!」 そう慧音が言うと、妹紅がくすりと笑った。 「それから○○がここにくるようになって…またおいしくなったな」 妹紅がははっと笑ってまたご飯を食べはじめる。 「…」 ○○が少し黙る。 「…?どうした?○○」 妹紅が何か失言でもしたかと心配そうに聞いてくる。 「いや、別になんでもないんだ」 ○○がそういって、魚とご飯を一気にかきこんだ。 「…?」 妹紅はいまいち釈然としない様子で、魚をつまんだ。 「…妹紅」 ○○が口を開く 「このご飯食べたら少し話したいことがある。…少し時間あるか?」 「…あぁ、あるが…」 妹紅は不思議そうな顔をして、○○を見た。 その間慧音は幸せそうな顔をしながら妹紅の手作りご飯を食べていた。 「今日の月は歪だな」 竹林を妹紅と散歩しながら、不意に○○が口を開いた。 「そうだな…○○とあったのも、こんな形を半月だったな」 私がそういうと、「そうだな」といい、あの日を懐かしむような目をした。 「幻想郷にきて1ヶ月か。里の暮らしにはなれたか?」 「ん?あぁ、おかげさまでな。慧音さんがいろいろと紹介してくれてね」 「そうか」 慧音に○○のことを話し、少し手伝ってやるようにいったが、○○もなかなか慧音さんと打ち解けてくれたようで私的にはうれしかった。 「慧音さんは寺子屋で勉強を教えてるんだな」 「そうだな…頭は少し固いが、悪いやつじゃない」 「固いやつ…ねぇ」 ○○はそういうと、今日の晩御飯のときを思い出してたのか、少し笑った。 「ま、まぁ悪いやつじゃないだろ?」 「…そうだな、普通にいい人だ」 ○○もいい人の点には納得したようで、素直に慧音のよさをわかっていた。 「…食べたばっかもあるし、少しつかれたな」 ○○が腿のあたりをさすりながら言った。 「…そうだな、…もう少ししたら休もう」 私がそういうと、○○も一緒に歩き出した。 「…ここか」 ○○がそういうと、私と最初に出会った切り株に腰を下ろした。 「一人できたら迷いそうだ」 ○○がそういって苦笑いをした。 「はは、そうかもな」 私もそれにあわせて笑いながら答えた。 「…」 二人で切り株に腰掛け、少しの沈黙。 二人は共に空を見上げ、あの日と変わらない歪な半月を見上げていた。 「…○○」 「ん?」 「話ってのはなんだ?」 私はずっと疑問に持っていたことを持ち出した。 「…あぁ」 ○○は空を見上げながら口を開く。 「いや、さ。俺が幻想郷にきて、妹紅にはお世話になりっぱだな…と」 「…そんなことか。きにするな」 「…そうか」 …また少しの沈黙が流れる。 「…少し寒いな」 「そうだな…」 出会ったのが10月の半ばごろ。 もうそろそろ12月になりかけの今、さすがに厚着もしないで秋夜を出歩くのは寒い。 「…」 ○○が私に寄り添う。 「…な?」 いきなりのことだったから、私は口どもって焦ってしまった。 「…寒いか?」 ○○が心配そうに問いかけてくる。 「い、いや、大丈夫だ」 「そうか、よかった」 そういうと○○は笑った。 ○○のことだからそういうことで寄ってきたんじゃないだろう。 それでも自然と顔が熱くなる。 …よく見ると○○の顔も赤かった。 寒さのせいだろうか… 「…妹紅」 「な、なんだ?」 いきなり呼ばれたので、噛みながら返事をする。 「…大事な話があるんだ」 「…?」 大事な話…? さっきの話で終わりじゃないのか…。 そういうと、○○は立ち上がって、私と向かい合うようにたつ。 「あー…うん…」 ○○にしては珍しく、話を切り出すのに抵抗があるようだ。 「…どうした?」 「いや、うーん…」 …なんだ? 「ほら、早くしないと帰るぞ。寒くなってきたしな」 「あ…あぁ…あのな」 ○○が帰るという単語に少し焦ったのか、できる限り早く話をいおうとした。 「…妹紅」 「ん?」 私は○○の顔を見つめた。 「あー…なんていうか」 ○○はそういってから、言葉をつなげた。 「お前の左手を見てから、いや、最初にあったときから、妹紅のことが気になり出したんだ」 一呼吸おいてから、また続ける。 「別に、妹紅の特別な経歴とか、不思議な能力に惹かれたわけじゃない。純粋に妹紅のことが気になり出した」 「…」 …待てよ、○○。そこまでいったらどんな鈍いやつだって、言いたいことはわかってしまう…。 …○○…。 「妹紅…」 「…なんだ?」 ○○は一呼吸おいてから、少し強めに言葉を発する。 「俺は…お前自身のことが純粋に好きなんだ」 「…」 …くそっなんで、なんでよりによって! なんでお前に言われるんだ! お前に言われたら…悲しくなるだけじゃないか…。 「…○○…わかるだろう…?お前の時計じゃ…私と同じ時は刻めないんだ」 「…」 「私じゃ何もお前に…幸せにさせてやれん」 「…」 「…お前が死んだあと、私はどうすればいいんだ…?」 「…」 そこまでいうと、○○は黙ってしまった。 …悲しいが、私は不老不死の体だ。 ○○と同じ時は刻めない…。 わかってくれ…○○…。 「お前と…同じ時計…か」 不意に○○が口を開く。 「…これが…、俺の覚悟だ」 ○○はポケットをまさぐると、小さいビンに入った、何かの飲み物を取り出す。 「…?」 「…お前について、多少調べたんだ…すまない」 ○○は申し訳なさそうにうつむく。 …! 「それは…!」 「…」 ○○は何も答えなかった。 …それがすでに答えだ。 「どこで…」 「永遠亭に忍びこませてもらった。比較的簡単に倉庫で見つけられた」 「…○○!」 「きけ!」 私が言葉を紡ごうとすると、それは○○の叫びで遮られた。 「…お前の答えを聞きたいんだ。お前が不老不死だとか…そんなのはどうでもいい。お前が俺のことをどう思っているかが大切なんだ」 「○○…」 「…もしダメだと言うなら…俺はお前に顔を合わせることはもうない。…頼む」 「…」 …○○…。 「…煙草を一本ゆっくりめに吸う。…その間に答えが欲しい。」 「…」 ○○が煙草を一本出すと、ポケットを探る。 「…煙草、逆だぞ」 「…む」 ○○が間違いに気づき、煙草を咥え治す。それと同時に軽く指をならす。 それと同時に○○の前に火が灯る。 「…すまん」 「あぁ…」 そういうと、○○はゆっくりと竹林に歩いていった。 …○○にあって1ヶ月か…。 この1ヶ月、短いようですごく圧縮された毎日だったな…。 …私は、○○のことをどう思っているんだ…? …いや、隠すのはもういい。 …確かに私は○○が好きなんだ。 だが…いった通り、あいつと同じ時計じゃ、同じ時は刻めん…。 それに…あいつがあの薬を飲んだところで、本当にそれが○○の幸せなのか…? ○○…! 「…吸い終わった」 後ろから不意に声が生まれる。 それに気づき、私は後ろを向いた。 「…答えが欲しい」 「…ッ」 …なんて答えればいいんだ… 嫌いだと言えば、もとからいる存在じゃなかった○○は消え、また慧音と二人、"元通り"の生活になるだろう。 だがしかし、そんな簡単に消せるほど私のなかで○○はちいさくない存在だ…。 好きだが、蓬莱の薬は飲まないで欲しいと言えば…? …確かに幸せな時間がくるだろう。 だが…果たして何年だろう。 60年?70年? …私にとってはちっぽけな時間だ。 それに、○○だってそんな曖昧な返事は望んでないだろう。 …かといって、○○が蓬莱の薬を飲んだところで、それが本当に○○の幸せなのか…? …ッ! 「…妹紅」 「…」 「お前と同じ時が刻めなくても。現在(イマ)は共に刻めるだろう」 ○○が言葉を紡いでいく。 「…お前は俺に優しさと温もりのある時間をくれたじゃないか」 「…」 ○○…。 「…お前が俺が死ぬのが悲しいというのなら、俺はいつだってこの薬を飲む」 そういって、○○は蓬莱の薬を取り出した。 「…俺が幸せなのは、この薬を飲むことや、不老不死をえられることじゃない…」 「…」 「お前と…同じ時を刻むことができるのが一番の幸せなんだ!」 …! 「…○○…ッ!」 私は○○に向かって駆け出そうとした。が、それは○○に遮られた。 「…すまない。返事が欲しいんだ…ここで妹紅と触れ合ったら、離れることが絶対にできなくなる…」 「…!」 …○○! 「好きだ!」 私は声を張り上げて叫んだ。 「私も…○○が好きなんだ!」 少し目尻に涙が浮かんできた。それでも言葉を紡ぐ。必死に。 「○○と一緒に時を共にしたい!優しさが欲しい!」 「…妹紅」 ○○も少し目尻に涙を浮かべ、顔を紅潮させる。 「○○…好きだ!」 …そうだ。 私は○○が好きなんだ。 …もう迷わない。 ○○と共に、永遠を共にしよう。 …怖くない。 ○○がいるなら、永遠だってなんだって越えていけるはずだ。 …これが幸せなんだ。 ○○はビンのふたをあけ、中身を一気に飲み干す。 それを見終えて、私は○○に走りだした。 固く抱きしめてくれた○○の腕の中で、歪な三日月の下、静寂な時を刻んだ。 「…これから共に歩もう。永遠を。な?」 「あぁ…もう迷わない。…好きだ」 「俺もだ。…なんだか不老不死って実感がないな」 「ふふ、これからさ。…でも、お前と一緒なら私はどこでもいけるさ」 「あぁ、俺もさ」 『共にいこう、永月を。』 うpろだ1363 ─────────────────────────────────────────────────────────── 時は神無月。 とある隙間妖怪が外の世界へと旅行を計画、 伴侶を伴うならば参加を許可するという条件で一般にも開放され、様々な人妖が参加しているらしい。 私もそれに便乗する為、申込書を記し、我が恋人である愛しの妹紅を勧誘。 もじもじとしながら、 「さ…、さんかしても……、…いぃょ…」 と返答した妹紅は非常に愛らしく愛しくてもう私の理性は瓦解しそうになりながらも電光石火の勢いで準備を終え、共に旅立った。 数ヶ月ぶりに訪れた私の故郷は特に変化もせず漫然と灰色の空気を私に浴びせかけてきていたが、 妹紅にとっては見る物全てが――まあそれも当然だが――珍しいようで、興味津々な子猫のような愛人は非常に私の心の癒しとなっていた。 まず踏みしめている地を見、前方を塞ぐコンクリートジャングルを眺め、まるで弾幕のように流れる人々に驚いた。 私はそんな恋人を眺めているだけでもう旅行にきた事に満足していたが、私には非常に重要な用を果たすために旅にきている。 気を取り直し、恋人と外の世界の観光をすることに決めたのだ。 そこからはもう存分にイチャついたと自負している。 街で、駅で、店で、レストランで、料亭で、ホテルで、旅館で、家で、 常に妹紅と共に在った。 どこかへ連れて行くたびに、妹紅は笑い、私も笑い。とても幸せな時であった。 さんざん遊び倒し、桃色空間を展開させ、明日、いざ帰ろうとする時。 私は妹紅を呼び止めた。 「なあ妹紅、聞いてくれないか」 「なっなんだい、○○。そんな暗い顔して」 「妹紅、私は最低の男だ。私は最低の男だ。重要なので二度言った」 「さらに繰り返す、私は最低だ」 「私の精神は非常に未発達で原始的で幼稚で利己的であり、理性的とは程遠い」 「私の肉体は非常に醜悪で貧相で軟弱で脆弱で、健康的とは程遠い」 「私の性格は非常に鬱屈としていて狡猾で迂闊で残念で、 さらに私の駄目さ加減を君に正確に伝えるためには広辞苑を引用しつつ一週間かけて日本語の勉強をし直さなければならない」 「そして私は人間として無能である。これは断言できる確定的に明らかな事実だ」 ………。 「妹紅、ここまでは君は認識しているかな?」 「い、いや、ちょっと待ってよ。突然何さ、○○はそんな酷い人じゃないよ」 「ああ、私に対する擁護は今はいいよ。妹紅は優しいから、きっと全部否定して受け入れてくれるに違いない。 でも、今話したいのはそういうことじゃないんだ」 「……? まぁ、○○がいいって言うなら良いけどさ…」 「話を続けよう。 妹紅、僕は君に恋して、君を愛して、君から愛してもらうようになってからふと、感じていた感情があるんだ。勿論、恋慕以外で、さ。 最初はそれがどうして感じるのか、どうしてそんな事を思うのか、非常に不思議ででしょうがなかった」 「理解が出来なかった、そのことに嫌悪したりした。 考えては妹紅と一緒にいて、考えては仕事して、考えては食べ、そして寝た。 でもある時、その正体に気づいて戦慄した時、同時に悟ってしまったんだ」 ………、言ってしまっていいのか? 「それはいわゆる、『恐怖』だったんだよ、妹紅」 ああ、やっぱり。そんな悲しそうな顔をしないでくれ。 「私の行動が何か妹紅に害を成していないか?」 「私の言動が妹紅の品位を落としていないか?」 「私の存在が妹紅の存在を侵蝕していないか?」 「私の行為が妹紅の思考を妨げていないか?」 「私の何かが、妹紅を冒し、変質させ、 その何かが妹紅として本来あるべき『モノ』――例えば反応とか、言動とか、行動理念とか――を破壊していないか、恐怖だった」 「 ……私は○○にされる事なら、どんなことでも平気だよ?」 「嬉しいよ、妹紅。 やっぱり妹紅に愛されている私という個人は今この地球という概念全体に存在するありとあらゆる存在よりも幸福に違いない」 もうここまでだ。ここからは駄目だ! 「…でも、そういうことじゃないんだ」 やめろ!それ以上言ったら抑えられなくなる! 「…わけわかんない。今日の○○はなんかおかしいよ? あんまり行きたくないけど、帰ったら永遠亭に連れて行ってあげようか? 」 「それには及ばないんだ、妹紅、私はいたって正気なんだよ、残念ながら。 ……妹紅、君はそんな最低な『私』と一緒にいたら、きっといつか、私が原因のなにか理不尽で悲しい目に遭う時が来ると思う。 いや、妹紅が気づいていないだけで既に遭っている可能性だってあるんだ。 でもきっと妹紅は気づかない、『私』という存在に対する愛のせいで気づいていない。そして私も気づいていない、私は鈍感だからね。 これが一体どんなに悲劇的なことだかわかるかい!? 妹紅! 」 「その悲劇はまず間違いなく私のせいだ。 君が私を愛するような関係にしたのは私だ。 妹紅が気づかないでいるよう妹紅を変質させてしまったのも私だ。 そしてその悲劇にたいして認識すらしないような存在に君は愛を注ぎ込んでいるんだ! そんな愚者が幸福の内に無意識的に君を攻撃し、蹂躙しているかもしれないと考えると、私は! 私は!! 」 「○○! ○○っ! しっかりして、おちついて。 本当にどうしたの今日は? ○○、何か変だよ。何かに酷く怯えてるみたいだ」 アア、モウトマラナイ。引キ返セナイ! 「そうだよ! この感情はまさしく恐怖なんだ! 妹紅!! 私は君が恐ろしい!君が怖い!! 」 私を愛してくれて、私は感謝してもしきれず、ただただ感謝して 「どうすれば君が喜んでくれるのか?」 「何か会話をする? 何か贈り物をする? 何か行動する? 何か振舞う? 何か、何か、何だ!? 私はどうすればいい? 私はどうすればいいんだ? 私はどうすればいいのか? もし君が喜んでくれなかったら? いや、もし君が嫌な思いをしたら? 私のせいで何か不愉快な思いをしたら?」 「私のせいで君を怒らせてしまったら!?」 君にはいつも笑顔で居て欲しくて、笑っていて欲しくて、笑わなくても、穏やかな気持ちでいてほしくて 「私は妹紅に嫌われたくない!」 君が傷つくのが怖くて、それ以上に君に嫌われるのが怖くて 「振り向いてくれなくてもいいから、とにかく嫌われたくない! しかし私は妹紅にもっと幸せになって欲しい! そのためには私は君の前から消え去っても良い!体が滅びても構わない! 」 妹紅がいないと、もう私は生きていけなくて、でも私が死んで妹紅が悲しむくらいなら、最初から妹紅を好きにならなければよかった訳で 「これはひどいわがままだ!!」 到底吊り合わないのに、こんな歪で異形な私を君は愛してくれて。私は妹紅の事が愛しくて 「こんな大きな矛盾が私には突き刺さっていたんだ!! なんて醜いんだ!! 私はっ!!」 愛しくて愛しくて愛しくて愛しくて愛しくて愛しくて愛しくて、壊れてしまいそうで 「嗚呼、私は醜い!! 自己嫌悪する私が! 自己卑下する私が! 欝かね!? 私は!」 彼女がただただ愛しくて愛シくて愛しクて愛シクて愛しくテ狂っテシまイそうで!! 「○○っ!!」 私の胸に飛び込んできてくれる妹紅。ああ暖かい、柔らかい。 ふわりと彼女の髪が私の頬と肩をくすぐる、なんていい香りなんだ! 彼女の体温を感じ、少し落ち着いてきた。やはり私は、言うなれば妹紅中毒のようだ。 「○○、しっかりしてよ。○○、私はあなたがいればそれだけでいいんだ。 ○○さえいればもうそれだけで私は幸せになれちゃうんだよ? だからそんな辛そうな顔をしないでよ、自分をそんな風に責めないでよ、そんな風に泣かないでよ…」 「………私は、泣いているのかね?」 「んーん、涙は出てない。でもあなたは今、泣いてるんだと思う」 「……。そうかい、妹紅が言うのならそうかもしれないな。…でももう大丈夫、妹紅に元気にしてもらった。」 「ふふっ、現金な奴。……でも元気になってくれたなら嬉しい。」 「すまないな、妹紅。…………なあ、…妹紅」 「なあに○○? 何でも言ってよ。何でもやっちゃうから」 「君を■■てもいいかい?」 「えっ―――?」 「性的な意味でも、その本来の意味としても、だ」 「だっだめだよ!!もちろんいつ戴いてくれちゃってもいいけどっ!いやそうじゃなくってもう何言わせるのさ!!そんなことしたら○○が…」 「ああ、死ねなくなるな。だがそれがどうしたね?」 本当にどうしたというのか。 「『どうしたね?』じゃないよ!! 死ねないって、想像以上に辛いことだよ? っていうか! 死ねるから生きるって素晴しいんだよ!? それを、○○は!! 」 「でも妹紅は死ねないではないか」 「そうだけど!! いやむしろだから………、っ……ぅう~とにかく駄目っ!! 」 「どうしても? 」 「どうしても!! 」 「成る程、では実力行使に移ろう」 「………なに? 分かってると思うけど私は○○よりかなり強いよ? やりたくないけど、今後そんなこと二度と思わないように一回お灸を据えてあげようか? 」 ああ、妹紅、 「……なあ妹紅、さっき話した恐怖の話、まだ続きがあるんだ」 愛しい、妹紅、 「…? いきなりなにさ? 」 君は 私の 世界の 中心 で、 「妹紅、私が死んだら、妹紅はどうする? 」 君の 笑顔は 私の 狂喜 で、 「……とりあえず凄く悲しむ。悲しんで泣いて嘆いてこの世の終わりみたいな顔して、叫んで喚いて慟哭して悲観にくれる。 少なくともその後1000年ぐらいはそんな感じだと思うけど」 君の 涙は 私の 慟哭 で、 「じゃあ、今私が死んだらどうする? 」 ああ、愛しい妹紅 「えっ? 悪い冗談はよしてよ。もう何がなんだかわからなくなっちゃう自信があるけど、とりあえず永遠亭かな 」 君は 私に 笑顔 を くれ た。 だから、 だから―――妹紅! 「ああ、完璧な回答をありがとう。ここからは、○○マジックタイムだ!! 」 私は 君から 孤独を 永遠に 奪い去ろう―――!! 「はあっ!? 」 「サア我ガ右手ニ握リタルハ一本ノ注射器! 所謂一ツノ最高傑作ニシテ私ノ頂点ニシテ起爆剤!!マズハ之ヲ我ガ頚動脈ニ打チ込ミマス!」 そのままヅグン!っと一突き、何のためらいもなく打ち込んだ。 痛覚は無い―――というか興奮により阻害され、感じない。 「次ニ我ガ右手ニ取リ出シタルハ一振リノ短剣!銘ハ『プラグ』! コノ短剣ハカツテ鎖帷子ヲモ刺シ貫イタト言ワレル『スティレット〔メイルブレイカー〕』ヲ模シタ剣兼鍵!! コノ短剣ヲ…… 」 「っ!」 身構え、腕に炎を灯す妹紅、ああ美しい。しかしその行動を確認した私はにやりと笑い、大きく思いっきり振りかぶり勢いをつけて。 「ガフゥッ!!」 私の 首に 突き立てそ のまま 脳 が わたs の命 令を 正しく実 行するうtに――― 「ギはあァッ!!」 引k抜k―――! ズブッ ぞぷん…ップシャアアアア……… 「○○っ!?○○っ!?○―――」 ―――…… ―――再構築、再構成、再起動――― 「はい、生き返りましt…」 目の前に、炎をまとった拳が空気を切り裂きながら接近してくる。 「馬鹿ぁあ!!! 」 ドガッ―― 妹紅の怒りを存分に蓄えた右手が、見事に私の頬に突き刺さった。 「何てことしてるんだ!! びっくりした、心配した!! とりあえず一回死ねぇ!! 」 「ちょ、もこー落着いて…」 「馬鹿! 馬鹿! 馬鹿! 馬鹿! この大馬鹿野郎!! 」 罵られる度に妹紅の懇親の一撃が、その愛くるしい拳が、次々と私に着弾する。 「何でっ! なんでっ! どうしてっ!! どうして人間をやめたんだ!! この馬鹿っ!! 」 殴られ、叩かれ、殴打され…、そのたびに、「ああ、愛されてるんだなぁ」と実感が沸く。 「ひっぐ…、これじゃあ、○○が死ねないよぅ……、私のせいで…、○○が死ねなくなっちゃった…、……ぐすっ」 「それは違うな、妹紅。私は人間であることをやめたが、蓬莱人になったわけじゃないんだ。ちゃんと死ぬ方法はあるのさ」 「一緒だよ!!私のせいで…、○○が……、○○がっ…!! 」 「聞いてくれ、妹紅。 私は今、私の意思で自分に鍵を刺したんだ。一体この行為のどこに君という存在が介入する余地があったというのかね? 」 「屁理屈なんていらない!! 私さえいなければ○○はそんな怪しげな存在にならなくても…、むぐっ!? 」 言っても聞かない口は塞いでやれ、落着かない子はこうだ!! 「むーっ!? むーっ!! 」 ………………。 「ぷはぁっ!! 」 「落着ついたかい? 」 「…んな訳ないだろ!! この馬鹿! 」 また一回殴られた。 「ふぐぅっ! …なかなかバイオレンスな愛だね、妹紅。 でも私は妹紅がすることならなんだって受け入れようじゃないか。それはもう残酷なm…」 「なに格好つけてんの? …そんなに死にたいの? 馬鹿なの? 死ぬの? 」 ふと目の前の妹紅を見ると、目は据わり、能面のような表情をしていた。 しかも妹紅の背中から不死鳥の羽が生えている、本気モードなんですね、見ればわかる。とりあえずそろそろ潮時か。 「すいません」 The・土下座~☆大盛りすたいる☆~ このポーズで許してもらえなかったらもう特盛りしかない。 しかし特盛りは一部の高等テクニックを習得したものにした体現できぬ技…、果たして今の私に出来るのか…? 「………」ゲシッ!! 黙って頭を踏みつけられる、私の尊厳はどっかへ行ってしまいそうだよ。 「………で? 説明してもらおうじゃないの。中途半端とか嘘とかだったらぶち殺すから」 「ははあ! 」 それから私の体の現在の状況をいろいろ話した。正座で。 きちんと手順を踏めば死ねること、恐らく(この場合、私が蓬莱人がどのようなメカニズムで生き返るかきちんと理解していないので暫定だが) 蓬莱人とは別の存在であること、この先身体能力の衰退成長はあれども老化はしないこと、妹紅が滅びるまでは死ぬつもりが無いこと、その他いろいろ喋った。 「……なんで? 」 「えぇっ? 何故と聞かれても、そういう存在になりたかったから努力と根性で実験して発明したからとしか…」 「どうして、そんな存在になろうなんて、思っちゃったの? 」 「……、簡単な話だよ。妹紅ともっと一緒にいたい、私の寿命なんかじゃ全然足りない、私が死んだら妹紅が悲しむ。 じゃあそういう存在から脱却しよう、っていうのが動機さ」 「そんな、……やっぱり○○は馬鹿だよ。私みたいな女のためにそんなことまで……ふむぐぅ!? 」 「んー♪ 」 「んー! むーっ? 」 むちゅー 「ぷはぁっ」 「ふふふ妹紅の唇は非常に美味かつ甘露だね。やはり私は妹紅中毒レベル5といったところか」 「いきなり人の唇奪っといて何言ってんの!? まるで人を何かの毒物みたいに言わないでよ、失礼な」 「………」 「………」 「………」 「………」 「……妹紅」 「…なにさ」 「愛してる」 「………私も……」 「………」 「……っき………だ…よ…? 」 パリーン ピシャーン (なにか種子的な物が割れ、はじける音) 「ええい愛しい妹紅め!! 一体何度私の心と理性を粉砕すれば気が済むのか!! 」 「ひゃっ!? ちょっといきなり……ひゃあん!! 」 「何度自分の理性が崩壊しないようにと抑えてきたか! そしてまたいつかは、またいつかはと、それを一体何度繰り返してきた!! 」 「んぅっ! ゃっ、あぁん!! こんなっいきなりっ…! 」 「もう止まらぬさ!! 所詮己の理性など己の抑えられる所までしか抑えられん!! 」 「ちょっ! ぅあ、だめっ! ああん! 」 「そして私は本能に従う!! 従うべくしてな!! 」 「意味がわからっ! あ、あっ、せめてもうちょっとやさしく…くぅん! 」 そこで私は一つ言い忘れていたことをかろうじて思い出し、ピタリと動きを止めた。 「………妹紅」 「はぁ、はぁ、何よ…」 そして妹紅の前で一度手を合わせ 「………いただきます」 「っ!? ばかぁっ!! ひゃ、やあん!! 」 ……… …… … 『はい、ここまでよ』 えー!? もっとみせろー!! 『はいはい、まだまだ他の組のがあるんだから。それにこの後はそれはもうねっちょねちょな行為が延々と』 っ!! そこまでよ!! 『っていうわけだし、私もあそこで文字通り真っ赤に燃えてる乙女が怖いし次いくわよ次ー』 ぉおーー!! 「ぉおーー!!……ああ、妹紅、すまないがそこの八目鰻をとってくれないかね」 「ごめん○○、ちょっとあの悪いスキマをしばき倒してくるからあとで……、ってなんで○○まで面白そうに見てんのよ!? 」 「いやぁ、妹紅の愛らしい姿がもう一度見れるなんて幸せだなあと思っていただけさ」 「―――っ!? 死ね! やっぱり一回死ね! ばーか! 」 「ああ照れる妹紅もかわいいよ妹紅、実にグッジョブだ。今のこの気持ちを表すならばそう…、『あもい』」 「………まーた変なこと言い始めて…」 「そう、『嗚呼妹紅かわいいよ妹紅君のことが愛しすぎて私はもう妹紅のことが妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅ーーーー!! い』の略だ」 「………なんでこんな変な奴に惚れちゃったんだろ…、…今でも好きだけど…… 」 パリーン ピシャーン 「妹紅ーーーーーーーーーーーー!! 」 「っ!? こらっ! こんな所で! や、やめっ」 『そこまでよ!! 』 おまけ 「…えーきさま、えーきさま」 「なんですか小町」 「なんか一人、人間が寿命を弄くったみたいなんですけど…、どうしましょ」 「………ああ、その件なら問題ありません。…いえ、問題はあるのですがどうしようもありません」 「…ああ、輪廻の輪から外れちゃった感じですか? あの月人関係で」 「月人関係と言ったら関係がありますが、蓬莱の薬では無いのですよ」 「………、馬鹿の類で? 」 「……まあ馬鹿といったら馬鹿でしょうね。なんていったって恋人と添い遂げるために己の手で己を新たな存在に昇華させてしまったわけですから」 「あれ、でもこいつ元々外の人間じゃないですか」 「ええ、故に馬鹿の類なのです。 もし、彼が幻想郷へ来なかったとしたら? 外の世界は社会体系が激変していたところでしょう。少ない手順で不死になり、且つ好きなときにとある手順を踏めば死ねる。 そんな傲慢で理不尽な存在が、64億余突如として出現することになりますからね」 「…それって大変なことじゃないですか? 」 「とりあえず閻魔と死神たちは職を失いますね。天界も冥界も地獄も人口流入がストップし、深刻な人手不足に陥り最終的には我々は孤独な存在と化します」 「大問題ですね。転生する端から不死にされたんじゃ、どんどんこっち側の人口は減りますし、輪廻のバランスが取れなっちまいますよ? 」 「しかし彼は今幻想郷にます。それに彼自身は少なくとも吹聴してまわるような性格でもないし、その気も無いようです。 ………まあ、それはそれとして、その内裁きには行きますが」 「彼の自宅に残された資料や薬品の類はどうするんです? 」 「一人の馬鹿が独自の理論で完成させた技術です。 恐らくただの奇特なガラクタとして処分されるか、机上の空論だと一蹴されて忘れ去られるでしょう」 「まあ、彼が恋人と一緒に居たいが為だけにやっちまったモノですしね」 「ま、蓬莱人が一人増えたと思っていても問題は無いでしょう」 「わかりました、そういう風にあつかっときます。…じゃ」 「…待ちなさい小町、今日の分のノルマは?」 「………あーとーでー♪」 「………だーめーよー♪」 新ろだ89 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「けーねおねえちゃんどこぉ…」 一人の少年が薄暗い竹林を彷徨っていた。 名を○○と言い、歳は十にも満たず外の世界から神隠しに遭いこの幻想卿に迷い込んだのであった。 幸い妖怪に襲われる前に里の住人に助けられ上白沢慧音が引き取り共に過ごすに至った。 少年にとってこの世界は全ての事が新鮮でよく村の外で遊ぶようになり、慧音には暗くなるまでには絶対帰るようにと 念を押されていたがこの好奇心旺盛で多感な少年期には中々難しい注文であった。 友達と遊んでいたらいつの間にか逸れてしまい、さまよい歩く内に日が暮れてしまった。 瞳には大粒の涙を貯め、泣きだす寸前だった○○の後ろで何か物音がし、それに驚いた○○は腰を抜かしへたり込んで身動きが取れなくなってしまった。 「ん?何だ、○○じゃないか。こんな所で何してるんだ?」 「…も、もこーおねーちゃん?う、うわぁぁぁぁ~ん!」 見知った顔を見て安心したのか、○○は極限にまで伸ばされた緊張の糸が切れ泣き出してしまった。 一体何のことか分からなかった妹紅は取り合えず泣きじゃくる○○をあやし、おぶって慧音の家まで連れて行くことにした。 妹紅は帰りの道中さまざまな話を聞かせ、○○はその話に表情をコロコロと変えていたが途中で寝息へと変わっていた。 遊び疲れと泣き疲れたのが両方一気に押し寄せて眠りの世界へと誘っていたのであった。 「ほら○○、家に着いたぞ。で、こわ~い奴のお出ましだ」 妹紅の声で目覚めると慧音が目の前に佇んでいた。 表情からご立腹であることは幼少の○○でも容易に想像がついた。 「○○!」 「ご、御免なさい…けーねおねえちゃん!」 「まぁまぁ慧音、男の子はこれくらい元気じゃないと」 「妹紅、あまり○○を甘やかさないでくれ。今回はお前が見つけてくれたから良かったが 妖怪にでも喰われてからじゃ遅いんだぞ」 「○○だって怖い目にあったんだ。大丈夫だな○○」 そう言い妹紅は○○の頭を優しく撫でた。 「まったく…この子には甘いな」 口ではそう言うが心底心配していた慧音は○○を優しく慈しむように抱きしめてあげた。 「もこーおねえちゃんありがとう!そうだ!僕ね、大きくなったらおねえちゃんとけっこんする!」 「なっ!!!」 「だそうだ妹紅、良かったな。嫁の貰い手が出来たぞ」 腹を抱えて笑う慧音とキョトンとする○○に妹紅は顔を真っ赤にし 「○○、あのな?嬉しいけどお前と結婚する慧音が私のお義母さんになるからな。それで…」 「私は○○の母親じゃない!保護者だ!」 慧音の頭突きが見事に決まりその場に崩れる妹紅に駆け寄り○○は必死に呼びかけたが 妹紅の意識は途切れていった… ○○は慧音や妹紅、里の人達から愛情を受けすくすくと成長していった。 「昔はもっと可愛げがあったのにな…」 「ん?何か言ったか?」 「いーや、何も」 時は流れ○○は青年になっていた。 「ちょっと昔の事を思い出したんだよ」 「昔ねぇ…」 妹紅の淹れた茶を啜り○○は寝転がった。 「お前さ、わざわざ人の家に来て茶啜って寝てるだけって暇人だな」 「いいだろ別に、今日は仕事が休みなんだよ」 「しかし、○○が薬師ねぇ…」 ○○は数年前永遠亭の八意永琳に頼み込んで住み込みで弟子にしてもらっていた。 「よくあの薬師を説得出来たね」 「まぁ…な」 「ふぅん」 歯切れが悪かったが元々○○はそういう所があったので妹紅はさして気に止めなかった。 「そういえば独り立ちしたからってたまには慧音に会いに来てあげなよ。 寂しがってたよ」 「ちゃんと会いに帰ってるよ。ご馳走さん」 ○○は残ったお茶を飲み干し、湯飲みを水場に置き土間から降り際に妹紅に告げた。 少し散歩しようか、と。 「ねえ○○、私と初めて会った時の事覚えてる?」 「初めて会った時って言うと…何だっけ?」 二人は竹林を当ても無く彷徨っていた。 「覚えてない?慧音が○○の手を引いて私の目の前に現れてさ」 「あ~…妹紅が何か言って頭突き喰らってたな」 「そうそう、ついに慧音も一児のお母さんか、ってね。何も頭突きしないでもさ」 「そういうお年頃だったんだろうさ、慧音は」 その時○○は妹紅の事をちょっと怖いと思ったが何てことはなかった。 妹紅は面倒見が良く、○○とすぐ打ち解ける事が出来た。○○にとって妹紅はもう一人の保護者と言っても過言ではなかった。 「でも何だかんだ言って慧音は親馬鹿さ。○○の事となると周りが見えなくなるし 寺子屋で一番になった時は上機嫌で暴れまわってたし」 「止めてくれ、アレは恥ずかし過ぎ」 寺子屋一の秀才になった時慧音は親しき人達を集め宴会を催したがその時の あまりのはっちゃけ振りは未だに目に焼きついて離れなかった。 「そんだけ愛されてたのに自分の下から離れてあんな怪しい連中の所に行ってるんじゃ、親の心子知らずだね」 「師匠は確かに性格がちょっとアレだけど間違いなく天才さ、怪しさで言ったら妹紅もいい勝負だな」 「あ~あ昔の○○は素直で優しくて可愛げがあったのに、今じゃ夜遊びもするし慧音はどこで教育を間違えたんだか」 「後天的、周りの影響だな」 「里の友達か?確かに悪ガキが多かったからな」 「もっと身近で影響力のある奴だよ」 「じゃあ不良中年達だな」 「…はいはい。自分で言ってりゃ世話無いな」 こんな風に昔の話に華を咲かせ二人は一緒に歩いて行った。 しかしこの好ましい時間もいずれは終わりが来る。○○と妹紅とでは時間の進み方がまるで違う。 妹紅は不老不死、いずれ別れの時が来る。親しい人達との別れは辛い、独りでいる事の方がまだ心は楽だ。 いくら不老不死でも精神は人間のままで肉体的な死よりも精神的なショックの方が妹紅には辛かった。 だから大概の人とはある程度距離を置いてきたのだ。にもかかわらず○○はいつの間にかもっとも近い存在になっていた。 限られているからこそ今という時を大事にしたかった。二人の時間を。 「なあ妹紅、お前の望みは何だ?姫様への復讐か?それとも…普通の人間に戻って死ぬことか?」 「いきなり何だ…よ?」 ○○の表情は何時にも増して真剣で、妹紅は一瞬胸が高鳴った。 「教えてくれ」 「ん~…輝夜との事は難しいな。まだ憎いかって言われりゃこんな体にしたから憎いけどさ 今まで散々殺しあって互いに暇潰ししてそれなりに楽しかったし。それに普通の人間に戻るのは…無理だよ」 「そうか…」 妹紅の声のトーンが一気に下がった。顔を伏せているが妹紅は悲しい表情をしているのだろうと○○は思った。 ふいに○○は妹紅を後ろから抱き締めた。 「こ、こら○○!ふざけるのもいい加減に…」 「妹紅、俺はお前が好きだ」 不意に耳元で妹紅は囁かれ、見る見るうちに顔が真っ赤になった。 妹紅は何か言おうとしていたがまるで言葉に出来ず、抵抗することも止め大人しくなった。 「このまま聞いてくれ。俺にとって妹紅は姉であり母であり…女性なんだ。 妹紅は強くていつも妖怪から俺を守ってくれた。そのお前が一度だけ幼い俺の前で泣いたことがあったんだ。 ただ一言辛い、と」 「っ――」 「俺はそんなお前を見たくないんだ。いつだって不適に笑って自信に溢れてるカッコイイお前が好きなんだ。 今…俺は師匠の下で蓬莱人から普通の人間に戻る薬を研究している」 「無理だよ…そんなの出来っこない」 「ああ、"人間の寿命"じゃ絶対無理だ」 「人間のって…」 「はっきり言ってこれは俺の勝手な想像でお前にとって大きなお世話かも知れない。 でも妹紅が望み、迷惑じゃなかったら…お前の肝を俺にくれ」 妹紅は絶句した。蓬莱人の肝を食べれば新たな蓬莱人が誕生する。 抱き締められた状態で○○の表情を窺ったがその瞳には揺ぎ無い決意が読み取れた。 「数百年数千年かけてでも俺がお前を元に戻してやる」 「そんなの前例がないし…」 「前例がないならこれから俺が作る」 「でも私なんかの為に○○の人生をぶち壊しになんか出来ない!ほら、一時の気の迷いかもしれないし。ね?」 妹紅の瞳からは大粒の涙がこぼれ出した。 「俺だって一時の感情かもって思った。でも今まで頑張って来た。それは紛れもなく妹紅と一緒に同じ時間を過ごし共に死ぬ、その為だ。 その気持ちに嘘偽りはない。だからさ、一緒に苦労しよう。妹紅」 慧音に教えを乞い知識を授かり鍛錬を積み体を鍛え日が沈むころに紅魔館の図書館で夜遅くまで知識を貪欲に吸収する。 そして今は月の頭脳の弟子となった。それら全てはたった一つの事に集約されていたのであった。 「私だって……本当は○○と一緒にいたい…でもそれは…夢なんだ、無理なんだって…諦めた」 涙で顔はボロボロになり言葉もやっとのことで紡ぎ出している状態であった。 そんな妹紅が愛おしくなり○○はもっと強く抱き締めた。 「夢で終わるかどうかは妹紅次第だ。俺は腹を決めた、妹紅は?」 「…じゃあもう一回好きって言ってキスして」 「何度でも言ってやる。好きだ妹紅」 そう言い○○は妹紅に優しく口付けをした。 それはただの触れ合うだけの幼稚なキスであったが、今の二人にはそれで充分に満たされた。 「○○、ちょっと後ろ向いてて。恥ずかしいから」 妹紅は○○が後ろを向くのを確認するとおもむろにシャツを脱ぎだした。 そして自分で自分のの腹部を掻っ捌いた。 「ぐっ!…がはっ!」 いくら蓬莱人で死なないとはいえ激痛は伴う。傷が再生しないように妹紅は痛みに絶えながら急いで肝を 取り出した。そしてまだ生暖かく血が滴る肝を○○に手渡した。 「ハハ…結構痛いね」 そして妹紅は無理に笑顔を作ったがその場に座りこんだ。 「次は俺の番か…」 覚悟を決め一口それを含むが○○は強烈な吐き気に襲われた。 血抜きなどを一切行っていない生の肝なのだから血と鉄の味でとても食べれたものではなかった。 しかし○○は時間をかけて何度も吐き出しそうになりながらも肝を貪った。 完全に肝を食べ切った時には少し日が傾き始め、○○はぐったりとした表情で妹紅の隣に腰を下ろした。 「これで、俺も蓬莱人の仲間入りか…実感ないけどな」 「歓迎していいのか微妙だけどね」 妹紅は嬉しいという感情よりも後悔の念の方が大きかった。 自分のせいで○○は幼くして信念を固めてしまい、他にあったかもしれない道を閉ざしてしまった。 無意識に妹紅は謝罪の言葉を吐いた。 「○○…ごめん」 「何度も言わせるなよ、俺が決めたんだ」 「そうだね…でもごめん」 このままでは拉致が明かなそうなので○○は話題を変えた。 「でもまぁ、レバーは嫌いじゃなかったんだけどこれはきっついな」 「すっごい匂いだね」 「ああ、…今更だけどレバーの炒め物とかにすれば良かったかな?」 「馬鹿、そんな軽口叩ければ大丈夫だね」 「妹紅の方は?」 「しばらくしたら元通りになるさ」 傷口が痛々しいが先程より妹紅の表情は幾分か楽そうであった。 「ハハ、俺もお前”も紅”に染まったな」 二人とも血だらけでその血が少し酸化し始め深い紅色になっていた。 「うん…一緒だね」 ○○は妹紅の肩を抱き寄せたが妹紅は驚き頬を染めたままどこか所在無さげであった。 「どうした?」 「その…こういった経験ないから甘え方が分からない」 望まれない子供として生まれ、決して恵まれた子供時代を送れなかったが為に誰かに甘えることは出来ず 蓬莱人になってからも誰にも甘えることは出来なかった。 「可愛いね、お前」 「こんな事するのは○○だけだから… 「ホント可愛いね、お前。でもそろそろ着替えないか?血の匂いってヤツは長時間嗅いでいると嫌になってくるからな。それに慧音に報告しないと」 「そうだね」 その提案に妹紅も頷きそれぞれ着替え慧音の家へと向かった。 「なるほど、ついに妹紅に打ち明けたか」 「ああ」 慧音は一口飲んだお茶を卓袱台に置きじっと二人を見つめた。 ○○と妹紅が二人揃って訪ねて来た時の雰囲気と表情から慧音は薄々感づいてはいた。 昔、まだまだ子供だと思っていた○○から聞かされた夢物語が本当に始まろうとしている、慧音にとっては それは複雑な心境であった。 我が子同然に育ててきた○○が言わば人間を止め、答えがあるかどうかも分からない道を往く。 他に道は幾らでもあるだろうがわざわざ難儀な道を選んだ○○に慧音は心底心配であった。 だが子供が決めた事を応援するのもまた親の役割の一つであった。 「慧音、私は…」 妹紅が申し訳なさそうに口を開いたが慧音はそれを制止した。 「妹紅、○○は頑固で融通が利かず不器用な生き方しか出来ない。それに一つの事に没頭すると周りが見えなくなり自分の事も疎かになるような まるで駄目な男だが根は良い奴だ。どうか見捨てないでやってくれ」 「分かった」 「オイ…」 自分が褒められているのか貶されているのか微妙で、もっと良い評価が欲しかった○○であった。 「○○」 「な、何だよ?」 ○○は昔から慧音の説教が嫌いで、気付いたら説教されそうな雰囲気を読み取る程度の能力を手に入れたのであった。 そして今まさにソレを感知し身構えた。 「妹紅を絶対幸せにするんだぞ。もし泣かせるような事があったら神に変わって私が天罰を下すぞ?」 「善処します…」 「そうしてくれ。で、これからどうするんだ?」 「まずは永遠亭から妹紅の家に引っ越すよ。幸い竹林から永遠亭は近いから助かるよ」 「一人で暮らすには広かったから二人で暮らすには困らないしね」 「人里離れてるから思いっきりイチャイチャ出来るしな」 「○、○○!」 二人からは早くもバカップルオーラが発せられていた。 「…で、式は挙げるのか?」 その場に居た堪れなくなった慧音は話題を振ってそのオーラを払拭しようと試みた。 「いや、今は恋人って関係を楽しむよ。式はその後に、紅白の貧乏巫女の神社ででも挙げるさ」 「そうだな、二人にはそれが丁度いいな。だがまぁ…程々にな、色々と」 ○○は慧音の好物の羊羹を土産として持ってきたのであったがまったく手をつけていない事に気が付いた。 「食べないのか?好きだろ?その羊羹」 「好きだがな、今のお前達を見ていたら甘いものはいらないよ。ご馳走様」 そういってお茶を啜る慧音に妹紅は頭上に疑問符を浮べていた。 「慧音」 しばし雑談をしていた時急に○○は姿勢を正し、慧音の方へと体を向けた。 「この幻想郷に迷い込んで里の人たちに拾われ慧音に出会い、そして俺を育ててくれた。 迷惑も掛けてきたし俺の我侭に付き合せてた事、本当にすまないと思う。…そしてありがとう」 「珍しいこともあるもんだな。お前からそんな言葉を聞けるなんて」 「こんな時じゃなきゃ言えないさ。心から感謝してる」 「そう思うならたまには孝行をしろ。馬鹿」 慧音は目頭が熱くなり泣き出しそうになったのを必死で堪え笑顔を作った。 「ああ、時間ならたんまりあるからな。覚悟してろよ……母さん?」 「…っ。全く…この、馬鹿、息子が…っ。期待、しているぞ?」 仲睦まじく竹林の方へと去る二人に慧音は手を振り見送った。 「はぁ……子を送り出す親の心境か、こんなにも辛いものなのだな」 「そう思うのなら私の元に居て!って引き止めればよかったのに」 ズイっとスキマから八雲紫が慧音の前に突然現れた。 「そんな事出来るわけがないだろう。○○を嗾けた張本人が何を言う。それに盗み見とは趣味が悪いな」 「あら、人聞きが悪い。数年前私を訪ねてきた少年に可能性を教えただけよ?そう、暗闇に光を射す方法をね」 紫は口元を扇子で隠しながら笑みを浮べ、その仕草が胡散臭さを一層引き立てた。 「あのバカにはその小さな光があまりにも眩し過ぎてそれしか見えなくなってしまった」 愚直な性格、○○の長所であり短所 「私はそういうバカは嫌いじゃないわよ。それに針みたいな小さな光でも深い闇を貫くことは出来るわ」 「そうあって欲しいものだ」 「大変ね、お母さんは」 「フン…放っておけ」 ―せめて○○と妹紅に死が訪れるまで幸多からん事を― 「あのね○○、私もう一個夢が出来たんだ」 二人は竹林への道を歩いていた。 これから気の長い時を二人で過ごすであろう竹林へと。 「ん?何だ?」 「私と○○の子供をたっくさん産んで輝夜に見せつけてこう言ってやるんだ。 どうだ羨ましいだろって。そして奴の悔しがる顔を見て笑ってやるんだ」 「素敵な夢だな…。でもそれには俺の協力も必要不可欠な訳だな」 「うん…ちょっと恥ずかしいかも」 頬を紅く染め上目遣い…凛々しい妹紅も良いが可愛い妹紅もヤバイ。○○の妹紅メモに新たな項目が追加された瞬間であった。 「でも私慧音みたいに胸大きくないから大丈夫かな?」 「妹紅は人間に戻れば成長期だから大丈夫だろ。なんなら俺が手伝ってやってもいいけど?」 「○○って人の胸大きく出来るの?ハッ!まさか慧音の胸を大きくしたのは○○か」 「いや…その…今の言葉は気にするな」 「?」 どうやらそういった知識に妹紅は疎いようで、そんな初心な所に○○は妹紅の可愛さを再確認したのであった。 危うくその場で妹紅を押し倒しそうになったが、場所が場所でムードの欠片もなかったので○○はグッと堪えた。 「何一人で楽しそうにしてんのさ、それよりほら」 一人悶々としている○○に妹紅は手を差し出した。 「これから忙しくなるんだろ?」 「そうだな…まずは永遠亭から俺の荷物を妹紅の家に運ばないと」 「私達の、だろ?これからは」 「ああ、そうだったな」 そして差し出された妹紅の手を○○はしっかりと力強く握り締めた。 願わくばこの手を離す時は死が二人を分かつ時であることを… 新ろだ282 ─────────────────────────────────────────────────────────── 表では子供達が走り回り、眠っていた動物達もちらほらと姿を見せ始めていた。誰もが春の訪れを感じるそんな日。 里の中のとある一軒、ここは○○という青年の家である。 普段なら仕事に行く為に出てくる時間なのだが、今小屋の前からは誰も出てくる気配が無い。 それもその筈、彼は風邪をこじらせ仕事どころでは無いのだ。 この男数日前から熱っぽさを感じていたが、ただ調子が悪いという事で片付けていた。 それが間違いであったという事実に彼が気付くのに時間はかからなかった。 あっという間に体の調子を損ない、必要な時以外は布団の中で過ごすハメになってしまったのだ。 「ああ…くそ、熱が下がる気配が無い…。薬合ってないんじゃないのか」 誰に聞かせる訳でも無く天井を見つめそう呟いた。 それ以上独り言を言う力も無いのか、そう言ったきり彼は眠りの中へと落ちていった。 あれからどれくらい経ったのだろうか。彼は誰かが自分の名前を呼ぶ声で目を覚ました。 少し休んでいたとはいえ玄関まで出て応対する力など出せるはずも無い。 今自分を呼んでいる人物には悪いが、このままやり過ごさせてもらおう。彼はそう決めた。 誰も出てこないと分かると声は次第に無くなっていった。 次に聞こえてきたのは声では無く、誰かが扉を開け家へと入ってくる音であった。 強盗の類であれば、健康体であっても太刀打ち出来るかは分からない。この状態なら尚更である。 そして部屋に飛び込んできた人物、それは大きなリボンに腰まであろうかという長い髪をたなびかせた女性であった。 飛び込んできた女性、彼女の名前は藤原妹紅。 里で寺子屋を教えている上白沢慧音の知り合いであるようで 彼自身も何度か顔を合わせて話を交えたこともあり、知らない仲でも無いのである。 「あれだけ呼んでるんだから返事くらいはしてくれてもいいんじゃない?」 「してはやりたかったが、こんな調子じゃちょっとな」 「あぁやっぱり慧音の不安が当たってたか」 寝込んでいる彼を目の当たりにして、彼女は少し溜息をついた。 「慧音が俺の心配してくれてるの?ありがたいなぁ。病気になった甲斐があったよ」 「ふざけない。で快復の兆しは見えてきてるの?」 「薬は飲んでるんだが、一向に治らなくてね」 「飲んでるだけじゃすぐには良くならないよ。…風邪引いてからまともな物食べてないでしょ」 「え、ああ、確かに寝てる事だけで精一杯だったからそんなに食べてないかな」 「だと思ったよ。はいこれ」 そう言い彼女は布団の上に少し大きめの風呂敷を置いた。 「慧音からの差し入れ、中身はお粥だけどもね」 風呂敷を開けると中には蓮華とふたの付いた丼が入っていた。 「ほら食べさせてあげるよ、口開けて」 「いや恥ずかしいからお前が帰った後でゆっくり食べさせてもらうよ」 「誰も見てないんだから別に良いじゃない。ほら、あーん」 少し抵抗していた○○であったが、おずおずと粥の入った蓮華を口にした。 「どう?美味しい?」 「…美味しいよ。ここ二日で口にした中で一番美味しい」 「慧音が作ったんだから当然だね。ほらもう一口」 二度目ともなると恥ずかしさは消え彼はすんなり口に入れていた。 何度か粥を口に入れるともうお腹は膨れていた。 「しかし食事だけとは言え面倒見てもらって悪いな」 「良いよ、慧音の頼みだし。それに…」 「それに…?」 「い、いや私自身も暇だったし丁度良いかななんて思ってたんだ。うん。」 「理由は何だって良いさ。助けてもらたったんだし、何かお礼をしないとな」 「いらない。見返りが欲しくてやった訳じゃないよ」 「それじゃ俺の気が済まないんだ。出来る範囲で礼をさせてはくれないか?」 「なら、もしも私が病気にかかったりしたら○○にした事を私にもして欲しい。これじゃダメかな」 「そんな事で良いのか?…分かったいつになるか分からないけど約束する」 「本当に?絶対に約束だよ」 「そんなに念押しするなって、嘘はつかない性分だから安心してくれ」 と、何だか腹も膨れたし、また眠くなって来たな。」 「寝付くまでは傍にいるよ、何が起こるか分からないでしょ?」 「流石にそこまでは望んでないけれども…」 「良いじゃない、私がしてあげたいと思ってるんだから。問題は無いでしょ」 「それもそうかな…それじゃお休み妹紅」 「お休みなさい、○○」 目を閉じて眠りに落ちていく彼を見つめながら妹紅は静かに微笑んでいた。 新ろだ436 ───────────────────────────────────────────────────────────
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キャラ名 HP 攻撃 防御 知力 射程 速度 特技 パワーゲージ スペルカード 藤原妹紅 700 80 75 60 3 4 復活 格闘 6 フェニックス再誕 スペル効果 自パーティが最大値を越えてHPが回復し、一定時間、攻撃力・移動速度・格闘ダメージが増加する。 スペル詳細 攻撃+50 格闘ダメージ1.5倍 回復上限値+50%まで 回復量要検証(知力100で+799)効果時間:14+知力*0.15c 迷いの竹林に住む、不老不死の少女。 蓬来山輝夜とは、永きに渡り殺しあう仲。 なぜかモンペを愛用している。 編集Ver:1.2.7 考察
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妹紅4 13スレ目 498 うpろだ1000 (慧音 うpろだ989~の派生) 「ありゃ?・・・おかしいな」 釣竿が無い 確かにここにおいてたはずなんだが あー・・・もしかして 頭の中には、一人の人物と、ある場所 自信を持って、その場所へと出向く事にした やはり、いた そこは以前一緒に釣をした場所 そこは、彼女と 「もーこうっ」 「ひゃぁぁっ!?」 ふざけ半分で、後ろから抱きついた まぁ俺としては慧音ほどは無いとは言え妹紅の幼さを残して成長を止めてしまった禁断の果実の方が好みな訳でして あわよくば、いやいや、あくまで事故ですよ?ははは、そんな後ろから鷲掴みとか、焼かれちゃいますって 「だーれだ」 「え、あ、○、○○!?って手の位置が違うでしょ!」 「ははは、ついうっかり(棒読み」 「い、いつまで触ってんのよ!ばかっ!」 俺は潔く手を離した 恐らくこれ以上からかえば、レアな焼死体が・・・ 「勝手に釣道具を持ち出した仕返しだ」 「それは、いや、でも」 「それは、今の胸の分でチャラ、と言う事で」 妹紅は顔を真っ赤にして、そっぽ向いてしまった 「ざ、残念だったね、慧音ほど無くってさ・・・」 ぐはぁ こ、これはなんと言う威力の高さ 個人的な意見だが 胸が小さいから好きなわけではなくて 胸が小さい事を気にしているところがまたストライクなのではないかと しかもそれが普段は気の強い感じだと更に! 「そ、そうか・・・俺はお前ぐらいのほうがいいかと」 「・・・な、なんだ、ちっさい方が好いって?変態かよ」 「おいおい、そんなこと言ったらお前は変態にしか需要がないことになるぞ」 何でこんな話をしてるんだ 真っ昼間からこんな所で しかしフォローのつもりが変態扱いかよ、酷いじゃ無いか妹紅 「こ、この話はここまで!なんか変な方向に行きそうだからっ」 「同意、変な方向に行きそうだ」 危うく違う板の話になる所だった 「それで・・・釣れたのか?」 「・・・餌とか、結び方とか」 要するに何にもわからないってことか 俺に声掛けりゃいいものを・・・ 「オーケーオーケー、じゃあまず仕掛けの作り方から説明しよう」 ~かくかく、しかじか~ 「結び方はこの二つ憶えておけばいい、重りはウキにあわせて、後は・・・」 妹紅は熱心に話を聴いている だから俺も、この機会に色々と教えておく事にした 「餌は?」 俺は朽ち木をひっくり返して、その下に居たミミズを釣り針に引っ掛けた 「こういうのでもいいし、川に入って蟲を取るでもいいし、まぁ蟲なら何でも食べるだろうから」 そういえばこいつには伸べ竿しか教えてないなぁ でも俺もこれ使うしな・・・ ああ、そういえば向こう岸は竹林じゃ無いか リュックから鉈とナイフを取り出して 「今教えたとおりに釣ってみろ、俺はちょっと向こう岸に行ってくる」 「結構、あるなぁ」 なんともでかい竹林 鋸があれば楽だろうに、鉈じゃ面倒だが・・・まぁいい 自分の腰ぐらいの高さの所を鉈で、何度も打ちつけた 十や二十では断てない 反対側に回って鉈を打ちつけた それから数分 半分以上切れて、今にも倒れそうだ 「最後はーかっこよくー」 鉈を地面においた 少しだけ距離をとって、蹴った めきめき、がさがさがさ 葉音を立てて、竹は折れた 「さて、上の方の葉をおとさにゃ」 がさごそがさごそ 「よう妹紅、釣れたか」 「○○・・・何とか一匹」 バケツにはいいサイズの魚が泳いでいる 「おお、やったな」 「それ何?」 「ん?ああ、お前の釣竿だ」 「えー、この竿の方がいい」 「おま、初心者は竹竿と相場が決まってるんだよ、ってかそれは俺の竿だ」 まだ乾燥させたり先っぽを変えたりはせなんが、まぁこのままで釣れなくも無い 「・・・幻想郷って言うくせに棲んでる魚は外と変わらないのな」 「へぇ、そうなんだ」 住んでる人はこうも違うのに 自然ってのは変わりようが無いのかね 「仕掛けの作り方も憶えたし、自分の竿もできた、これで一人でも釣が出来るな」 「え・・・うん、そう、だね」 「・・・日が、暮れてきたな」 俺がそういうと、妹紅はバケツを川にひっくり返し、魚を逃がした 「よかったのか?」 「うん、だって最低3匹は釣らないと・・・一匹じゃしょうがないでしょ」 「・・・帰るか」 道具を片付けて、帰路につくことにした 夕日が、沈もうとしている 里を歩く、もうすぐ家に着く そうすれば慧音が迎えてくれて、温かい夕食、一人ではない― 「ああっ、あんた!そこの家の人だよね!?」 「え?俺?」 面識の無い・・・いや、確か 「ああ、お向かいさん」 「いやぁ最近姿を見ないと思ってたんだけどねぇ・・・これ、あんたのだろ?」 彼が差し出したのは、俺の財布 「外の物みたいだけど里に落ちてるのはおかしいなって思ってね、そういえばあんたは外から着たんだったなって思い出してね」 「あ、ありがとうございますっ!」 嗚呼、俺の財布 中身を見ると、家の鍵も、全財産もまったく無事だった 何か礼を、と言うと お向かいさんだしね、袖振り合うのがなんとやら と言って家に帰ってしまった 俺も妹紅もぽかーんと固まっていた 俺は固まったままだったが、妹紅に服の端を引っ張られて、我に帰った 「ねぇ○○・・・今日は、帰ろうよ」 「・・・そう、だな、慧音にも報告しないといけないし」 「そうか・・・よかったな○○」 「本当に・・・世話になった、ありがとう」 慧音に事の成り行きを説明しつつ、最後の晩餐を、味わっていた また明日から一人の食卓になるかと思うと、寂しかったが、元に戻るだけだと思うことにした 「寂しくなるな・・・たまには遊びに来てくれ、いつでも歓迎する」 「ああ、寂しくなったら遊びに来るよ」 嘘だ、俺はもうここには来ないだろう たぶん、この機会にきっぱりと、分かれてしまわないと 俺には、ここは暖かすぎるよ 居心地がよすぎて、駄目になってしまう 「嫌だ」 「・・・え?も、妹紅?」 「○○は、ここにいて欲しい、よ」 ずっと黙っていた妹紅が、消え入るような、だが確かにそう言った 「!?ごめん、私、○○・・・ごめん」 勢いよく飛び出していった、いったい何処へ行こうというのか 「・・・すまないな○○、あの子はお前のことを」 「解ってる・・・こういう時、追いかけなきゃならんのだろうな、男だし」 「ああ、行ってこい」 俺も、家を飛び出した 彼女の姿は、すぐそこにあった 遠くに行って無くてよかったと、思った 「妹紅」 俺の声に身体を震わせて、振り返った 「○○・・・頭冷やしたよ、もう大丈夫・・・大丈夫」 タバコを、吸っていた そういえば俺が来てからは一度も吸ってなかったな、なんて思い出した 俺はそのタバコを取って、靴で火を消した 「なっ、なにす「強がんなよ、ほれ」 俺の胸に飛び込んできなマイハニーといった感じで両手を広げて だが妹紅は来なかった 「ば、か・・そんな優しく、しないで」 ぽろぽろと、涙が、零れていた 俺と妹紅の距離、一歩でも歩けばぶつかるほど近いのに だから、俺が、その一歩を踏み出した 「なぁ妹紅、俺はお前のこと大好きだ、お前は、どうだ?」 「ばか、私のほうが、ぜったい大好き」 「・・・いや、俺の大好きは半端無いぞ?」 「私の好きはこれ以上がないもん」 「ああ、それなら互角だな、俺の負けはなさそうだな・・・勝ちもなさそうだ」 より強く、抱きしめた この腕の中の少女が、あまりに愛おしくて すると、彼女の方から抱き返してきた 細い腕が、俺の背中に回されて 「ねぇ○○・・・愛してる」 「ん、おれも、愛してる」 俺たちは、初めてのキスをした 甘酸っぱいとかレモンとか、そういうのは全然解らなかったが すごく、暖かい気持ちになることが、できた end 13スレ目 626 「まぁ、俺は永遠には生きられないけど、亡霊になってでもお前を想い続けるよ」 うpろだ1129 人里の寺子屋。 上白沢慧音は今日も今日とて子供らを前に教鞭を振るっていた。 しかしどうしたことか生徒たちの様子がおかしい。 そわそわとしてまるで落ち着きが足りないのだ。 普段であればすぐに慧音の頭突きなりなんなりが飛ぶのだろうが、それもない。 何故か? 彼女自身もその理由をよく判っているがために。 そして『それ』はここ暫くの恒例であり、不可避のものであるからだ。 「……一旦ここまでとする。昼食を摂ったら続きを――」 『それ』は定期的に訪れるものではないが、予兆は存在する。 今回の例でいえばそれは―― 新しく居を構えたある家屋の扉が今朝方、轟音とともに吹っ飛ばされたことだったり。 その家に住むことになった若者の名前を罵る少女の怒声だったり。 竹林に向かって飛んでいく火の鳥などがそうだった。 「うわーーーーん! けーねーーーーーー!!」 まさに天災。 人知を超えた理不尽な暴力。 『それ』、その名を夫婦喧嘩という。 そしてその片割れ藤原妹紅、堂々の襲来である。 その瞬間を持って平和な昼下がりは消し炭と成り果てた。 「……ああ妹紅すまないが今私は授業中だ忙しい。帰れ」 「休憩って言った。それより○○が非道いんだ!」 待ち構えてやがったのか。 そのまま二人分の昼食を取り出す妹紅。 逃がす気はさらさら無いようだ。 慧音は溜め息を深々とつき、仕方なしに茶を用意した。 思いっきり渋く。そして熱く。 酒があれば一番よいのだが、生憎と真昼間なので断念。 素面で愚痴や惚気に付き合うのはまさしく苦行であり、それが両方同時ともなれば拷問に近いというのに。 「で、今度は何事だ。また味噌汁のダシを変えたのに気づかなかったか」 「そんなんじゃないってば!」 味噌汁のダシ云々は前々回の痴話喧嘩の理由だ。 その騒動は幻想郷を局所的に巻き込み、ついには「出汁事変」として博麗の巫女すら首を突っ込まざるを えない状況になったが割愛する。 それを指して「そんなん」とは、すわ一大事かといえばそうではない。 本人らにしてみれば一過性のものに過ぎないのだ。 たとえ周囲の被害がどれだけ酷く、尾を引くものだったとしても。 「……あれから暫くは、味噌汁が甘ったるく感じたぜよ」 生徒の一人が苦々しく呟いた。 部屋にいる生徒は半分ほど。 我先にと避難した者と、怖いもの見たさに残る者。 好奇心で猫が死ぬなら野次馬根性で人死にがでても可笑しくはない筈だが、物好きなことである。 「もう駄目だ、今度ばかりは私たちお終いかもしれないっ」 よよよ、と泣き崩れる妹紅。 しかしこれも毎度のことだ。 演技ではなく本気でやってるのも毎度のことだ。 慧音はそうかそうかと適当に相槌を打ちながら、出された握り飯の包みをほどく。 丸い塩むすび、所々に具のついたそれはどうやら人の顔を模しているようだ。 「本当は○○に渡そうと思ってたんだけど……。もう、あんなヤツのお昼ご飯なんて知らないんだからっ」 限定してるのは無意識なのか否か。 間抜け面の顔むすびに慧音は怨嗟を込めて齧り付く。 鼻にあたるだろう部分を上に、半分ほどを一口で頬張る。 あー、と残念そうに声をもらす妹紅。 どうしろってんだ。 「ん、コホン。話は今日の朝までさかのぼるわ」 早朝、人里の端っこにある○○の家の中。 小鳥の囀りに目を覚ました妹紅は、甲斐甲斐しく朝食を用意するべく布団を出た。 ――ここで、愛しい人の温もりに溢れた布団と腕枕の抗い難い魅力を身振り手振りつきで力説されるが省略。 朝餉を作り昼食の弁当を包み終え、いざ○○を起こそうとしたところでふと思いつく。 今日は少しお洒落をして朝から驚かせてやろうと。 どんな反応をするものか、期待に胸を膨らませ目尻をだらしなく下げながら猫撫で声で朝を告げた。 しかし揺り起こされた○○は習慣となった朝の挨拶を返すだけ。 ――この朝の挨拶「おはよう、愛しい妹紅」を物真似で再現されるが、浸りすぎの為か全く似てなかった。 何か気づかないかと匂わせてみても寝ぼけ顔で呆けるばかり。 10秒で期待は落胆に、落胆は憤怒に変わった。 「○○のっ、バカーーーーっ!!」 罵声とともに繰り出されるは少女の怒りを乗せた一撃。 季節は春、紅葉が舞うには早すぎる。 因ってパーではなくグー。 乙女心の右拳が盛大に炸裂した。 「……と、いうわけなの」 慧音はそーなのかーと適当に聞き流しつつ、胃から込み上げてくる何かを茶で流し込む。 火傷しそうな程に熱かった筈のそれはすでに飲み頃に冷めていた。 「それで朝に家を飛び出して……今まで何をしていたんだ?」 「輝夜んトコで暴れてきた」 長きに渡る因縁がもはやただの八つ当たりとは。 対象が眼中に入ってない分、輪をかけて非生産的だ。 そんなことしてるから輝夜は○○にちょっかいを出すのだろうか。 「ちなみに、そのお洒落というのは……」 「見て判らない? リボンを増やしてみたんだけど」 なるほど、彼女の長い髪先にアクセントとしてつけられているリボン。 それが一つ? 増えていた、らしい。 とはいっても容姿が劇的に変化するわけでもなし。 そもそも結わえるのなら一つで十分、二つ目に意味など特にないのだから幾つにしたところで言わずもがな。 この場にいる全員が言われたところでサッパリだった。 たとえ気が付いたところでどんな感想を抱くにも至らないだろうが。 「他には?」 「それだけだよ」 判るか、そんなモン 「私、○○に嫌われちゃったかな……」 先程までとはうってかわってしおらしく呟く。 自分の無茶苦茶っぷりに気づいた、訳ではない。 張本人に一発、輝夜相手にスペカを6枚ほど、そして慧音に愚痴(惚気)を聞かせたこの時点で鬱憤が綺麗さっ ぱり晴れただけのこと。 出すだけ出してしまったあとは、平時であれば四六時中べったりな○○がいなくて寂しくなっただけだ。 しかし自分から会いに行こうとはしない。 何故ならば、今この状況も、そしてこの後の展開も、全て予定調和に過ぎないのだから。 彼女にしてみればそれは王道。 周囲にしてみればとんだ茶番。 「妹紅ぉおおおーーーーーー!!」 この状況を作り出した原因にして、この場を収束させうる唯一無二の登場人物。 足音も高く、○○。堂々の見参である。 ああ、しかし心せよ。 物事が好転するわけでは決してない。 昼下がりの愛憎劇、『憎』が消えたらどうなるか? ひたすらのラブシーン、致死量の『愛』がばら撒かれるのだ。 「探したぞ妹紅っ、こんな所にいたのか」 探すも何も妹紅の駆け込み先などたかが知れている。 慧音相手に泣きつくのが大半で、自然と寺子屋もしくは彼女の自宅に高確率で行き着く。 探しているというのは建前で、彼女の機嫌が落ち着くまで時間を潰しているというのが本当のところではない かと思われるが、何分この二人のことだからわからない。 妹紅曰く「二人の思い出の場所」とやらを巡って一人で気分を盛り上げていたとしても可笑しくはない。 「っ……何よ、今さら来てどういうつもりっ」 口調だけなら勇ましい。 しかし○○に背を向けた妹紅、頬がぴくぴくしている。 いい感じで心細くなってきたところに図ったように現れた想い想われ人、内心は嬉しさヴォルケイノなのだ。 「私の……気づかなかった○○なんて、もう知らないんだからっ」 語尾に八分音符が付きそうなぐらい跳ね上がっていた。 もう媚び媚び大喜びだ。 「わかっていたさ! リボンが増えていたことなんて、一目でわかった!」 気づいてたんかい。 この女にしてこの男ありというほかない。 お互いにのみ発揮される観察眼には脱帽である。 「じゃあ、どうして!」 と、妹紅は切羽詰った風に言ったつもりらしい。 だが実際には、間延びした猫撫で声で「じゃーあー、どおしてぇー?」と頬に両手をあてていやんいやんと上 半身をくねらせての発言だ。 「それは、いつもと違う妹紅に……。いつもより可憐で美しい妹紅に心奪われてしまっていたから!」 どうやら気づかなかった訳ではなく、気づいたうえで見惚れて放心したとのこと。 そういうからにはそれが真実なのであろう。 たとえそれがどんなに馬鹿馬鹿しく白白しいものだったとしても。 こいつらは二人揃えば予想と常識の斜め上を平気で飛び越えるのだ。 「……っ、○○!」 「妹紅!」 感極まって振り向き、走り出す妹紅。 ゲートが開くのを待ち構えていた競走馬のようだ。 そしてそれを抱き留めた○○。 二人は抱き合いながら部屋の中央でクルクルと回りだす。 学び舎であったはずのそこは酷い有様となっていた。 見物を決め込んだ生徒は机に突っ伏している。 逃げ出した生徒の内、頃合を見計らい損ねた者は部屋の入り口付近で折り重なって倒れている。 いつから覗いていたのか、かの妖怪はスキマから上半身だけをだらりと垂らしてぴくりとも動かない。 正気を保っているのは慧音だけだ。 そんな地獄絵図のなかで幸せそうに笑いあう二人組。 「ぶっちゃってごめんね? 痛かったでしょ」「もう平気だよ。それに妹紅の受けた痛みに比べればこんなもの、 なんでもない」「ううん、いいの。だって○○のこと信じてたから」「俺も信じてたよ。またこうして抱き合える ってね」「○○ったら……ほら、ほっぺた見せて、消毒してあげるから。――んっ」「っはは。くすぐったいよ妹 紅。よし、お返しだ」「んっ、ゃん。私はぶたれてないってば――あんっ」「泣かせてしまったな。いつか約束し ただろう? 妹紅の涙は全て拭い去るって」「違うよ、これは嬉し涙だ。○○が迎えに来てくれたのが嬉しかった の」「たとえそうであってもだ。妹紅の涙は綺麗だから、全て俺のものにしたい」「んっ、酷いな。私の全てはと っくに○○のものなのに」 ……とかなんとか。 愛の弾幕はハート型弾自機狙い、脅威の128WAY。 一歩でも動けば即被弾間違いなしの超高密度。 本体を止めなければ時間無制限でばら撒かれ続けるのだ。 そのままちゅっちゅくちゅっちゅく乳繰り合っていたが、いよいよのっぴきならなくなってきたらしい。 頬への口付けから今にも本格的な接吻に移りそうである。 それだけは、というかその先は未然に防がねばならない。 そしてそれが出来るのは今となっては彼女だけ。 「貴様ら……」 痺れた脚に力を込め、ゆらりと立ち上がるその様は幽鬼のよう。 振りかぶられた手には空の湯飲み、書かれた文字は色即是空。 「いい加減にせんか、この⑨ップルがーーーーッ!!」 上白沢慧音、渾身の一投。 狙うは色ボケ結界唯一の当たり判定。 今まさに一つになろうとしている口腔粘膜接触部。 「ぉぷす!」ピピチューン どちらが上げたか間抜けな悲鳴とともに倒れる二人。 荒く息をつく慧音。 死屍累々の教室。 午三つの鐘が鳴らされる。 ここに此度の痴話喧嘩騒動は終結を迎えた。 「……しかしこれで終わったと思うな……いつか第二、第三の素敵な二人が……」 「うるさいうるさいダマレダマレ」 うpろだ1305 幻想郷に迷い込んで早一年。すっかりこちらの生活にも慣れた。 今の生活は、竹林でぶっ倒れていた所を妹紅に助けられたことから始まる。 気がついてから里へ連れて行かれて、妹紅の友人である慧音さんから 幻想郷について色々な事を教えられた。 こちらに残ることを決めたオレに、慧音さんは職と住む場所を与えてくれた。 のちに慧音さんから教えてもらった外来人に対するルールを考えれば、 自分はとても運が良い部類に入るんじゃないだろうか。 命があり、五体満足なのだから。 幻想郷の暮らしは外の世界から来た自分には大変なものだけど、 充実した生活を送れている。 ただ、元々自分は幻想郷の人間ではないので最初は周囲から警戒されて なかなか街の人達の中にとけ込めなかったけど、慧音さんの計らいで 歓迎会兼親睦会を開いてもらい、思ったより早く馴染むことができた。 そして、たまに妹紅が尋ねてきてくれて他愛無い世間話をできたことが、 まだ里に馴染む前の自分にとっては本当に助けになった。 その事について妹紅に礼を言うと、拾ってきたのは自分だし、 少しくらい面倒を見るのは当然だ。気にするな、とそっぽ向いてしまうが、 その気遣いが嬉しくて、やっぱり「ありがとう」と礼を言ってしまう。 --------------------- 外はすっかり日が落ち、木枯らしが吹いている。まさに冬である。 元々幻想郷の住人ではない自分にとっては、この季節は外の世界で 使っていた数々の暖房器具が恋しくて仕方がない。 無い物ねだりな思考のまま炬燵に手足を突っ込みつつ、天板の上に顎を乗せる。 今日は珍しく妹紅が夕食を作ってくれるというのでのんびり待っているのだが、 正直ちょっと不安だったりする。何故って、妹紅の料理スキルが如何程なのか まったく知らないのだ…… さっきから野菜を切る音と、何やらガチャガチャと音が聞こえてくるのだが、 主に後者の音の発生源が不安でならない。 「お~い、妹紅~」 つい、不安になって声をかけてしまう。 少しすると音が止み、台所の入り口から妹紅が半身を覗かせて「どうしたの?」と 聞いてくる。 「すっかり聞きそびれてたんだが、今日の夕飯って何?」 「あれ……? 言ってなかったっけ?」 どうやら、妹紅は言ったつもりになっていたらしい…… 聞いてないことを伝えると、何やら満面の笑みになってこう切り出してきた。 「今日は鍋だ。この間○○が言っていた『もつ鍋』っていうのをやってみようと思うんだ」 料理くらいなら懐かしいものを食べてみたいだろ?と妹紅は続けた。 そういえば、本格的に寒くなる前に慧音さんと3人で鍋をした際に、外の世界にいたとき 好きだった『もつ鍋』について話してたことを思い出した。 「もつ鍋のこと良く覚えてたな……。覚えていてくれてありがとな、妹紅」 「っ! …そ、そんなの当たり前だろ。お前が好きなもの位覚えていてやるよ」 妹紅が覚えていてくれた事が堪らなく嬉しくて、自然と綻んでしまった顔で礼をしたのだが、 なんだか妹紅の反応がいつもと違う。…なんでさ? 《side Mokou》 あのタイミングで微笑むのは、ちょっと反則だろ? 流石というか、○○は今日のことを不思議に思っていない。 これなら、私の計画も予定通り遂行できる…… 今日は慧音も里の寄合でしばらく帰ってこない。計画通り○○と二人きりだ。 これで、誰にも邪魔されない。 台所に戻り、○○が河童に作ってもらった『冷蔵庫』という入れ物から、 ○○が大好きな『もつ』と取り出す。 もつ鍋は牛か豚の腸を使うって○○は言ってたけど……鶏の内臓を入れても良いよね。 ねぇ、○○。何があっても私達ずっと一緒だよね? うpろだ1333 今朝起きると敷き布団のシーツが破れていて、苔色の麻地が縦に裂けて中から花柄の下地が見えていた。 裁縫なんか生涯としてまともにやったことがないので、はてどうしたものやらと朝飯のお茶漬けを食べながら思案していたところ。 何故かその裂け目が剥き身の蟹肉に見えてしかたがなくなってきた。 「とどのつまり、何が言いたいんだ? その話は」 「蟹が食べたい。蟹をくれ」 「起きたまま寝言いってんじゃない」 ピシャリ 乾いた音は、はたかれた頬だったか、閉ざされた戸口だったか。たぶん両方だ。 「要は繕えばいいんだろう? その破れ目さえどうにかすれば、寝ぼけて不届きなことを言う口は永劫に閉まるってことだ」 早朝の竹林は物の怪の喧騒もほどなく、哲学すら閃きそうな静謐に満ち満ちていた。薮から差し込むわずかな朝日が体を舐めてゆく。 妹紅は欠伸を押し殺そうともせずに、もんぺに片手を突っ込んで俺の前を歩く。空いた手には裁縫道具と思しき木箱を携えて。 「朝早い時分になんだと思えば―――全く……」 思えば寝ぼけていたのかしらん。 実際、妹紅の宅を訪ねたのに大した意味はない。ないが、俺が彼女の家を訪ねる場合、意味を伴うことは少ない。 何となく訪れ、そこでお茶をしたり、外界の見聞を披露したり、碁を興じたり、本を貸し合ったり、永遠亭のお姫様とやらとの一騎打ちに巻き込まれたりが常だ。 それに安息を感じる己にはとうの昔に気がついていた。対する彼女も、言行は荒いが特別に迷惑がる様子もないので、俺の竹林に向かう足は止まない。 妹紅は、良い友人だった。 俺の住居は人里から幾らか離れた低平な土地にある。 あまり人好きのする性分ではないので、こうした遠すぎず近すぎずな位置は非常に気に入っている。 妹紅は畳の上に胡坐をかきながら、甲斐甲斐しくシーツを繕っていた。 「意外だな」 卓の上に、たくあんと緑茶を置く。 「何だい。私に家事が出来ると変てか」 「とんでもない。意外とそういう格好が似合うな、って思っただけさ。どこの嫁に行ってても不思議ない」 さっそく湯のみに手をつけていた妹紅が、にわかに吹き出した。 「おいおい」 「おいおいはお前だ。変なこと言いやがって」 やにわに妹紅の顔がみるみる赤くなってきたので、俺は慌てて布巾を取り出しつつ謝罪した。 「何だかわからんが済まん」 「全く。……」 妹紅は俺から受け取った布巾で口と零した茶を拭った。しかし顔は赤いままだ。恐らくさっきの言葉の中で、何か失礼なことを言ってしまったことに違いない。 時として俺は、こうして何事か妹紅を赤くさせることがしばしばある。 いくら考えても俺の言行のいずこに角が立ったのか判然としないこともある。そういう時に俺は自身の口下手を自覚する。 何となく、気まずい雰囲気が流れた。 「っつ」 「どうした」 妹紅が指を傷つけたのは多分必然のことだった。先ほどから見るからに手の動きがたどたどしくなっていたからだ。 薬指に赤い球体が膨らんで行き、つうと指を伝って流れ落ちてゆく。 「絆創膏、持ってくるかい」 「いや――平気」 俺が席を立ちかけた次の瞬間には、出血は止まり、流れた赤い雫だけが残るのみとなっていた。 不死身。 普段顔を付き合わしている分には、ただの気安い女性なので、たびたび俺はそのことを失念する。 しかし、痛みはあるのだ。流れ落ちた血を見ていると、不意に申し訳ない気持ちが一杯に押し寄せてきた。 「妹紅」 「なんだよ……」 「やはり見ていられない。俺が何か悪いことを言ったんだろう? はっきりと謝らせてほしい」 「そんなんじゃ――ないさ」 妹紅はばつが悪そうにそっぽを向いた。 繕い終わったらしい布団のシーツを敷き布団に被せなおしている。 その背中が、気丈に振舞う普段の姿よりもめっきりと縮こまって見えた。俺はこのことが、このまま捨て置いてはいけないことに思えてならなくなった。 「誰ぞの嫁……と言ったのが気に障ったのか」 後ろ背中に声をかけると、はっきりと妹紅の動きが止まった。 「嫁……嫁か」 そう上の空に呟くと、再びこちらに向き直って胡坐をかいてくる。 その目は沈んでいる。 「○○、私が蓬莱の秘薬を飲み、不老不死の身になっていること、話して久しいよな」 「ああ」 「私、さ」 「千と……数百年。昔は自分が、その歳月を過ごすことに、今ほどの恐れも持ち合わせてなかったよ……。 でも、だんだん、だんだんだ。気付いてゆき、気付かれていくのさ。世間と自分の決定的な隔絶が。 私は一つところに留まって生きるということが出来なくなっていた。 おおくの人間には排斥され、親しくなったわずかな者たちには先立たれる。それはそれは、暗いかめの水底のような心地だ。 巡り巡って、今私を支えている唯一の生き甲斐が、同じ蓬莱の者――私をこんな体にした、輝夜との殺し合い。 最も憎むべき相手にのみ生かされている自分が、芥も残らぬほど焼き尽くしたくなる」 妹紅の瞳が、話の中の暗いかめの水底になるのを、俺は黙って見つめている。 俺が口を差し挟まないのを見ると、妹紅は静かに言葉を連ねた。 「私は誰とも具せない……」 「そんな私にずけずけと入り込んでくるのがお前だ、○○。 どうせお前も、いずれ私を恐れるかくたばるかして、私の前からいなくなってしまうのだろう? 陳腐な話だが、私は何かを失う辛さより、持たざる孤独に慣れた人間さ。そしてそれに慣れようと考えている。そうでなければ生きて行かれない。 私が奪い奪われる関係は、同じ不老不死のあいつだけでいい。お前みたいな普通の人間が、こうして私にかまけていると、ろくでもないことになる」 「そう、ろくでもないんだ。お前といると、調子が狂う。 ○○が平凡に暮らしているように、私も暮らせるような気がしてくる。○○が言うと、冷たかった人の言の葉が、色味を帯びて熱くなる」 「もう、止してくれ……。私の蓬莱人としての覚悟には……堪らないことだ」 気がつくと、窓から差し込む陽光はすっかり明るくなっていた。 湯のみから上がっていた湯気は消えている。 「俺は」 「謝りたいと言ったけど、折角だが謝らないことにした」 「俺はさあ、おつむは良かないし、気の利いたことも何一つできない、冴えない普通の人間だよ。 そんな普通の人間からすると、その、妹紅が、俺みたいに暢気に暮らしちゃいけない理由がわからないんだ。 なあ、生きてるって、そんな、つまらないもんじゃないよ。そんな風にずっと考えていたら、いずれ心を亡くしてしまうよ。 ただ臓物が脈を打ってるだけで、死んじまってるようなものさ……。お前がもしそうなっちまったら、悲しむ人間がいるんじゃないか。 妹紅、お前は人間なんだよ。確かにちょっと強かったり頑丈だったりするけれど、俺が見るところじゃ可愛くて綺麗な娘さんだ。 そんなお前が、人間を止めて生きてゆく覚悟をしている。 俺は……それが悲しくてならねえんだよ。藤原妹紅のあんたに、生きていてほしいんだよ」 俺の家は、これほどまでに静かだったろうか。 いつも蔵にある糊をつついて騒がしい小鳥の声すら、今は絶え果てている。馬小屋からもいびきがさっぱり聴こえない。 そういう風に気が散っていたのは、余りに沈黙が長かったからだ。 妹紅は俺の話を聞くと、さっきとは比べ物にならないほど真っ赤になって俯いていた。 弱った。もしかしてまた俺は変なことを言ってしまったのか。 と慌て始めた矢先に、妹紅がいきなり俺に抱きついてきた。 「もう知らないぞ、○○! そんな、そんなこと言うんだったら、とことん私に付き合ってもらうぞ! お前がよぼよぼのじじいになってくたばるまでだ! 嫌だって言ったってきかないからな!」 妹紅は俺の胸の中で、ぐしゃぐしゃになって泣いている。 突然の事態に、慣れない長い話をして熱過労を起こしつつある俺の脳味噌は、更なるオーバーヒートを迎えた。 「ちょ、ちょっと、妹紅、落ち着け。羊を数えて落ち着くんだ。あれ? なんか違う……」 「ここここれが落ち着いてられるもんか! 羊が一匹二匹よんひき!」 まるで計ったかのように、元通りに敷かれた敷布団の上に俺は押し倒された。 そんでもって―――。 結局、シーツはまた破けた。 俺達は、真昼ぐらいになってやっと、ほったらかしにしていたお茶とたくあんを食べた。 冷めていたはずだけど。 なんだか熱い気がした。 「今度、何かもっとうまいものを食べに行こうか」 「そうだな―――」 『蟹とか?』 なんで俺達が、同じことを思いついたのかは知れない。 うpろだ1361 ――いつもどおり、今日も夜の竹林を歩いていたところだった。 迷ってる人間などを里に帰してやるのをいつもの日課としていた。 急病で永遠亭に向かうという人間の護衛も終わり、だんだんと夜も更けてきた今、そろそろ引き返して休もうとしていたところだ。 闇夜に光る歪な半月も、傾いている。 「…少し休むか」 私は目の前にあった大きい切り株に腰掛ける。 空を見上げたまま、しばし体を休めていた。 カサッ 「…?」 …足音? 今確かに枯れ葉を踏む音が聞こえた。 自分の音じゃない… それに、かすかに人間とは違うにおいがする。 軽く身構えると、音の生まれた場所を凝視した。 ――ガサッ ――ガサッ …近い。 座ったまま、少量の気を右手にためる。 ――カササッ 葉が揺れる。 …来る。 ガサンッ 「のわっ」 影が深緑の景色の中から飛び出てきた。 「ぐへぅ」 ドサン。 緑の中から現れたのは、 10代半ばの体つきをしている、"人間"の男だった。 「…っつぅ」 男はゆっくりと体を起こすと、服についた土を枯れ葉をたたき落とした。 たたき終えたところで、ようやく私の存在に気づく。 暗闇の中で目が合い、私と男は少しの沈黙に包まれる。 「…大丈夫か?」 私が座ったまま問いかける。 「…あ、あぁ」 鳩が豆鉄砲食らったような驚いた顔をしながら、男は少し笑った。 それがこいつに出会った最初だった。 「…迷い人か?」 「ん、…まぁそんなものかもしれん」 男は私の隣に座り、一緒に半月を見上げていた。 「私は迷い人を里に帰すのが日課だ。送って行くぞ」 腰をたたき、少しついた汚れを落としながら立ち上がる。 「ん?…別にいいさ。迷ってるわけじゃなければ里の人間でもない」 「…?」 私はよく意味がわからず、また切り株に腰掛けた。 「どういう意味だ?」 「ん?そのままの意味だ」 「ふむ…」 埒が明かないと感じた私は、それ以上の追及をやめた。 この男が送って行けというなら里に送るし、大丈夫だというなら私は少し休んでから戻るだけだ。 「…あんた、名前は?」 男が不意に問いかけてきた。 「…自分はただの健康マニアの焼鳥屋だ」 そういうと男はプッと軽く吹き出して 「なんだよそれ…」 と笑った。 「そういうお前はどうなんだ?」 と、逆に問いかけた。 「ん?俺、か…しがない占い師だ」 占い師、か。 「いつも大きいローブにくるまりながら、人の手を見てそいつの人生を占っている」 「へぇ」 私は少し感心したように、男の話を聞いた。 今まで何人占ったか、どんな人間がいたか、どういう町を歩んできたか。 「人の手を見ながらいろいろな街を歩んでいく…か、面白そうな職業だな」 「ん…そうでもないさ」 男は少し空を見上げる。 「最初にそういうことができるって気づいたときはうれしかった。それを使えばお金だって儲けられるし、夢見てた旅も実現できるってな」 男は続ける。 「でも、毎日毎日同じことの繰り返し、新しい進展もなければ戻ることもできない場所まで離れた」 「…」 私は男の話を聞いている。 男はいったん話を区切ると、ポケットの中から煙草を取り出した。 「…煙草は体に悪いぞ」 「ん…いいさ」 男は煙草を口に咥えると、またポケットを探り始めた。 「んー…おっかしいな…ライター…」 「…」 私は軽く指を鳴らすと、煙草の先端に火をつけてやった。 「…!」 男が一瞬驚愕の顔をしてから、ゆっくりを笑顔になった。 「あんた、すごいな…どういう手品だ?」 「極まった健康マニアならできるのさ」 私は少し得意げになって、空を見上げた。 「今回だけだぞ」 私は後から付け足した。 「ありがとう」 そういうと男は、煙草を吸い始めた。 「そういえば、お前家族は?そんな歳でこんな時間まで出歩いて、両親が心配しないのか?」 男は、煙草を咥えたまま、ずっと歪な半月を見ていた。 「両親は…物心ついたときにはいなかったな」 「…。そうか、すまなかったな」 私は失言を悔やんで謝罪をした。 「謝んなさんな、気にしてない」 男は煙を口から吐き出しながらいう。 「あんたはどうなんだ?」 「…自分は健康マニアの焼鳥屋だ」 「…ちぇっ」 自分のことは黙秘にしていることにやっと気づいたのか、男はそれから追及することはなくなった。 「だったら、左手貸してみ?少し占ってやろう」 男が右手を差し出してきた。 私は占いに多少の関心を持ち始めていたので、左手を右手に乗せた。 …暖かい人の肌の感触だ。 男はすでに手慣れているのか私が女でも気にしてないらしい。 …本当に久しぶりの人の肌に、もしかしたら顔が赤くなってるかも知れない。 「…ふむ」 男がまじまじと左手を食い入るように見つめる。 「今いる大切な人を、大事にしてやったほうがいい。いるだろう?」 「…すごいな」 この男がいったのは、多分慧音のことだろう。 「なんでもわかるのか?」 「左手っていうのは、その人間の人生…生きた証、歩み方をそのまま表す」 左手のしわにあわせて、男は指をなぞらせる。くすぐったい。 「健康運はばっちりだな…まぁさすが健康マニアといったところか…」 そういうと男は笑った。 「これからも病気は少ないが…多少運が悪い時期があるかも知れん」 …輝夜の襲来に用心しとくか…。 「最後に生命運だな…」 男はまた指でしわをなぞる。 「どれどれ…」 男は生命運とやらのしわを見つけると、また食い入るようにみつめる。 「…?」 男はなぜか何度も何度も繰り返し見る。 「…おかしいな」 …? 「あんた…何回死んで、いや」 「何年生きてる?」 「…!…すごいな、そんなことまでわかるのか」 私は本当に占いに驚いた。 そこまでわかるものなのか。 「…ここのしわでわかるんだが…圧縮されすぎてあんたの歩みが見えん。この分だと軽く千や二千は年を越してるだろう…?」 「…お前はすごいな」 「まぁな…まぁきかんでおこう。どうせ健康マニアの焼き鳥屋だろう?」 「わかってるじゃないか」 そういうと、私と男は二人で笑い出した。 そろそろ明け方、空に明るみが出てきたころだ。 「今日は楽しかった、今までいろんな人間を見てきたが、あんたみたいな人間ははじめてだ」 「私もだ。まさか私の経歴がわかるほどすごい人間がいるとはなぁ…」 里への道を歩きながら、二人で会話をしていた。 「里への道まで教えてもらって悪いな」 「気にするな、日課だからな」 「そうか、ありがとう」 男は感謝をいうと、私も少し微笑んでやった。 「…またきてもいいか?」 「きてもいいが、見かけても私からは声をかけないぞ?」 「いいさ、自分であんたのこと見つけ出す」 男は空を見上げながら、そんなことを言い出すもんだから少し照れくさくなってしまった。 「…ここからずっとまっすぐに歩いていけばもう里だ」 「そうか」 私は立ち止まり、男だけが先に歩いていく。 「今日は本当にいい日だった。また夜に会いにくるよ」 「見つけられればいいな」 そういうと男は苦笑いをする。それを見て、私は少し笑った。 「んじゃ、"また"な、妹紅」 「あぁまた…?!」 今、私の名前を… 「名前ぐらい、しわで簡単なんだぜ?ふふん」 男はそうとだけいうと、里に向かって歩き始める。 「…一本とられたな」 私はそういうと、久しく名前を呼ばれたからか、暖かい心を持ちながら竹林に戻っていった。
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vs藤原妹紅 時期・条件・場所・加入など 輝夜撃破で出現。 迷いの竹林(天候:月)。 戦闘後、慧音が仲間にいてチルノがいなければ加入。 敵メンバー 妹紅、慧音、毛玉 妹紅 残機2 熱を吸収・冷に強い 移動・回復・物理攻撃 特殊:リザレクション アイテム:ロゼッタスター、炎のたてがみ 戦術 体力をギリギリまで減らしてから、複数HITの攻撃で一気にしとめる。 または、呪力を吸うかスペルを使わせて呪力を減らし、リザレクションさせないようにする。
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妹紅3 8スレ目564 拝啓、○○様。 梅雨明けが待ち遠しく感じられる今日この頃でございますが、如何お過ごしでしょうか。 先日は、急に友人と押しかける形になってしまい、大変失礼いたしました。 その折に御家族や里のお話をして頂き、とても楽しい時間を過ごさせていただいたことを感謝いたします。 ところで、×月×日の夏祭りにご予定はあるのでしょうか。 お恥かしい話ですが、あまりこのような祭りに参加した事がないため勝手が判りません。 もし不都合でなければ、○○様に夏祭りを案内して頂けたらと思い、この度は筆を執らせて頂きました。 お返事を、心よりお待ちしております。 かしこ 「里に来たのだから、直接言えばいいものを」 「慧音うるさい。直接会うと憎まれ口しか出て来ないんだよ」 はぁ、と慧音は溜息をついた。素直じゃないのは面倒くさい性分だ。 「うん?なんだ、好きだとか愛してるとかは書かないのか?」 「ばっ……そんな恥かしいこと書けるわけないだろこの馬鹿けーねーっ!!」 ちょっともこたん火が出てるよ火!! 「半分は冗談だ。だが、事情は理解したぞ妹紅。 この手紙を○○に渡してくればいいんだな?」 藤原妹紅(検閲削除)歳。 まだまだ恋愛に奥手であった。 8スレ目 613 ○「暑い、いやむしろ熱い、でも厚くはない」 妹「……何言ってんの○○」 ○「おーもこたんかー、いらっしゃーい」 妹「そのもこたんって呼ぶのやめてっていってるでしょ」 ○「いいじゃん別に減るもんでもないし」 妹「……燃やすよ」 ○「ただでさえ暑いのにこれ以上暑くなったら死んじまうよ って人一人増えるだけでもだいぶ室温があがるな」 妹「私自身も暑いからね、なんなら帰るよ」 ○「おいおい、せっかく来たのにそんなつれないこと言うなよ ゆっくりしていけ」 妹「うん、ありがと」 ○「…………」 妹「…………」 ダラダラダラダラ 妹「○○汗がすごいよ」 ○「うん、すんげぇ暑い……服脱いだら少しはましかな?」 妹「は?」 バッバッ!! ○「うーん、さっきより涼しいな」 妹「な!?ばっ!何で脱ぐ////」 ○「暑いから、そうだ!妹紅も脱げ!」 妹「はぁ!?な、何言ってんの!」 ○「まあまあ、そう遠慮しないで」←熱さで頭が茹だってます 妹「遠慮なんかしてない!ちょ!?もんぺ脱がすな!」 ○「はっはっは!よいではないかよいではないかー!」←熱暴走中 妹「ね、ねえしても良いけど夜に、ね?」 ○「ふははははは!それ(下着)をよこせ!俺は神になるんだ!」←楽しくなってきた ガラッ 慧「○○、妹紅がそっちに来てないk……」 ○「…………」←上半身裸 妹「…………」←下着のみ+真っ赤になって涙目 慧「…………○○」 ○「は、はい!なんでしょうか!?」←正気に戻った 慧「次の満月の日が楽しみだな」 バタン ○「よ、予告殺人か!?そうなのか?どうしよう妹紅!」 妹「自業自得、せいぜい掘られないように気をつけてね」 ○「畜生!なんて時代だ!」 8スレ目 620 「こんにちはー、妹紅いるー? ……あれ、留守か? でも飲みかけの湯呑みがテーブルの上に……」 「あ、いらっしゃーい」 ,-へ, , ヘ /,ヽ_,_i=/__,」 / ,' `ー ヽ パカ / ∩〈」iノハル.!〉 <おいすー / .|i L ゚ ヮ゚ノiゝ_ //i i ir^i `T´i'i| / " ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∪ 「Σおおう!? 何で床から!?」 「ん、話してなかったっけ? この部屋の地下が倉庫になってるの」 「はじめて知りました」 「はっはっは、びっくりした?」 「うむ。……ところで妹紅、悪いがもう一回今のやってくれないか」 「?」 「『パカ、おいすー』っての」 「なんで」 「まぁいいから」 パカ もう一回 パカ もういっちょ パカ もうひとこえ p(ry 「あぁもう可愛いなぁ妹紅は!!!!」 「……」 「ありがとうゴメンナサイもう結構ですから炎やめてやめて炎」 「ったく。んで? 今日はどうしたの?」 「あぁ、偶然カキ氷セットとシロップがまとめて手に入ったんでな、持ってきた」 「おー」 「慧音も呼んどいたから。後から来るってさ」 「氷は?」 「勿論バッチリだ」 しばらく後に慧音も到着して、3人で美味しく頂きましたとさ。 9スレ目 986 「また急病人の送迎? 〇〇も飽きないねぇ」 ここは迷いの竹林。 誰もまともに案内できない永遠亭、そこには如何なる難病でも治してしまう名医がいる。 そこに迷うことなく最短で案内できる例外、それが彼女だ。 「飽きはしないさ。 里に無事つれて帰れば、患者やその家族の笑顔が見れるからね」 そういう俺は、ごくごく普通の一般人。 強いて挙げるとすれば、弾幕に興味があることかな? ちなみに見る専門。 「〇〇らしいな。 その家族の話を聞きたいところだけど……」 紅妹がじっと正面を見た あぁ、永遠亭はすぐそこだ。 「ありがとう、中に彼を預けてくるよ」 病気になった近所のおじさんを、可愛いけど愛想の悪いブレザーうさぎに預け、すぐに紅妹のいる場所に戻った。 彼女は永遠亭に上がらない。 理由は聞いても答えてもらえなかった。 彼女なりの、事情があるのだろう。 外で、ぽつりぽつりとくだらない身の上話や、里の噂などを話すのがお決まりのパターンだ。 だが、別に濃厚な人生を歩んでいるわけじゃない。 この時間は楽しみだったが、正直もうネタがないのだ。 彼女と、もっと話したいのに。 「正直もうネタがない」 「〇〇は素直だな」 「と、言うわけで続きはweb……じゃなくて。 続きは俺の隣で見てくれないか?」 目をぱちくりさせる、察しの悪い妹紅に今度ははっきり伝えた 「君が好きだ。結婚してくれ」 11スレ目 640 ○○「zzz」 妹紅「・・・じーっ」 そーっと、そーっと 妹紅「(メガネげっとー)」 すちゃっ 妹紅「ぉ・・・おぉ・・・」 ふらふら ○○「・・・いや、そこまで度はキツくないはずだぞ?それ」 びくぅっ 妹紅「う、うるさい!いっぺんやってみたかったのよ!!」 ていうか起きたなら言いなさいよー HAHAHA妹紅はお茶目さんだなぁ 慧音「おーい、お昼できたぞー」 そんなまったりした昼下がりをすごしたい 11スレ目 730 妹紅は僕の何十倍も生きてきて、色々なものを見てきたのだろうな。 高々数ヶ月一緒にいたくらいで君の事をわかったような口を聞くのはおこがましいことなのだろう」 妹紅「伊達に1000年以上も生きてないからね。あんたなんかとは背負ってきた物が違うのよ」 「でも、そんな僕だからこそ見えるものもある」 妹紅「何が言いたいの?」 「僕は火になりたい」 妹紅「…。今すぐ焼き払ってあげようか?」 「どんなに強い炎を操っても、決して暖めることの出来ない君自身の心。 僕はそれを照らす火になりたいんだ」 妹紅「ちょ…さっきから何言ってるのよ。ほ、本当に消し炭にされたいの?」 「人は君を妖怪呼ばわりするけれど、本当の君が心優しい少女のままであることは 誰よりもこの僕がよくわかってる。あの日、迷いの竹林で君に出会ったときからずっと…」 妹紅「…ばか。」 11スレ目 993 理由なんか無いんだ 君が好きだ、妹紅 12スレ目 470 妹紅が頑張ってチョコレート作ってくれた 俺の腕の中に押し付けるようにチョコを渡して 顔真っ赤にうつむいたまま足早に妹紅が去っていった 箱開けると中にはおそらくハート型であっただろう 溶けかけのチョコレートがはいっていた 一口食べるとほろ苦いビターチョコの味がした でもなんだかとても甘かった 12スレ目 544 妹紅と結婚して60年、妹紅は俺が惚れたあの時の姿のままだ 俺は醜い老人の姿になってしまった 私が死んだら、妹紅、お前の火で私を焼いてくれ そう言うと妹紅は切なげな表情を浮かべた あぁ、分かった。 そう一言だけ呟いて 12スレ目 870 うpろだ901 永い永い夜、月は暖かな白光を地上に送りながら 人々は眠りにつき 人ならざるものは起き そんな理の中から少し外れた人間のお話。 ッ!・・・ 「もうやめてくれ・・・頼む・・・」 「ふん、誰が止めるか」 迷いの竹林、永遠亭と真逆の方向にある館 屋敷と呼ぶには小さすぎ、家と呼ぶには大きすぎる その館を優しく照らす月光を突き破るような男の声 「頼む・・・許してくれ・・・」 「だから誰が止めるといった、今宵は私が満足するまで止めんぞ」 男は両腕と両足を台に固定されていた 二つの長方形を並べ、その間を跨ぐように。 その横に立つ少女があった。 背から紅蓮のツバサを広げ、あたりを舞う火の粉の美しさに彩られているその姿は 火の女神と呼ぶに相応しい姿だった。 「もう・・・ッ!・・・限界だ・・・頼む・・・」 「嫌だ。何度いったらわかるんだ?お前は」 長方形の台の間から立ち上る炎は、焼くには足りず 温まるには強すぎる。 そしてその炎は男の背をジリジリと焼いていく。 炎は畳や壁に移らず、男の背のみを炙り続ける 「妹紅・・・俺が悪かった・・・反省・・・している・・・本当だ・・・」 「本当に?」 「あぁ・・・本当だ・・・だから炎で炙るのをやめてくれッ!」 「ふんっ」パチンッ 妹紅と呼ばれた少女が指を鳴らすと、男を炙る炎はフッっと蝋燭を吹き消すように消えた。 「ハァ・・・ハァ・・・」 男の荒い息遣いが静かな夜によく響く カチンッ、妹紅は男の体を拘束している4つの留め金を外した ゴロンッ、男の体は台と炎から開放されて背に焼け跡を残したまま畳へ転がった ドスッ 「ウッ!・・・カハッ・・・・」 いつの間にか男の傍に立っていた妹紅が男の腹部に思い切り蹴りを入れた 男の口からは赤黒い血が痰とともに吐き出される。 妹紅は男の肩を優しく抱き上げると 「ごめんね・・・焼け跡も綺麗に直すから・・・」 そういうと奥から小さなツボを手に戻ってきた その中に入っている白濁色の薬を優しく男の背に塗っていく。 すると瞬く間に男の背の焼け爛れは消え、もとの健康的な肌色へと戻っていく。 二人は優しく抱き合い、その姿を月光が優しく照らしていた・・・。 「こんなプレイもたまには悪くなかったけどな~」 「バカ、あれは永琳の薬があったからやっただけで本当はあんなこと」 「アドリブで蹴りなんていれちゃってさぁ、あれは結構効いたけど」 「あ、あれはだな・・・その・・・」 「まぁ、俺はよかったけどなー、妹紅のあの蔑むような目なんて特に」 「私はあんなこと二度とやらないからな」 「なんで?」 「そ、それは、お前の体に傷なんてつけたくないからだよ、たとえ全快するんだとしてもな」 「へぇ~、じゃあ今日は拘束して鞭で」 「お前私の話聞いてなかったのか?」 反省しない 12スレ目 937 うpろだ908 「……○○、目が覚めた?」 開きかけた目をこする。 ぼんやりとした視界がだんだんはっきりしてきた。 ほのかに明るい月夜の竹林は、ひんやりと心地よい空気で満ちている。 頭の下には柔らかい感触。 目の前には慈しむように見下ろす妹紅の顔が見える。 「ああ。おはよう、妹紅」 そうだった。 数時間前、妹紅は俺を竹林へ呼び出し、 これから先の時間を共に歩んでいくことを懇願した。 それを受け入れた俺は彼女の肝を食べた。 蓬莱人になったという実感はまだ湧かない。 少なくとも、妹紅が俺を愛してくれていること、 妹紅を愛おしいと思う気持ちを胸の内に確かに感じることは、 ただの人間だった時と変わらなかった。 「気分はどう?何ともない?」 「うん、大丈夫。 もうすっかり元気だよ」 不老不死の副作用といったようなものではない。 別段そういったものはないということだった。 ただ、流石に人間一人分の生き肝を一息に食べるというのは あまりない経験だったので、少しふらついてしまったのだ。 まだ少し血の味が口に残っている。 無理をしてあまり心配をかけてもいけないので、 妹紅の膝枕で休ませてもらっていた。 いつの間にか眠ってしまったらしい。 「妹紅こそ、腹の傷はもういいのか?」 「粉々にされたってすぐに再生できるんだもん。 あのぐらいなんてことないよ」 ほら、と言って、妹紅は服をめくり 脇腹を見せてくれた。 確かに、自ら肝を取り出した時の 鮮血を噴き出していた大きな傷口は跡形もない。 「さて、と。これで俺たちは一蓮托生、 生きるも死ぬも一緒……じゃない。 どこまでも、一緒に生きていくわけだな」 身を起こし、妹紅に手を差しのべる。 妹紅はそれにつかまって立ち上がると、 俺を力いっぱい抱きしめた。 「うん……ごめん。 本当に、ありがとう。 これから、よろしくね」 話しているうちに、涙声になってくる。 俺が蓬莱人になってから、 妹紅は泣いたり笑ったりしながら 繰り返し謝罪と感謝の言葉を口にしている。 年を経ることなく生き続けることの苦しみを知っているから。 誰かに一緒に生きて欲しいという当たり前の願いが、 自分にとってはどれほど遠いものだったかわかっているから。 だからこそ、俺が受け入れたことに対しても 喜びと申し訳ないという思いが相まっているのかもしれない。 その思いの源となる不老不死の孤独を知り、 今の妹紅の気持ちを俺が本当に理解してやれるのは まだずいぶん先のことなのかもしれない。 それでも、今はただ妹紅を安心させてやりたかった。 しっかりと抱きしめてくる妹紅に負けないくらい、力を込めて抱きしめる。 「俺の方こそありがとう、 永遠を生きる伴侶に俺を選んでくれて。 ずっとずっと、よろしくな」 唇が重なる。 これから二人で生きていく誓いのキス。 「んっ……」 口の中にわずかに残っていた血が、 妹紅の舌で舐め取られる。 絡めた舌と舌の間で次第に鉄の味が薄れていった。 代わりに、甘く柔らかい妹紅の味が広がっていくような気がした。 夜明けも近づき、空が白んできた。 「……そろそろ帰ろっか」 どのぐらい抱き合っていただろうか。 妹紅はそう言いながら、名残惜しそうに身体を離した。 「そうだな。ここからなら妹紅の家の方が近いかな?」 「うん、明るくなる前に着けるといいんだけど」 竹の枯葉を踏みながら、歩き始める。 「今日は慧音さんが来るんだっけ?」 「いつも朝早くに来てくれるんだよね。 見つからないうちにこの服洗っちゃわないと」 妹紅は肝を取り出した時に、 俺はその肝を食べた時に、 服が血まみれになっている。 この格好で会ったら、慧音さんが取り乱しかねない。 そうこうしている内に、妹紅の家が見えてきた。 どうやら慧音さんより先に着いたようだと安心したその時。 「「「あ」」」 惜しい。後一歩だったのだが。 「な、二人ともどうしたんだその格好は! いったい何に襲われたんだ!? 傷は?大怪我じゃないのか、大丈夫なのか!?」 ……ああ、やっぱり。 俺は妹紅と一緒に慧音さんを必死でなだめることになった。 「―そうか、○○も蓬莱人になったのか」 怪我をしたわけではないことをなんとか納得させ、 血のついた服を着替えた俺達は、 事の次第を慧音さんに説明した。 正直、俺は娘との結婚を申し込むために父親と向かい合っているようで、 ひどく緊張していた。 「……よほどの覚悟があってのことだろう。 私から言うことは何もない。 ああ、ただ一つ……」 「一度でいい、妹紅を奪っていく君を殴らせろ」とか言われたら どうしようかと内心固くなる。 無意識の内に奥歯を噛み締めていた。 「式はちゃんと挙げるようにな。 二人とも、辛いことは多いだろうがどうか幸せになってくれ」 「慧音さん……」 「慧音……うん、絶対、幸せになってみせるから」 温かな言葉に、胸がつまる。 思えば幻想郷に迷い込んでしまって 右も左もわからなかった俺を助けてくれたのも慧音さんだった。 これまで妹紅を支えてきてくれたことも合わせて、 どれほど感謝してもし足りないぐらいだ。 「さて……お前たち、式はどうする? やはり守矢神社か博麗神社で神前式にするか?」 そうだ。そこまでは考えていなかった。 さてどうしたものか。角隠しを着けた妹紅も良いが、 ウェディングドレスの妹紅もさぞきれいだろうと思う。 「あ、あの、さ」 「ん?どうした、妹紅」 妹紅は、何だか顔を赤くしてあらぬ方を見ている。 何か希望があるのだろうか。 「その……私が、まだ普通の人間だった頃のやり方じゃ、だめかな?」 妹紅が蓬莱の薬を飲む前……ずいぶん昔だったはずだ。 百年や二百年ではなかったと思う。 「ふむ、確か外の世界では平安時代と呼ばれている辺りの前後だったな」 慧音さんは妹紅から聞いた話を書物と照らし合わせたのか、 その辺りまでは認識しているらしい。 当時の形式は通い婚とか、妻問い婚とか言ったろうか。 外にいた頃歴史の授業で習ったような気がする。 男が女の家を訪ねていって結婚が成立する、 というところまでは覚えているのだが。 「いや、私もちゃんとわかってるわけじゃないんだけどさ……」 「いずれにしても細かく突き詰めればきりがないだろう。 妹紅がわかっている範囲をできるだけ再現して、 足りないところは私が補うことにすればいいのではないかな。 ○○は異存はないか?」 妹紅の望みなら、俺に異存などあるはずもない。 「ええ、構いません。 俺も詳しくないから、慧音さんに色々お世話になると思うけど」 「よし、そうと決まれば善は急げだ。 私は妹紅の話を聞いて、色々と調べてから準備を始める。 そう時間はかからないだろうから、 ○○は今日のところは家に帰って、明日私の家に来てくれ」 「あれ?慧音、3人で準備した方がいいんじゃないの?」 「その時の楽しみにとっておいた方がいいこともあるからな」 妹紅は何となく釈然としない顔をしていたが、 平安式でなくとも経験がないことなので、俺もなんとも言えない。 今日は大人しく帰ることにした。 次の日。 「慧音さん?慧音さーん?」 言われたとおり来てみたが、返事がない。 「留守なのかな……うわっ」 向こうから、正月でもないのに大きな臼を担いで慧音さんがやってきた。 「すまない、待たせてしまったな。 さあ、入ってくれ」 「あの……慧音さん、その臼は」 「ああこれか?ちょっと借りてきたんだ」 何に使うのか聞きたかったのだが…… しかし普通一人で担いで運ぶものではない気がする。 臼を軒先に置き家の中に入ると、 慧音さんは座布団を出してくれた。 「さて、妹紅の時代のやり方で婚礼を行うわけだが、 まず大筋として、○○が妹紅の家を訪ねて婚姻を成立させる、と。 ここまでは良いな?」 「はい」 その辺りまでは何とか知っている。 「よろしい。さてその手順だが」 慧音さんは一枚の紙を取り出した。 「これにまとめておいたから、見ておいてくれ」 「え、これだけですか?」 「○○の方は特に服装をそろえたりしないからな。 訪ねていく側だから、基本的な作法を守れば 大してすべきことはない。 ……それとも、烏帽子が被りたかったか?」 烏帽子って……あれか、お内裏様が被ってるようなやつか。 「いえ、結構です」 「そうだろう。まあ、ちゃんとした服を着ていくんだぞ」 紙を広げてみる。本当にあまり内容がない。 「暗くなってから人に見つからないように女性の家を訪れる、 翌朝は暗い内にこっそり帰る…… この三日間続けて通うっていうのは?」 「三日続けて女性の家に通うことで、結婚が成立するらしい。 それまでは忍んでいた関係が、晴れて公のものになるわけだな」 「へー……この『あとあさ』は?」 「後朝(きぬぎぬ)か。 訪ねた翌朝、男性が帰る時の別れのことだな。 お互い和歌を詠んで別れを惜しんだりするそうだ」 和歌というと…… 「五七五七七のですか? 俺そんなのやったことないですよ」 「まあ、その辺は二人で裁量してくれ。 ところで、日取りだが……明日だな」 「え、明日!?」 それはまた急な話だ。 こういうことは吉日を選んで、とか そういうものじゃなかったのだろうか。 「その吉日が明日を逃すと当分ないんだ。 妹紅の了承はもらってある。 ……本当は手紙をやりとりするところから始まるようだが、 まあこれはいいだろう」 「わかりました」 既に二人で生きていくと決めている以上、 これは形式的なけじめのようなものに過ぎないはずなのだが、 そうとわかっていても緊張が抑えられない。 「○○」 「……はい?なんですか慧音さん」 呼ばれて、そちらを向く。 慧音さんは、真剣な目で俺を見つめていた。 「妹紅は……ただの人間だった時も、決して愛情に恵まれてはいなかったらしい。 蓬莱人になってからの孤独は言わずもがなだ」 俺の肩に、慧音さんの両手が置かれる。 「だが、これからはお前が一緒にいてやれる。 永遠に生き続ければ、いつかは孤独の時間を二人で過ごした時間が上回る。 ……私も、ずっと一緒にいられるわけではない。 どうか、これから妹紅が生きる時間を共に支えてやってくれ」 俺は、黙って力強く頷いた。 絶対に、妹紅を幸せにしてみせる。 何千年経っても、ここで慧音さんに約束したことは忘れない。 ついに、その日が来た。 今、俺は妹紅の家の前にいる。 ここまで歩いてくる一歩一歩が、 期待と緊張で宙を歩いているようだった。 そっと戸を叩く。 返事がないので、大きな音を立てないようゆっくりと開けた。 見慣れた妹紅の家の中。 薄明かりの中、カーテンのような仕切りが立ててある向こうに人影が見える。 「……妹紅?」 帳の向こうの人影が、わずかに動いた。 「……○○?来て、くれたんだね」 「ああ。今そっちへ行くよ」 仕切りの向こうに回りこんで、俺は息を呑んだ。 「……やっぱり、私にはあんまり似合わないだろ?」 妹紅は、十二単姿で座っていた。 いつものリボンは着けておらず、 きれいに梳いた長い髪は灯りを受けて艶やかに光っている。 恥ずかしそうにうつむいている様子は、普段の元気な姿からは想像もつかない。 「似合わないなんてそんなことない。すごく、きれいだ」 「……ありがと、○○」 そう言うと妹紅は、改まった様子で手をつき、深々と頭を下げた。 「……ふつつかものだけど、よろしくお願いします」 「……こちらこそ、よろしく」 俺も床に額をつけるように頭を下げる。 普段は軽口を叩き合うような仲なのに、やけに神妙になる。 頭を上げると何だかおかしくなり、二人で顔を見合わせて笑ってしまった。 「少し飲む?慧音が昼間持って来てくれたんだ」 「あ、もらおうかな」 場の雰囲気を和らげるためにも、少し酒を入れるのもいいかと思った。 が、ざっと見渡しても見当たらない。 「ごめん、戸の横に置いてあるんだけどこの格好だと動きづらくて……」 「……おーけい、今取ってくる」 どうも見た目以上に大変な服装らしい。 だが、それを差し引いても余りあるくらい、今日の妹紅は美しかった。 「ま、おひとつ」 ほんとは自分で注いだらいけないみたいなんだけどね、と言いつつ、 妹紅が銚子から酒を注いでくれる。 「……それにしても、よく色々と用意できたなあ」 妹紅の十二単もそうだが、調度品や今使っている酒器も、 なかなか立派なものである。 妹紅の杯に酒を注ぎながら、俺は感嘆の声を上げた。 「慧音があちこち駆け回ってくれたんだ。 阿求の家とか、マヨヒガとか」 妹紅はそう答えると小さな杯を干し、膳の上に置く。 なるほど、その辺りなら当時の雰囲気を持ちつつ 実用に堪えるものがありそうだ。 「ありがたいよね」 「ありがたいな」 まったく、慧音さんには何から何まで世話になりっぱなしだ。 色々と貸してくれたり、譲ってくれたりしたのであろう 稗田家やマヨヒガにもいずれお礼にいかねばと思う。 「ところで、さ」 さしつさされつして、銚子も空になってきている。 俺達はとりとめのない話をしながら過ごしていた。 「ん?何、○○」 「どうして、こういう風にしたいって思ったんだ?」 「……え?」 なぜそんなことを聞いたのだろう。 本当に、たわいない話のつもりだった。 「いや、俺はきれいな妹紅が見られて嬉しいけれど、 妹紅ってあんまり昔にこだわらない感じだったから」 妹紅はちょっと考えるような素振りを見せて、 少し寂しそうに笑いながら話し始めた。 「私って、あんまりおおっぴらにできない子だったみたいでさ。 母様と一緒の家に住んでて、一応暮らしの助けはしてもらえてるから すごく貧しいわけじゃなかったけど、母様はあんまり構ってくれなくて。 父様が来ることは全然なかったし」 ―もう、千年近く前のはずだ。 なのに妹紅は、まるで昨日のことのように話す。 「珍しく父様が来てくれた時に、お土産だよって、立派な絵巻物をもらってね。 それがさ、きれいなお姫様が、優しい男の人と恋をする物語だったんだ」 「…………」 「滅多にないお土産だったし、何となく印象に残っちゃって。 いつか私のところにも、好きになった男の人が訪ねてきたらいいな、とか思ってたんだ。 それに」 「……妹紅」 妹紅の目には、いつしかうっすらと涙が浮かんでいる。 「父様も母様も、もうずっと昔に死んじゃったろうけれどさ。 もしどこかで見ていてくれたら、私が結婚するの、喜んでくれるかなと思って。 それなら父様達にもよくわかるやり方の方が、もっと喜んでくれるかなって」 「妹紅っ!」 俺は、妹紅を抱きしめた。 彼女がずっと抱えてきた寂しさを、少しでも埋めてやりたかった。 「……ねえ、○○。父様達、喜んでくれるかな? おめでとうって、言ってくれるかな?」 俺の胸の中で、妹紅は子どものように泣いていた。 今はただ、こうして泣ける場所になってやることぐらいしかできないけれど。 「……ああ。きっと、心から祝ってくれてるよ。 でも、こんな頼りない婿で心配かけてないかな?」 「バカ……私には、最高の旦那様だよ。 …………ありがとう、○○」 いつか、寂しいことや辛いことを思い出さなくても済むくらい 彼女の時間を笑顔で満たしてやれるようになりたい。 「ん……○○?」 朝だ。 結局妹紅は、俺の腕の中で安心したような顔をして眠ってしまっていた。 「おはよう、妹紅。目が覚めた?」 「……ごめん。私、眠っちゃったんだね」 まだ少し眠そうに目をこすりながら、 妹紅はばつが悪そうに身を離した。 「気にすることないって」 「だって、ほらその……本当は、さ…… えと……ふーふの………いとなみ、とか……」 言っている妹紅の顔も真っ赤だが、 聞いている俺も顔が熱い。 妹紅の寝顔に見とれたりしていてすっかり忘れていたが、 言われてみれば本来そういうものだったはずだ。 「ま、まあ……明日もあるしな」 「そ、そうだよね!三日連続で通ってくるんだし!」 大事なところをうやむやにしてしまった気がするが、 ともかく通い婚一日目はこれで終了、ということだ。 さて、『後朝』とやらだが…… 「……ごめん妹紅。俺和歌とか全然詠めない」 「……いや、いいよ。実は私もさっぱり……」 実に気まずい空気だ。 「あ。要はお互いの気持ちを確かめ合えばいいんだよね?」 「まあそうだけど……わっ」 いたずらっぽく目を輝かせて、妹紅が再び俺に抱きついてくる。 「へへ。愛してるよ、○○」 「……俺だって、愛してるぞ、妹紅」 お互いの気持ちを伝え、キスを交わす。 まあ、俺達ならこんなものだろう。 優雅ではないけれど、幸せだ。 「さて、家に帰らないとな」 暗い内に帰るはずだったが、もう夜明けも近い。 戸口に向かって歩き出そうとした俺の服の裾が引っ張られた。 「……もうちょっと、一緒にいてくれないか?」 振り向くと、妹紅と目が合った。 寂しそうな、目だった。 「……そうだな。もう少し一緒にいようか」 流されているような気もするが、それでも構わないと思った。 三日目の夜が過ぎて、朝。 風呂敷包みを持った慧音さんが、 俺と妹紅のところに来た。 「……三日目の朝なわけだが」 慧音さんは半ば呆れたような顔でこちらを見ている。 「○○、お前三日間ずっとここにいただろう」 「あ、わかります?」 帰ろうとするたびに妹紅が寂しそうな顔をするので、 そのたびにもう少し、もう少しと伸ばしている内に 三日目になってしまった。 妹紅は時々いつもの服に着替えて家事を片付け、 俺も置いてあった服に着替えてあれこれ手伝ったので、不自由はなかったが。 ……一日目の保留事項も解決したし。 「昨日一昨日と○○の家を見に行ったが留守のままだったからな。 ……まあ私も薄々そんな気がしていたからこちらに来なかったんだが」 そう言って慧音さんは風呂敷包みを開いた。 「三日目には餅を食べるそうだ。作ってきたから食べるといい」 あの臼はこの餅を搗くためのものだったらしい。 搗きたてらしく、美味い。 「ともあれ、一応これで晴れて夫婦になったわけだ。 当時は妻の家で婿の面倒を見たわけだが……」 「わかってますって慧音さん」 「どっちがどっちをとかじゃなく、 私達はちゃんと二人でがんばって暮らしを立てていくよ」 「それならよろしい。 さて、三日目の朝が過ぎたらお披露目の宴を開くということだが、 ここからは幻想郷式でいくことになった」 幻想郷式というと……ああ、わかった。 「準備であちこち回った時に話が広まってな。 顔見知りの連中が博麗神社で宴会を開くと言っているんだ。 気の早い者はもう集まっているかもしれないな」 「……じゃあ、主賓ももう行かないといけないですね」 妹紅の手を取る。ぎゅっと握り返してくる感触が嬉しい。 「それじゃあ、妹紅」 「うん。行こうか、○○」 まず手始めに、門出を祝福してくれる人妖達のところへ。 二人なら、永い時も、どんな場所でも、きっと幸せに生きていける。 12スレ目 583、584 妹紅が去った後に私は昔のことを思い出していた 一緒にご飯を食べたこと タバコの火がないからつけてもらったこと 雨の日に濡れて帰ったら乾かしてくれたこと 意外とどうでもいいようなことばかりが頭を巡るんだな と私は少し苦笑した 終わりを妹紅の火で終われるならそれもまた一つ 蓬莱の薬、というものがあったそうだが 妹紅も私もそれを望んだりはしなかった。 私は妹紅の永遠の中の一粒になれればそれでよかった。 いろいろ考えているうちに眠くなってきた 明日は妹紅が鍋を作ってくれるっていっていたな 楽しみにしよう。 輝夜「本当によかったのかしら?」 妹紅「なんのことだ」 輝夜「彼のことよ」 妹紅「蓬莱の薬ならいらない、前にそう話したはずだが」 輝夜「そう、それならいいのだけれど」 妹紅「なぜ私の心配をする、お前にとって私の悲しみは蜜だろう」 輝夜「たしかにそうかもしれないわ、なぜかしらね自分でもよくわからないわ」 妹紅「お前らしくもないな」 輝夜「そうね、でも貴女もらしくないわ」 妹紅「何故だ?」 輝夜「その頬の雫はなにかしら」 妹紅「ッ・・・」 輝夜「たまには泣いてもいいのよ」 12スレ目 704 「さて、これが蓬莱の薬か」 森の奥、木々というある種の結界により閉ざされた空間。いるのは俺と一人の少女だけ。 そして俺の手元にある瓶にはすこしとろみのある液体が溜まっていた。 「そうよ」 「でもなんでまだとってあるんだ?これがお前の人生を狂わしたんだろ?」 「そうね、何でだろう。もったいなかったのかもしれないわ」 少女は俺から視線をそらし、明後日の方向を向いていった。 (嘘がばればれなんだよ) 俺は心中でつぶやいた。この永劫のときを生きる少女は寂しいのだ。 まわりの人は変わり、死んでいくのに自分だけ変わらずに行き続ける。変化し続ける世の中にある不変という名の特異点。 それで心の奥底では自分のように永劫を生き続ける人間を求めていたのだ。殺しあう相手ではなく、安心して傍にいられる相手として。 「んくっ」 俺は一気に瓶の中の液体を飲み干した。薬特有の苦い味が口の中に染み渡る。 「うげぇ」 俺は舌を出した、その刹那――。 ゴッ! 俺の米神に強い衝撃が走る。体が宙に浮き、木々へと叩きつけられる。 「うぐっ」 「……なぜ飲んだ、何故その薬を飲んだんだ!」 俺が顔をあげるとそこには怒りに染まった少女の顔があった。 「同情か?貴様、私に同情してその薬を飲んだというのかっ!」 胸元をつかまれ、締め上げられる。その真っ赤な瞳が俺を射抜く。 「もしそうだというのなら、私は貴様に永劫の苦しみを与えようぞ!」 おそらくその怒りは俺を想ってのことなんだろう。自分のような存在をもう生み出さないため、自分の味わった苦しみをもう誰にも味合わせないため。 優しいやつだな、お前は。 「バーカ、俺が同情で自分のみを差し出すかよ。これは俺のためだ」 「……っ!」 襟元を閉める力が緩む。顔に動揺の色が表れるも怒りの表情はいまだ消えず、である。 「お前とならさ、別に永遠に生きる苦しみも乗り越えられると思ったんだよ」 「……っ!?」 完全に俺の襟元から手を離し、うろたえる少女。顔が赤いのは照れであろうか。 「だーかーら、お前とずっといたいんだよ、妹紅。それこそ永遠にな」 そういって永久の歳月を変わらずに生き続ける少女、妹紅の唇にそっと自分の唇を押し付ける。 「――――!」 妹紅が顔を真っ赤にして俺の顔を遠ざける。 「おっ、お前、自分が何をしたか分かってるのか?私なんかのために――」 「阿呆。何度言わせるんだ、こっちだって恥ずかしいんだぞボケ。それにお前なんかじゃない、お前だから飲んだんだよ」 そう言って妹紅を抱き寄せる。 「うっ、うわぁぁぁぁ……」 妹紅は子供のように声をあげて泣いた。寂しかったのだろう。 それも仕方がないことだ、何せ今までは共に変わらずに生き続ける相手が殺したいほどに憎む相手だったのだから。 「これからはずっと一緒だぜ」 そう言って俺は妹紅の頭をそっと撫でてやった。 12スレ目 901 「ん、なにこれ」 「と、とりあえず受け取ってくれ!」 そう言うと妹紅は小さな袋のようなものを 俺の胸に押し当ててきた 「お、おう・・・」 妹紅の気迫に押され受け取ってしまったが・・・ これはなんだろう 「開けてもいいか?」 そう聞いたのがまずかったのだろうか 妹紅は少し俯いた後に足早にどこかへいってしまった 「なんか悪いことしたかな・・・ とりあえず開けてみるか」 チョコレート あぁなるほど・・・俺は理解した 今日が2月14日であること 昨日妹紅が徹夜で台所にいたこと 全て繋がった おそらくハート型だったのだろう、少し溶けて形が崩れたチョコが入っていた 「・・・・・・苦いな」 ビターな大人の味がした でもどこかほんのり甘かった 13スレ目 166 うpろだ955 炬燵と蜜柑。 これほどまでに仲睦まじい存在は、そうは無い。 最後の蜜柑に手を伸ばす。 その手が、向かいに座る少女の手とぶつかった。 「…これは俺の蜜柑だ。その手をどけるんだ、妹紅」 「いいや、これは私の蜜柑だ。 そっちこそ女の子に蜜柑ぐらい気持ちよく譲れよ、○○」 「お前、俺の何十倍年上だよ…」 「私は永遠の十六歳だぞ?」 「ともかく、この蜜柑は俺のだ。 まだ台所にあるから、持ってこいよ」 「やだ、寒い」 「お前火使えるじゃん?」 「疲れるもん」 「どっかの姫様みたいになってきたな…」 「う、その扱いだけはやめてくれ」 「んじゃ蜜柑もってきてくれ」 「うー…そうだ、一つゲームをしよう」 「何だ?花映塚か?」 「その蜜柑を交互に食べさせて、最後の一房を食べたほうの負け。 もちろん蜜柑を剥く前に決めるんだぞ?」 「よし、いいだろう、先手後手は妹紅が選んでいいぞ」 「それじゃあ、先手で!」 少女皮むき中… 「半分だけ剥いておこっと…結果が見えちゃつまんないもんね」 「よし、じゃあまずは妹紅が食え」 「違う違う、食べるのは○○だよ。 はい、あ~ん」 「え、お、おい」 「さっき言ったでしょ、『その蜜柑を交互に食べさせて』って」 「う、そういえば」 「ほら、あ~ん」 「あ、あ~ん」 もぐもぐ 「ほら、次は○○の番。 あ~ん」 「お、おう」 もぐもぐ 「ん、おいしい。 それじゃ、はい、あ~ん」 「あ~ん」 ぽいっ 「んぐ! お、奥のほうに蜜柑を放り込むな!」 「あはは、ごめんごめん」 「そんじゃこっちも!」 ぽ~ん 「むぐっ」 「おーナイスキャッチ」 「もー、それじゃこれでどうだ!」 シュッ! 「むぐっ!早い、早いよ!」 「あはは、やるじゃん」 などと繰り返しているうちに、残り四分の一となった。 「これで決着、皮剥くよ?」 ぺりぺり… 出てきた房は、3個。 「くっそー、俺の負けかー」 「あはは、大勝利~」 ぽいっ ぱくっ 「むぐむぐ…せめてしっかり味わってから行こう…」 ぽいっ ぱくっ 「もぐもぐ…まぁまぁ、ちょっと暖かくしてあげるからさ」 最後の一つを妹紅は放り投げた。 ぽ~ん 天井スレスレまで放り投げた蜜柑を、必死で追う。 「おい高いっ…!」 目の前にあるのは、蜜柑ではなく、炬燵から乗り出してきた妹紅の顔。 そのまま唇同士が触れ合った。 「も、妹紅?」 「ふふ…ほら、早く蜜柑持ってきてよ、耳まで真っ赤にゆだってるうちにさ」 「っ!…わかったよ」 お前だって真っ赤じゃないか、と思ったが、可愛いので言わないことにした。 炬燵と蜜柑。 これほどまでに仲睦まじくさせる存在は、そうは無い。
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ver2.05で実装。 EX以降で神社に歩いて入ると短冊が置かれており、輝夜から「黄金の竹を作ってそれに飾ろう」と言われる。 「極上のタケノコ」「キラキラ金塊」が5個ずつ必要。 VerUP以降、雑魚キャラが低確率で「極上のタケノコ」「キラキラの金塊」をドロップするようになる。 元々ドロップが2種類ある敵からはドロップしない。 イベントの関係上、無印本編ではイベントは発生しないが敵ドロップはされるようになる。 が、MAPでの拾得が出来ないため、特にタケノコを集めるのが難しい。 極上のタケノコ 1.0% モー・ショボー,デスクスター,ファイター,マジシャン,古戦場の火,ナース,メイド,大天狗,暗黒の刑天,シーサーガーディアン,メデューサ,マスターニンジャ,プ,ブラーク,マーリド,ブラッドハウンド,フェリドゥーン,キンナラ,ライカンスロープ,AD1,ファラオ,マカイサン,クイーンフレイヤ, % , 「迷いの竹林」 …魔界1側最初のマップ …魔界1側2マップ目 …霧が出ている時にのみ行けるマップ キラキラの金塊 6.0% タイガー,オフィサー・デーモン,ムシュフシュ,オーガ,愛宕権現,エンペラーサラマンダー,アースドラゴン,エースパワー,ターミネイター,デュミナス,ルミネッセンス,ドラゴン,ドミニオン,デカラビア,シルフ・プリンセス,クイーン・ウンディーネ,ズルワーン,アズラエル, 4.0% ハンドレッドレッグ,魔界の花びら,クラーケン,ランドタートル,アース・エレメンタル,サンダー・エレメンタル,アロサウルス,マンティコア,おおぐず,ファイヤー・エレメンタル,はぐれゆっくり,ゼラチナスマター,パープル・ワーム,ゆっくりキング,機械竜, % , 「黒き神域」 …各ワープエリアマップ …最深部のセーブポイントから一歩手前のマップ 短冊の内容 +... 短冊 コメント うちの神社が大繁盛しますように。(霊夢) 魔理沙:あーー?そいつは天地がひっくり返っても無理じゃねーか? あの時の悪夢を、見なくなりますように。(紫) 霊夢:悪夢・・・・・・? 一体どんな悪夢なのかしら?というか、あいつはちょっと寝過ぎなのよ。先に生活習慣を見直した方が良いんじゃない? もっと若く見られますように。(白蓮) 音羽:あらあら、まぁまぁ。それはそれは、切実なお願いですこと。くすくすくすくす(嘲笑)。 織姫と彦星のロマンスを、私も味わいたいです!(美鈴) 朱麗:その気持ち分かるネ!私もロマンスを味わいたいヨ!私の彦星は何処にいるネ・・・・・・!? もっともっと面白い事が、これから沢山起きますように。(アンラ=メーノーグ) 白蓮:そうして、世の中が笑顔に包まれると私も嬉しいです。で、ですが、混沌異変の様なお遊びは程々にしてくださいね?アンラさん。 出番が増えますように。(魅魔) 映姫:そんな事など言ってないで、貴方は早く、閻魔の審判と受けて、大人しく冥界へ行ってください。 女郎蜘蛛の会欠員二名 補充05021722LL 霊夢:あら、さっきの書置きと同じやつね。結局、この文言は何だったのかしら・・・・・・?私、気になります! 幻想郷に平和が訪れますように。 紫:そうねぇ、平和にこした事はないわね。でも、時にはスリルという名の刺激も欲しいわよね。やっぱり、あの本の改訂版でも作ろうかしら・・・・・・? バグなくゲームが進行しますように 萃香:あははは! そりゃ同感だねぇ。苺坊主のアホちんは、私がブン殴っとくから、期待しないで待ってるといいよ。 ゆっくりが一匹でも起き上がりますように! 小傘:うんうん、分かるわ!あの妖怪、中々起き上がらないのよね・・・・・・私が驚かせ過ぎて、怖がってるのかしら・・・・・・? 夏祭りイベントやってほしいです アンラ:お! 夏祭りか、楽しそう!いいね! あたしも賛成だよ!ちょっくら外まで、あいつらをせっついてくるか! おりんりんが主人になりますように!! 空:それは私からもお願いしたいわ!是非とも、私とお燐の空燐コンビで黒幕をやっつけたいし! はぐれゆっくりが はぐれゆっくりが はぐれゆっくりがはぐれゆっくりが はぐれゆっくりが はぐれゆっくりがはぐれゆっくりが はぐれゆっくりが はぐれゆっくりが一日でも早く 式神になってくれますように 魅魔:あなたが生きているうちに、起き上がると良いわねぇ。もしもの時は、私があの世へ案内してあげるわ。んふふ。 次こそ主人公! by輝夜 美鈴:私も、次でも主人公をやりたいです!やりたいです! 主人公!・・・・・・・・・・・・や、やれますよね? 紫が黒ストをそうびしてくれますように。 紫:ち、ちょっと、あなた。そこはかとなく、いやらしさを感じるんだけど。着ないわよ、私は、そんなの。 皆が小傘に驚いてくれますように 小傘:うぅ・・・・・・嬉しいような、切ないような・・・・・・でも、応援の願い、ありがとう!あなたのためにも、実力で驚きを勝ち取ってみせるわ!むん! 肝試しイベントがありますように 幽々子:あら、夏の定番イベントね。いいじゃない、それだったら私も手伝うわよ。良い具合に、みんなの肝を冷やしてあげるわ~~。 マップの灰色部分がすべてうまりますように サニー:あ、その気持ち、分かるわ。灰色の部分が残っていると、気になるよねーー。だったら、一緒に牛坊主を応援しましょう!そしたら、埋まるようにしてくれるかも! 東方幻想魔録に自分が出演できますように(笑) レミリア:そんなの駄目!だって、あなたが出るくらいなら、私の出番をもっと増やしてほしいもの!うぅ~~! 世界が平和で皆が幸せになれますように パチュリー:同感ね。そうしたら、私も異変解決に駆り出される事もなく、図書館でゆっくりと本を読むことが出来るし。 タッカラプト ポッポルンガプピリット パロ!! 美鈴:おぉ! それは霖之助さんから聞いた、願いが三つ叶うという呪言!でも、それには、私の龍玉が必要みたいですよ~~?むふふん! もこたんが主人公になりますよう2! 妹紅:も、もこたん・・・・・・?わ、私にそんな可愛い呼び名は・・・・・・!・・・・・・ご、ごほん!何はともあれ、応援ありがとう。 サキュバスちゃんが式神化されますように! 幽香:興味ないわ。それよりも、サンフラワーが仲間になってくれる方が、私は嬉しいわね。 アイテム図鑑が実装されますように。 萃香:んぐ、んぐ、ぷはぁ~~! ひっく!ん? アイテム図鑑~~?アイテム画面を開けば、図鑑みたいなもんじゃない? 音羽の毒舌をもっと聞けますように 音羽:あらあら、失礼してしまいますわね、まったく。私は事実を申し上げているだけですのに。くすくす。 久瀬っちや川口さんが出てきますように!! ついでに斉藤も にとり:おん? 誰だい、そいつらは? 夏のパッチでキャラのカットインは全部水着姿になりますように!! クロエ:み、み、水着姿ぁ・・・・・・!?そ、その様な破廉恥なのは・・・・・・どうだろうか。それに私に、み、水着なんて似合わないし・・・・・・!むぅ・・・・・・。 不意打ちを無効に出来るようになりますように 妖夢:不意打ちなど、誇り高き武人にあるまじき行為!私も同感ですよ!無効に出来るようになると良いですね! 前作 蒼神縁起のリトスがまた仲間として出てくれますように。 レミリア:あら、三姉妹神の末女の事ね?蒼神縁起は幻想魔録の後のお話だから、残念ながら、今回はリトスは出ないけど、次回作には出るかもしれないわね。 夢美参戦!! サニー:え!? あ・・・・・・え!?サ、サニークロス!!・・・・・・・・・・・・え? 高槻先生が式神化しますように サニー:えっと・・・・・・誰? 神霊廟キャラが追加された続編が出ますように 白蓮:うふふ、そうですね。幻想魔録の時点では、まだ神霊廟の皆さんはおりませんが、期待の新キャラクターですからね。次の新作には登場するのかもしれませんね。 人並にDEXがほしいんですけどぉ パチュリー:私にも、人並みのDEX・・・・・・もとい、健康を分けてもらいたいものだわ・・・・・・こほ、こほ。 まりさとアリスが主人公になりますように 魔理沙:まったくだぜ! いつもは主人公だってのによう。今度は私とアリスが主人公になって、マリアリコンビでもやってみるかぁ。あー? 使い方が間違っているって? 何の事だ? ゆっくりしていって 早苗:この無茶苦茶な異変を解決して、早く私も神奈子様や諏訪子様と、ゆっくりとお茶を飲みたいです~~。 主人がふえて続編が出ますように!! アンラ:う~~~ん、どうかしらね。それは胡桃坊主の采配次第ね。何にしても、あたしも次回作に出てみたいものだわん! 採用された10の技早くお目にかかれますように 幽香:私は別に興味ないけど、でも、そうね。お目にかかれると良いわね。 怪綺談のアリス(ロリス)がいっぱいいっぱい活躍してくれますように!! 魅魔:私だって活躍したんだから、その可能性は無きにも非ずね。ところが、どっこい!そんな出番があるのなら、私が奪っちゃうけれどね!んふふ! 早苗さん強キャラになって主人公希望! 早苗:ありがとうございます!私も全身全霊で希望しますよ!超勇者ロボの様な活躍を、私もしたいですーー! Windows8第8話 ユーザーサポート にとり:おんや? くくく、あんたも好きだねぇ。早速、私も1200円で購入したよ。え?『何処で』だって?ふふふ、野暮な事聞くない。 妖夢がもっと強くなります様に(指定キャラ修行イベントとか欲しい) 妖夢:応援、ありがとうございます!私自身、もっともっと強くなって、いつか幽々子様を、必ず守れるくらいの武人になりたいです! 特定の主人公に特定の式神を装備させるとちょっぴりプラス効果があったりしたらステキじゃないかなー クロエ:猿坊主から聞いた話だと、主人公の合体スペルの様に、特殊効果や特殊スキルが使える、なんて案も当初はあったらしいね。例えば、アンラに私達三魔柱全員をつけると――みたいに。 温泉イベは必須でしょうそこにはロマンしかない 朱麗:お、温泉イベントが必須でロマンって、どういう事ネ!?ま、まったく・・・・・・!男は本当にエッチで、どうしようもないんだカラ・・・・・・もぅ。 コメント 霧が出ている時にいけるマップ意外にも落ちてた - 2012-06-26 23 39 54 今、アプデしたが短冊がない・・・魅魔が仲間にいないからかもしれんし、まだ混沌の城をクリアしてないからかもしれんが・・・ - 2012-06-27 00 01 13 どうも無印本編だとイベントが開始しない模様。でも雑魚ドロップは入ります。 - 2012-06-27 00 02 00 パーティー会話的に無印じゃあ発生しないだろうね 後、アプデ前に博麗神社で終わった人は、もう一度神社に入りなおさないとイベントが発生しないので注意 - 2012-06-27 00 36 30 作れば作るほど竹が伸びる模様 - 2012-06-27 07 33 21 とりあえず何処まで伸びるか検証してみました。 - 2012-06-27 08 55 24 ttp //www1.axfc.net/uploader/Img/so/144952 これ以上は伸びないもよう - 2012-06-27 09 02 28 どんだけ伸ばしてんだw だいたいどれ位の量が必要だった? - 2012-06-28 01 06 04 110個ぐらいかな? 99個ずつ揃えてもまだ足りなかったし - 2012-06-28 04 02 19 ありがとサンクス。先は長いなー、どうもイベント発生してないとマップ拾得出ないっぽいからタケノコが辛い…。 - 2012-06-28 05 55 07 魅魔仲間にしていなくてもイベント発生確認 私のはサラ撃破後で発生しました - 2012-06-27 10 12 36 ↑間違えました。サラ撃破後に行ったらイベント発生しましたので魅魔様不要(?)かもです - 2012-06-27 10 14 00 終わってみると「・・・で?」って感じのイベントだな。七月七日にあの内の何かが叶うのだろうか。まさかこれで終わり・・・じゃないよね? - 2012-06-27 20 42 16 いやこれで終わりでしょ、7日にはイベント終了パッチ配布で終わりかと - 2012-06-27 21 18 42 バレンタインと同じならツイッタで何かあるんじゃない? - 2012-06-28 01 04 12 結局最初に読まれた特典コードみたいのはなんだったのか… - 2012-06-28 06 42 35 あれは「氷菓」ネタ、あの番号が出てくるシーンがある。坊主スタッフが京アニの氷菓見てるんだろう - 2012-06-28 14 09 17 混沌の魔城頂上ワープ↓の3シンボルが物凄い勢いでキラキラ金塊落とすんだが偶々か? - 2012-06-28 17 49 53 単純にドロップする敵が多いだけだよ。 - 2012-06-28 20 21 15 今度から公式に「このイベントはアイテムや式神等の有用な物が入手できるものではありません。寸劇をお楽しみください」みたいな注意文があったら助かるな - 2012-06-28 20 28 16 またクレーマーか - 2012-06-29 03 56 46 気に入らないことは何でも「クレーマー」の一言で片付けようとする風潮 - 2012-06-29 07 14 03 仮に公式に書いてあっても見てなかったりして - 2012-06-29 10 02 58 大丈夫。その場合は「公式(更新履歴)見ろ」と紛れも無い正論を言えるわけだから、↑3の「クレーマーか」みたいに都合の良い言葉でレッテル貼りして相手を不快にさせることも減ると思う - 2012-06-29 19 12 35 タケノコマラソンしてたら竹林全マップに出ることが判明しました。 - 2012-06-28 20 59 16 期間限定イベントなんだし、イベントだけで何も手に入らないっぽいかな?逆に限定の有用なアイテムとか手に入ったら色々面倒な事になりそうだもんな - 2012-06-29 03 16 59 イカ坊主ちゃん、でんぱくん「・・・」 - 2012-06-29 19 32 50 祭シナリオに入った直後神社に引き返すと発生しました - 2012-06-29 03 57 25 竹林マップ上のタケノコ採ると、またどこかのマップで再生してるっぽい。タケノコ採取→竹林マップもう一周とかしてると普通に生えてる。 - 2012-06-29 19 38 38 ↑マップってか竹林エリア内です。ドロップ狙うよりも100倍早く集まるw - 2012-06-29 19 52 38 ↑ほんとだな でも550こまでかなり遠い 同じように金塊もなのかな - 2012-06-29 23 12 41 550個じゃないよ。 タケノコと金塊110個ずつだよ? - 2012-06-30 04 47 28 exに入らないとマップ上にタケノコって出ない?Verは2.05 - 2012-06-30 00 40 06 タケノコはスタプラからなら10%の確率でドロップするな。スタプラゲットついでに集めていくのもいい - 2012-06-30 00 46 36 タケノコってはえる場所覚えればすぐ集まるな。各マップ2か所覚えておくだけでいいし - 2012-06-30 00 48 49 イベント終了みたいだけど短冊とそれに関するコメント等まとめる? - 2012-07-19 16 29 50 よろ。 - 2012-07-21 04 29 35 ただ今、仮制作中・・・ - 2012-08-15 00 44 07 これでいいかな?とりあえず完成させました - 2012-08-15 18 05 34 因みにおまけパッチの正体が、クロエがコメントしてる短冊だと思ったのは内緒です - 2012-08-15 18 07 03
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妹紅8 新ろだ1017 目を開けると強烈な光に幻惑され、ぼんやりしていた頭がノックされる。 最初は朝日なのかと思ったが、あまりにもその日差しがきつかったのですぐに「ああ、もう昼が近いのか」と俺は納得した。 ベッドの上で身じろぎする。布団から出ると少し寒い。 「あーうー」 どこかの蛙のような声が出る。妙に気だるい。 身体が何か足りないものを求めているような、そんな感じ。 足りないもの? それはなんだろうか。睡眠はたっぷり取ったはずなのに。 足りないモノ。それはとても大事で、愛しくて、暖かいものだったような気がする。ああ、だけど足りないと言いつつも満たされているような気もする。 身体は足りず、心は満たされ。そうか、そういうことなのかもしれない。 そんな意味の分からない思考がしばらく続いた後、俺は目をしっかり開けてモノを認識していく。 「あー……」 ベッドの上で起き上がる。パジャマから剥き出しの手足を冷たい外気が刺激し、「さむっ」と俺は小さく呟いた。 窓を見る。えらく高く上った太陽がさんさんと光を降り注いでいた。思ったとおり昼間に近い時間のようだ。 五感が働き始めると急速に眠気が覚めていき、それと共に鼻をくすぐる匂いにも気がついた。 どこか懐かしい匂い。これは多分、焼き魚。それとみそ汁の香りも混じっている。 「あ、起きたか?」 台所から寝室へと入ってきた少女が一名。俺を見て微笑んでいる。 白くて長い綺麗な髪を、今は頭の上で一つにまとめているのが一際目を引いた。 右手には鍋用のお玉。いつものもんぺ姿の上にエプロンをつけている。 彼女は俺の傍に近寄るとくすくす笑った。 「ほら、さっさと起きなよ。もう昼だよ」 彼女の左手の人差し指が、俺のおでこをちょんっとつついた。少し痛い。 けれどそれ以上にとても暖かいものがそこから注ぎ込まれてきて、気だるかった身体に力を与えてくれた。 たちまち視覚がはっきりしてきて、視界に彼女の顔がいっぱいに広がっていく。全部が全部、彼女で埋め尽くされていく。 足りないと思っていたモノが目の前にある。 そう思うともう止まらない。 「着替えるなり何なりしないと、いくら用事がないからって、んあ!」 俺は彼女の肩を引き寄せて、自分の胸に抱き締めた。 最初は驚いて抵抗していた彼女だったが、俺が離そうとしないことを悟ったのか、小さなため息をついて身体を任せてくれた。 柔らかい感触と心臓の鼓動。これは俺と彼女、どちらの心臓の音だろうか。 「……妹紅」 「ん?」 とても暖かい。どうして人肌ってこんなにも暖かいのだろうか。 身体だけではなく、自分の中の全てが暖められ、満たされていく。 ああ、これが幸せというものなのか。 その思いを言葉にしたくて、俺は妹紅の背中を撫でながら、呟いた。 「ありがとう」 「……はぁ、どういたしまして?」 何のことか分からないらしい妹紅は首を傾げるが、しっかりと俺の首に手を回してくれるのだからありがたい。 さらにギュっと抱きしめる。もっと幸せな気分になってきた。 しかしここから先には進めない。 恋仲になってから一度も「そういうこと」の経験がない俺達。 俺はもっともっと妹紅に近くにいてほしいと思って、強く抱きしめるけれども。 「妹紅……」 「ちょ、ちょっと! ダメだって、私はまだそんな……!」 「もこー!!」 「あーもう! 落ち着けー!!」 残念! 俺はここで燃やされました! ※ 「バレンタインって知ってる?」 「へ?」 消し炭にされそうになった所をなんとか回避し、居間で一緒に朝食兼昼食の焼き魚を食べていると、妹紅が思わぬ単語を口にした。 驚いた俺は焼き魚の骨を落としそうになったが、なんとか口に含んでバリボリと食べてしまう。 「……○○、さすがに骨を食べるのはおかしい」 「あ、と。うん、そだね。歯茎が痛い」 どうやらかなり動揺してしまったようだ。魚の骨を吐き出し、深呼吸して心を落ち着かせる。 妹紅の口から出てきた単語は、俺にとって長年の不倶戴天の敵。 「妹紅」 「うん?」 「その言葉をどこで知ったんだ?」 「天狗から。違ってた? 今日がそのバレンタインらしいけど」 「射命丸か……余計なことを幻想郷に広めやがって」 俺は妹紅に気付かれないよう、チッと小さく舌打ちをした。 「○○?」 「ああ、バレンタインだったな、うん、今日がそのバレンタインだね」 「天狗によると、なんか男女のイベントごとらしいんだけど」 「……妹紅、違うぞ。『バレンタイン』は外の世界の呪いの言葉の一つなんだ」 「え、ええっ! 「この言葉を口にすると、世界中の男性の3分の1は興奮状態に陥り、3分の1は外見上の変化は見られなくとも心は異常なまでの躁状態になる。そして残り3分の1は……」 「ごくりっ……」 「『ウツダ……シノウ』を合言葉に家の中に引きこもる! そうして世の全ての男性は異常な感情に支配され、社会は壊滅してしまうんだ!」 ばんっとテーブルを叩き、拳を握り締める俺。口から白米を何粒が飛んでしまい、慌ててテーブルの上に落ちたそれを拾って食べる。 「そういうわけだ、分かったか妹紅。無闇やたらにその言葉を口にしないように」 「うん、嘘だよね」 「はいそうです、ごめんなさい」 笑顔の妹紅の背後にうっすらと陽炎が浮かんだので、俺は即座に頭を下げた。俺カッコワルイ。 「おふざけはともかく、結局どういうイベントなの」 「えーと、つまりはですね」 俺はバレンタインがどういうものか、適当にかいつまんで説明してやった。 曰く、女から男にチョコやら何やら送って、ついでに愛の告白をする等々。 「ふーん、じゃあやっぱり天狗の言ってたので間違いないわけだ」 「どんなことを言ってたんだ?」 「ん……今○○が説明してくれたのと同じかな」 頬を赤く染める妹紅、かわいいです。 じゃなくて、いったい天狗からどんな話を聞いたのだろうか…… あのゴシップ好きの天狗のことだ、あることないこと妹紅に吹き込んだに違いない。 「○○はどうして嘘なんてついたのさ」 「あー……積年の恨みというか、条件反射というか。お前が輝夜さんを見ると炎が出るのと似た感じだよ」 「ふーん」 どうもバレンタインと聞くと嫌な感情しか出てこない。 きっと外の世界で本命チョコを貰った経験がないからだろう……悲しい。 いや待て。 確かに外の世界での俺は、バレンタインにチョコを貰ったことなんてなかった。というか、恋人もいたこともないし女の子といい雰囲気になったこと自体ない。 しかし、しかしだ。今はどうだ? こうして目の前に、藤原妹紅というかわいらしい彼女がいるではないか。 しかもなんやかんやあって永遠の愛を誓い合った仲だ。男女関係に関しては牛歩の如き進展だが、しかし恋仲であることは間違いない。 俺の心は急速に浮ついていく。 そうだ。今年こそは、今年こそは母親以外からチョコレートを貰えるに違いない。 幸い妹紅はバレンタインに多少興味を抱いているようだし、ここは1発、こちらから妹紅の背中を押してみてはどうだ? 「バレンタインに興味があるのなら、やってみるか」とさりげなく。催促するわけではなく、妹紅の好奇心を満たすような形で。 (いける、これはいけるぞ。きっと成功する) お、落ち着け俺。ここで焦ってはいけない。生まれて初めてのチョコが貰える、その可能性をここで潰してたまるか。 1つ深呼吸した俺は、できる限りさりげなく、しかし限りなく思いを込めて、妹紅にバレンタインイベントへの参加を提案しようとするが、 「○○」 「は、はい?」 ちょうど俺が口を開いた所で声をかけてきたので、変に高い声で返事してしまった。 妹紅が首を傾げる。 「どうかした?」 「いや、な、なんでもない」 「そう?」 誤魔化すように答える。妹紅は訝しげながらも納得してくれたようだ。 「で、妹紅は何を言いかけたんだ?」 「あっ……あのさ、プレゼントって、別にチョコじゃなくてもいいのかな」 「え、それはつまり……」 「さっきの説明だと、チョコ以外でもいいみたいだし」 オーマイガッ! そうか、そうですよね。幻想郷でチョコなんて滅多に見かけないし、妹紅が作り方を知っているわけでもあるまい。 だったらチョコ以外の何かをプレゼントにするのも、納得できないわけではない。 いや、至極まっとうな思考とも言えよう。 しかしだ。 結局俺は今年もチョコ貰えない歴を更新してしまう。 どうしてだ。恋人いるのに。 チョコ欲しいよチョコ。 「いいと思うよ、うん、チョコ以外でもさ」 「そっか、うん」 妹紅が頷き、何事か考え始める。何をプレゼントにするか考えているのだろうか。 どうやら妹紅から何か貰えるのは確実らしい……しかしチョコ欲しいよチョコ。 いや待て。おかしいだろ俺。バレンタインで何か貰えるというだけでも大進歩じゃないか。 どうしてこんなにもチョコ「だけ」が欲しいと思うのだろう。なんか俺病気か? チョコ執着病か? 「○○」 自分のことが分からなくなって頭を抱えていると、妹紅が唐突にとても真剣な声を出してきた。 何だ?と思って彼女の顔を見ると、その表情はまるで戦へ向かう武士のように張り詰めていて、俺は思わず息を呑んだ。 妹紅は持っていた箸を机に置き(そういや俺ご飯食べてないよ)、「○○」と再度俺の名前を呼んだ。返事が欲しいらしい。 俺は居住まいを正して、「なんだ?」と応えた。 すると妹紅は決意に満ちた顔で話をし始める。 「えっと……その、私もそろそろ覚悟ができたというか、長い間生きてて本当に一度も経験がないから怖くって、 あっ、○○が怖いわけでも嫌いなわけでもなくって、ただ不安なだけで」 「……何のことだ?」 どうも話の内容が掴めない。さっきまで真剣な顔だった妹紅が急にしどろもどろになっているのも変だ。 そんな俺の疑問の声に対し、妹紅は1つの咳を返す。 「私達が付き合い始めて、もうすぐ1年だよね」 「ああ、そうだな」 「もう1年も経つんだ。普通の男女なら、とっくの昔にやってたことだと思う。けど、私のワガママで○○をずっと待たせてしまった」 え、それは…… 「今までごめん、○○。そして」 「う、うん」 「わ、わたしを貰ってくれないか?」 「……」 「○○?」 「いいいいいやっほおおおおお!!!」 突然その場で立ち上がって雄たけびを上げる俺。呆然とする妹紅。 もはや俺は狂喜乱舞していた。 え? これマジ? マジですか? そんなサプライズがあっていいのでしょうか? だってもこたん、前からずっと「まだダメなんだ」とか「ごめん」とか苦しそうに俺の誘いを断るから、 ああそうか、もこたんはこういうことは嫌いなのか、だったら俺も犬のように迫るのはやめて紳士のように振舞おう、プラトニックラブ万歳とばかりに我慢しまくって、 だけど時々暴走してしまいそうになって、その都度もこたんに燃やされるから、そろそろパブロフの犬的に「そういう」行為と火傷とがリンクしてしまいそうになってたんだけど、 こんな日が来るなんて。信じられない。これは夢じゃないのか? 「ちょちょちょ、ちょーと待ってくれ。あれじゃないか、まだ俺は夢の中にいるわけで、今のもこたんの言葉は俺の妄想? あ、そうか、夢か。夢だったら今すぐもこたん押し倒してもOK? オーケー!!」 「ちょ、ちょっと○○! やめっ、あ、あう、もう落ち着けって!」 「うがー!」 「ああもう!」 はい、また燃やされました。 「あつかったよ、もこたん」 「もこたんゆうな。まったく、そんなに急がなくても、私は逃げないからさ」 俺が端っこの焦げた髪の毛をいじくっていると、もこたん、もとい妹紅が目の前に立つ。 微かに潤んだ目がとても綺麗で、その瞳に吸い込まれそうだった。なんか頬も赤い、髪の毛さらさらだとか思っていると、 「ん……」 「もこ、んっ!」 妹紅の顔がドアップになり、同時に唇に柔らかい感触がして、俺は目を見開いた。 あれ、これってもしかしなくてもファーストキスって奴ではなかろうか? まさか妹紅からしてくるなんて。驚きだ。今までの彼女なら抱きしめられるだけで一杯一杯だったのに。 俺と妹紅の距離は0のまま。 唇の柔らかさだけでなくて、妹紅のフローラルな香りがとても心地いい。 俺は自然と目を瞑っていた。 2人にとっての最初のキスは、とても長いものだった。 「……○○」 妹紅の呟きと共にようやく唇は離れたが、身体の方はまだ俺の方にひっついている。 その柔らかさのせいで、なんだか目の前がぽわぽわと点滅している。妹紅菌に感染したのだろうか。熱が出そうだ。 「もこたん……」 「もこたんゆうなって、ん」 妹紅の頭をなでなで。目を瞑って気持ちよさそうにしている妹紅がやっぱりかわいい。 「本当に大丈夫なのか?」 「○○なら優しくしてくれるはずだし……違う?」 「もちろん、優しくする」 「だったらまた夜に、ね?」 やばいです、もこたん。そんな風にささやきながら俺の肩に頭を置かれたら、俺のリミッターが解除されてしまいます。 「なんか外に飛び出て叫びたい気分だ」 「なにそれ」 「それだけ嬉しいってこと……あ、そうだ、妹紅」 「なに?」 興奮を抑えつつ、囁く。妹紅は俺に身体を預けてくれている。信頼の証か。 だったら、その信頼を裏切らないようにしなければ。 「妹紅のこと、本当に好きだからな」 「な、何をいきなり」 途端に腕の中で暴れ始める妹紅を、優しく押さえつける。 「いや、あんな風に喜んでたら、身体目当てで付き合ってるとか思われたりしないかな、てな。 そうじゃなくて、妹紅のことが全部好きだから嬉しいんだってことを知ってほしいというか」 「……分かってる。ずっと待っててくれたんだから、○○は」 少し離れて、目を合わせる俺と妹紅。 笑顔が眩しい。どうして彼女はこんなにもかわいいのだろうか。 「○○、これからもずっと一緒に……」 「ああ、ずっと一緒に」 もう一度、唇を合わせる。今度は短いキス。けど愛情はたくさんだ。 バレンタインデー。チョコは貰えなかったけれども、もっと大切なものを貰えました。 新ろだ2-085 「ん…ああ?」 目が覚めた 「あら?目が覚めたのかしら」 「ああ…今覚めたよ…わりいな、遊びに来てうたた寝しちまうなんてよ」 「ふふ、目をつぶって、そのまま行っちゃうんじゃないかって思ったわ」 「まだ、伝えてないことがあるからなぁ…」 すっかり衰えた体をゆっくりと起こした 畳の上で寝ていたからか、節々が痛い いや…もう、柔らかい布団で寝ても痛いと思う 「あらあら、まだつたえてないことがあったの?」 そんな俺とは対照的に、若い姿を保つ輝夜は、不敵にニヤニヤと笑っている 「ああ、聞きたいことが一つ、言いたいことが、ひとつ…残ってるんだ」 「そう…ねぇ、本当に行くの?」 立ち上がって、杖を手に持ち、縁側から靴をはいて外に出ようとした俺を、輝夜は呼び止めた 「んあ?何をいまさら」 「相手にとって、迷惑じゃないの?」 「迷惑だろうよぉ、こんなおいぼれにいつまでも付きまとわれちゃあ…な…」 「なら相手のことも考えてやめたら?」 「それもいいな…だけどな、やりたいことやらなきゃ寝つきが悪そうだって思ってな」 「強がり言っちゃって、不安で仕方がないくせに…変わったのは姿だけね、中身は全然変わってないわね」 「ああ、お前と逆だ」 俺は思わずにやりと笑った 輝夜もにやりと笑った 「私も中身は変わってないわ…だって、今私はあなたを邪魔しようと思っているもの」 スッと輝夜は立ち上がった 「ん?こんなおいぼれの邪魔をしてお前さんは満足する器だったか?」 「おいぼれなんてどこにいるの?ここに今いるのは男と女…男が恋敵のもとへ向かおうとしているのに、止めたいと思わない女はいるの?」 「お前…」 思わず頭が痛くなったような錯覚にとらわれ頭を押さえた 「じゃあ…碁石で勝負しましょうか」 「ああ、文句なし一発勝負だ、勝ったら俺は行くぜ」 「ええ、もちろん…」 俺はもう一度縁側に座って、輝夜が持ち出してきた碁盤を見た 「じゃあ…よろしくね」 「ああ、俺の人生で一番重い碁だな…」 俺たちは打ち始めた …碁石中… 「あら、負けちゃった…」 「へへ、相変わらず俺に碁で勝てないな…勝てないまんまだったな」 思わずにやりと笑ってしまった 「はぁ…貴方に勝ったことなんて、一度もなかったわね」 「へへ、約束だ、俺は行くからな」 よっこらしょ、と立ち上がって杖をついて永遠亭の敷地から出ようとする 「○○、最後に一言」 「ん?なんだ?」 最後の最後、輝夜に呼びとめられた 「…後悔しないことね、今ここで手に取れる絶世の美女を捨て置いてあんなバカのところに行く…後悔しないことね」 「二回言うな…ありがとよー」 手をぶんぶん振って俺は歩き始めた 「姫様」 「なぁに?永琳」 「ティッシュ持ってきましょうか?」 「それよりお酒お願い…一升瓶三本くらい」 「一升瓶五本くらいですね…」 「…○○のばーか…妖怪に食いちぎられちゃえ」 「やっぱりティッシュも持ってきますね」 「ふぅ…ふぅ…」 この竹林も、昔はよく迷ったものだ しかし、六十年ほど過ごせば意外と迷わなくなる… 丸で俺がこの竹林の一つになったかのような感覚、道に、迷わない 迷いの竹林が聞いてあきれるな 「ふぅ…よっこらしょ…」 しかし体力の衰えと引き換えに、だ 無理をしたって仕方がない、妖怪もいなさそうだし、一息つくことにする 「はぁ…年老いちまったねぇ…」 自らの、手を見る しわくちゃで、擦り切れていた 「まぁそんなことをいまさら気にする俺じゃないけどねぇ…」 顔もしわくちゃで、髪はいまでもふさふさだが、白髪のほうが多い 「あいててて…」 自らのなんと年老いたことか、しかし、それが普通なのだ、それが…自然なのだ 「さて…行くかな…」 また、歩き出した 「あれ?○○さん?」 竹林を歩く途中、そいつはいた 「…妹紅」 「どうしたの?妖怪が出るのに一人で出歩いて、危ないじゃない」 ああ…昔と変わらず…綺麗だなぁ… 「ふふ、今更妖怪に食われたって、そんなに変らんよ、もうすぐ俺もお陀仏だしねぇ…」 「また同じこと言ってる…○○さんが死んだら、悲しむ人がいるでしょ、ほら、家まで私が送ってあげるから」 こいつは…昔の俺への接し方と、全く変わってねぇなぁ… 「まあ待て、妹紅、実はな、今日はお前に話があって、探してたんだ」 ああ、年甲斐もなく心臓がバクバクする 「わ、私に…話?」 「ああ…ま、場所はどこでもいい、ここでもいいさ、五分程度で済む」 俺の真剣なまなざしを受け取って、妹紅はまじめな表情になった 「…俺が、こっちに来てさ…いろんな人に世話になったな…」 「え…うん…」 「紅白に金まきあげられたり黒白を窃盗罪で告訴したり…強制的に入信させられそうになったり…」 「○○…」 「夜の散歩で死にかけたこともあったな、主に貧血で…思い出せばきりがない」 ああ、昔のことが鮮明に、走馬灯のように、脳裏を駆け巡る 「そんな思い出を俺はこの幻想郷で色々もらったんだけどなぁ…」 「やめてよ○○…これじゃまるで…」 「そんないろいろな思い出の中で、俺が一番よく覚えてることは、なんだと思う…?」 「まるで遺言みたいじゃん、縁起でもないから、やめてよ…」 「妹紅…お前と初めて出会ったときの、お前の姿、美しさ、脳裏に焼き付いてる…」 「やめてってば…」 「煌々と輝く炎の翼と尻尾、それに照らされるお前の銀色の髪…夜の黒を赤く染め上げていたお前の姿…」 「ねえ、○○…やめてよ…」 「まあれが俺を妖怪と勘違いしてなきゃもっとよかったんだけどさ…その日から…だったな、俺のここでの暮らし…」 「やめてよ!!」 「人里に家を建てて新築祝い、そのまんまずっと独身だったけど…俺は楽しかったぜ…なんたって…いい女が毎日遊びに来てくれたからなぁ…」 「○○…お願い…やめてよ…」 泣き崩れる妹紅…ああ、これは俺地獄行きだなぁ…惚れた女を泣かせちまった 「そう、俺はお前といろいろ話をした、お前にいろいろ教えて、教えられた…でも一つだけ言ってなかったことがある」 「…」 「妹紅、初めて見た時からずっと、お前のこと、俺は好きだ…」 「…遅いよぉ…」 「年取ったら度胸がつくもんだなぁ…昔の俺はお前を見たら心臓バクバクしてたんだ…」 ああ…なんか、伝えたいこと伝えたらホッとしてきた… 足の力抜けちまったよ…あ、やべ、倒れちまった 「○○!?」 「ああ…相変わらず、お前、綺麗だなぁ…」 すげぇちかくに妹紅の顔がある…昔の俺なら顔から火が出てただろうなぁ… 「ねえ、○○!?どうしたの!?」 「妹紅…お前に聞きたいことがあるんだ…」 「○○…お願い!死なないで!!」 「お前は…俺のこと…どう思ってたか教えてほしいんだ…」 「死なないでよぉ…最後の最後で思い人に告白されて…そのまま逝くなんてずるいよぉ…」 ああ…世界で一番…俺が逝ってほしかった言葉… 「へへ…そうか…俺ってやろうおは大馬鹿だなぁ…こんないい女に思われて、それに気付かなかったたぁよぉ…」 「○○…お願いだからぁ…」 「やめろよ妹紅…手をそんな強く握ったら…いてえじゃ…ねぇ…か」 ああ…言いたいこと言いきって眠くなってきた 「○ !!ね !目 けて …」 もう何言ってるかわかんねぇほどまどろんできたなぁ… 「 !! さま よ !!」 ちょっとひと眠りするから…静かにしてくれよ… 「 !! !!」 そしたら…もっとお前といろいろ話したいことが… ―――――――スキマ――――――――― ○○の生き返る話をかこうと思ったけど、これはこれでいいかなーっと思って… 駄文だな―… 新ろだ2-089 ○○「キスをしようと思う」 妹紅「はあ」 ○○「やっぱり恋人同士のイチャイチャの基本と言えばキスだと思うのだよ。ディズニー映画だって最後はキスで締めるぐらいだ」 妹紅「ディズニー映画ってのが何なのかよく分からないけど、ようはイチャイチャしたいわけだね」 ○○「そういうこと」 妹紅「何度もしてきたことなのに、何を改まって」 ○○「何度もしてきたからこそ、新しい発見も必要だと思う」 妹紅「……そうか」 ○○「色んなキスを試せば、俺たちの関係の刺激にもなるだろ。だから、キスしたい。いいか?」 妹紅「……そんな、真顔でキスしたいなんて言われるとちょっと恥ずかしいんだけど、それに」 ○○「拒否しない以上、OKと判断する。というわけでまずはこれだ」 妹紅「んっ……」 ○○「……」 妹紅「……んはぁ。い、いきなり何を」 ○○「唇を合わせるだけの軽いキス。まあ、軽いジャブみたいなもんだ。恋人同士の挨拶にも近い」 妹紅(……いきなりやるのはずるい。ドキドキする) ○○「単純だけどなかなか奥が深い。特にキスしてる時間が重要だ。長い時間やると、けっこう効果的なもんだよな」 妹紅「そ、そうだね」 ○○「次にこれ」 妹紅「ちょ、待っんん! ん……ちゅ、ン……」 ○○「……」 妹紅「はぁ……ん、こ、このバカ……だからいきなり過ぎるってば」 ○○「そんな文句は華麗にスルー。今のは唇を合わせつつ、相手の唇をついばんだり、はむっってしたり、舌で舐めたりしたものだ」 妹紅(唇がじんじんする……頭もなんだかぽーってしてきて) ○○「動きが加わった分、刺激も増すよな。それがなんだか気持ち良い。だろ?」 妹紅「う、うん……」 ○○「じゃ、次はもう少し攻めてみよう」 妹紅「だから少し待っんぁ! あ、んは……ちゅく……ん、んん!」 ○○「今は舌動かしちゃダメだ」 妹紅「け、けど! んん……ぴちゅ……そ、そんなとこっ!」 ○○「……ん」 妹紅「んはぁ……はぁ、はぁ、○○、激しすぎ……」 ○○「ふぅ。妹紅の口に舌をねじこんで、唇の裏とか歯茎を舐めてみた。ただし、妹紅の舌はあまり攻めてない」 妹紅(も、もう、腰が抜けそう……) ○○「これのポイントは攻め手と受け手がはっきりしていている所にある。受け手は基本的にされるがままだ。今の妹紅みたいに」 妹紅「お、お前が動かしちゃダメって」 ○○「よしよし、ちゃんと言うこと聞いてくれてありがとう」 妹紅「あ、頭撫でるな! 怒れなくなるっ……!」 ○○「ははは。やられっぱなしの受け手は、防御のできてないボクサーみたいにダイレクトにキスの快感を受け止めてしまう。 だから不意打ちには効果的なキスの方法だな。上手にやれば簡単に相手をノックアウトさせられる。うん、ノックアウトされた妹紅かわいい」 妹紅「っ~~バカ!」 ○○「よし、そろそろ本気でいこう。これだ」 妹紅「あっ、んちゅ――はむ!」 ○○「妹紅……」 妹紅(あ、そ、そんな同時に頭を撫でられるとますます――!!) ○○「舌、動かして」 妹紅「ふぁい……ちゅ……れろ……ンちゅ、ら、らめ……んああ……あ、ん……ちゅ、ああ」 ○○「ん……はい、おしまい」 妹紅「ちゅ……はぁ、はぁ」 ○○「互いに全力で相手の唇と舌を求め合う。多分これが俺たちの間での本気だな」 妹紅(ぁ……もう何も考えられない) ○○「相手を一番身近に感じられるキスの方法だと思う。やりすぎるとどっかの魔法使いに『そこまでよ!』って言われそうなぐらい、激しいけどね」 妹紅(だけど、足りない。もっと……) ○○「舌の絡ませ方がポイントで、これにも色々と方法が――妹紅? 赤い顔して呆けて、どうした?」 妹紅「……○○ぅ」 ○○「ん?」 妹紅「もいっかい……」 ○○「んー……けど、新しい刺激を発見できてない」 妹紅「そんなのどうでもいい……はやく」 ○○「あらら、スイッチ入っちゃったか。分かった、それじゃあ」 ○○「どんなキスがいい?」 ※ チル裏 バカですみません 新ろだ2-115 桜の花見に行こうと僕の手を引いた君の笑顔。 「仕方ない」と返事をしたけれど、本当は友人に着せられたという白と紅の着物に目を奪われていた。 「お酒はやっぱり必要だよね」 酒瓶入った風呂敷を僕に持たせ、君は先を行く。 履きなれないのがむしろ楽しいのか、カラコロカラコロ音を立て。 かんざしで纏め上げた白髪が揺れるさま。僕はまた見惚れてしまう。 人里を抜けていく道すがら、君の姿を見て振り向いた人達は何人いたろう。 微かに香る花の香りは匂い袋のものか。草原を歩いていてもその香りが君の存在をどこまでも浮かび上がらせる。 「遅いよ!」 「はいはい」 飛べば早い。そんな言葉はただただ無粋。君も僕も口にしない。 ひいこら風呂敷背負う僕を、君は華の咲いた笑顔でからかう。 君が先行く理由、それはきっと僕の追いつこうとする姿が好きだから。 僕も君の後姿目指して踏み出すことは嫌いじゃない。 一度過ぎた時は還らない。だから君は全ての道を先行く。 けど、たまに掌が物足りないのはお互い様。 足止め振り向きこちらを向いた君の寂しそうな笑顔。 追いつけば、どちらともなく手を出し繋いでゆく。 着物の袖が僕の腕をくすぐる。近い距離、僕も君も赤らんだ顔が収まらなかった。 かつて距離が空いていた分、今こうして一緒にいることにいつまでも慣れない。 「ほら、あれ!」 突然手を離した君がカラコロ走って指差した先に桜色の雨。 川辺に一本だけ咲いたその大木は、君を笑顔にする十分な美しさ。 陽光を反射する川面が、より強く桜と君を輝かせる。 石の上、僕の上着を敷いて君を座らせ。 酒で杯を満たし、「乾杯」と今日のこの時間を祝う。 空の青が映り込んだ酒は少し苦かった。 大木の下、風が強く吹けば桜色の雨が降る。 花びらが君の髪を彩り、その秀麗さをからかうように僕は笑った。 笑うなと膨れっ面をした君は僕の肩にもたれかかる。 肩から感じる君の温かさは、燃える炎のように熱い。 それが心地よく、そのまま言葉も交わさず時は過ぎていく。 頬を撫でる風にくすぐられ、僕も君もふと笑った。 酒は飲み干し桜を見る。頭上に広がる桜色の雲。 一度枝を離れた花びらは二度と元に戻らず、その無常さを憂いて僕達は寄り添い合う。 「来年も再来年もまた一緒に」 君の呟きは耳に心地良い。 思わず口を噤んで聞き入ってしまう。 けど一緒にいる一秒を無駄にしないために、僕は言葉を紡ぐ。 「じゃあ、十年後も二十年後も?」 「もちろん。三十年後も四十年後も」 「桜は残ってるかな」 「残るよ。花は散れども時は巡る。巡り巡って花は咲く」 「百年後は? 桜は残ってないかも」 時は過ぎる。過ぎ去る時の中で変わるものは確かにある。 そんな意地悪な質問。君は動じず答えた。 「私の髪についた花びらを肴にするよ」 逆に僕の方が驚いた。やっぱり君はどこまでも先を行く。 君が手を重ねてくれなければ、僕は君の想いの強さに打たれてただ泣いていた。 僕はしっかり手を握り返し、君の想いに応える。 「だったら、もっとたくさん花びらをつけないと」 紅の差した頬に触れれば、赤い瞳は閉じられる。 風に吹かれて僕達の距離は零になる。 慣れないけれども幸福な時間。過ぎ去ろうとも時は巡り巡る。 また来年。この桜雨を見に来よう。君と共に。 重なり合う一秒を何百万回と繰り返すために。 新ろだ2-169 現在、俺と妹紅は一台のDSを隔てて向かい合わせに座っている。 お互いに正座し、一言もしゃべらない。 タイトル画面で和やかな音楽を奏でているDSが妙にもの悲しい。 そのゲームのタイトルはもちろん「ラ○プラス」。 最近幻想郷において、このゲームがきっかけに様々な異変が起きているらしい。 主に恋人達やそれ以前の関係の男女、もしくは三角、四角関係の男女たちの間で愛と嫉妬にまみれた争いが起きている。 なんでもこのソフトを所有していた男性は、ことごとくひどい目に合っているとのこと。 そんな異変について耳にした俺は、いち早くこのゲームを枕の中に隠していたのだが(興味本位で買ってしまった)。 このほど、妹紅に見つかってしまいましたとさ。 「○○」 「は、はい」 真顔のままの妹紅。 DSをじっと見つめたまま口だけを動かす。 「このゲームの良い点は何?」 「え? 良い点?」 「いいから答える」 「ひゃい!」 静かで底知れぬ迫力が、じわりじわりと俺の心を地獄の淵へと追いやっていく。怖い。 「えーと、ですね。女の子と仲良くなるまでの過程だけでなく、恋人同士になった後のイチャつきっぷりを楽しめるというかですね」 「……イチャつき」 「恋人になったネネさんがこっちの好みに合わせて髪形とか性格とか変えてくれたりして、男心を刺激しまして、はい」 「……ネネさん、ね」 やばい。色々やばい。具体的に言うと部屋の温度が5度ぐらい上がってるのがヤバイ。 「○○」 「ひゃい」 「私達の関係を言葉で表すと?」 「俺のうぬぼれでなければ、こ、恋人です」 「そうだね。私もそう思ってるよ」 少し優しい声を出した妹紅。 しかし騙されるなかれ。その顔は真顔のままだ。 「……私とはイチャついてないかな」 「そ、そんなことはありません。日々妹紅に抱きついたり抱きつかれたりしております」 「私は○○の好みに合わないのかな」 「いえいえ、綺麗なお顔も白い髪も、ちょっと粗野だけど、クールで優しくて繊細なその心も俺の好みばっちりでございます」 「じゃあ、このゲームの良い点と私の良い点だったら、どっちが上?」 「それは、えとですね、そういうのは比べられる問題じゃ」 ない、と続けようとした所で、妹紅の目がギラリと光った。 まずい。本格的に燃やされる。主に俺と俺の家が。 「妹紅でございます」 一転、俺がひたすら頭を下げると、妹紅は満足いったように「よし」と頷いた。 「じゃあ、○○」 「ひゃい」 「このゲームで、何時間ぐらい遊んだ?」 「えーと、まだ始めたばかりだからそんなには……正確な時間はちょっと」 「その1万倍」 「は、はい?」 「その1万倍、私とイチャつくこと。分かった?」 「ぎょ、御意」 俺が冷や汗をかきながら同意した所で、ようやく妹紅が笑った。 「まあ、現実の浮気じゃないだけマシだけどさ」 「そ、そうですか?」 「うん。だって浮気だったら……○○がそれはそれはひどいことに」 そんな可愛らしくウインクしながら物騒な言葉を口にしないで欲しい。俺の背筋が凍るじゃないか。 生命の危機を感じて動悸、息切れすら出てきた俺に対し、妹紅はDSを取り上げ、電源を切った。 「このゲームは1ヶ月ほど没収」 「え、えええ!」 「なに? 文句ある?」 「いえ、ありません」 「よろしい。じゃ、今日は甘味屋にでも行こっか。○○が好きなだけ奢ってくれるなんて、嬉しいなー」 「そ、そんな」 「違うの?」 「いえ、違いません。どうぞ好きなだけお食べください」 駄目だ。もう完全に優位に立たれてしまった。 1ヶ月はこんな仕打ちが続くのだろうか……と俺が己の身の不幸――いや、身から出た錆びを嘆いていると、妹紅がおもむろに俺の目の前に立ち、 「帰ってきたらさ、○○のしてほしい髪型とか服装とかしてあげるかも、ね」 ちょんっと俺のおでこをつついた。 額に広がる温かな感触。ああ、どうして俺はあのゲームを買ったのだろうか。 やっぱり妹紅最高と思う今日この頃なのであった。
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藤原 妹紅 (ふじわらの・もこう) 能力:『老いる事も死ぬ事も無い程度の能力』 所属:フリー(第2回大会~第26回大会)(もこけーねとして活動するも、特定の軍団には所属していないため、フリー扱い) GM軍(第27回大会~第39回大会) ファイト・スタイル 不死鳥は蘇る パワーファイターに思われがちだが投打極のバランスファイター。 またその能力から非常に受けには強いが、過信しすぎての重要な試合を落とすケースもある。 しかし一貫して言える事はトータルレスリングを考えられたクリーンなファイトをみせる 非常に玄人好みの試合展開をするレスラーである。 フジヤマヴォルケイノ フジヤマヴォルケイノII フジヤマヴォルケイノイラプション フジヤマヴォルケイノ・瞬 妹紅が愛用する投げ技のバリエーション。 本項では一式、二式、イラプション、瞬と割愛する。 初期では一式乱発による制圧試合を行いがちで、 説得力はあるものの試合展開に疑問を持たれていたが、 後に二式、そしてフィニッシュに繋げるイラプションを開発し、 織り交ぜる事によって試合進行を魅せるようになった。 基本ムーブとしては、ボディスラムの要領で相手を抱えるが、 この際相手の頭部を下ではなく自分に対して横に向け 相手を旋回して頭部側を軸として背中側からリングに叩きつける。 一式は叩きつける際サイドに落とし、またロックを外していた。 より威力を求め二式ではロックを離さずまたやや反動が強めになり 自身に対して真正面に落とすようになる。 ついにイラプションでは背後から仕掛ける形になり、ロックも外さずに垂直落下式で叩きつけるため 開発が進むにつれてダメージ量が爆増するバリエーションホールドとなっている。 瞬は唯一事前ホールド無しのカウンター技で、ロープから返ってきた相手に仕掛ける。 オリジナルは、一式と二式がディー・ロウ・ブラウンのサドンインパクト、 瞬が森嶋猛などの使うスクラップバスター、イラプションが佐々木健介のヴォルケイノイラプション。 技名は、東方永夜抄で使用した『蓬莱「凱風快晴 ‐フジヤマヴォルケイノ‐」』より。 火の鳥-鳳翼天翔 妹紅が使う、トップロープからのムーンサルトプレス。アナウンスではよく「鳳翼天翔」とだけコールされている。 別名「フェニックススプラッシュ」 灰の中から甦り、大空へ羽ばたく不死鳥のごとく、 美しい回転から相手を容赦なく押し潰す。 橙の飛翔毘沙門天と同型であるが、こちらの場合は痛め技気味に使用されがちである。 デビュー当初から持っている事は示唆されたものの、初公開は毘沙門天より遅くなった。 技名は、東方永夜抄で使用した『不死「火の鳥 ‐鳳翼天翔‐」』より。 火吹き 妹紅ならではのギミック技。 妹紅の場合は本当に火を吹いても不思議ではないから困る。 ちなみにこちらの世界でも火を吹いたことのあるレスラーがおり、 『アラビアの怪人』ザ・シークや『インディーの帝王』大仁田厚などが妹紅のように口から火を吹いた。 メディスンの毒霧、萃香の酒霧と並び、 東プロ三大吹き技に数えられる。 (MDの毒霧? あれはまだまだ未熟者である) 竹林893キック プロレス的に解説すると、走り込みながら体を横に倒してのフロントハイキック。 判りやすく言えば、映画やテレビドラマでちんぴらがよくやっている、手をポケットに 突っ込んだままゲシゲシと蹴るあれである。 妹紅の代表的スタイルの1つ。ロープへ相手を振って、反動で戻ってきたところにカウンターで決めるものや、 コーナーポストへの串刺し式のものなどがよく使われている。 威力重視よりは、屈辱を与える意味が強い。 オリジナルは新日の蝶野正洋選手のヤクザキック。 (テレビ放送では放送コードの関係上からか、ケンカキックと呼ばれている)。 海外ではマフィアキック、フーリガンキックなどと呼ばれる。 その他の技 DDT、ブレーンバスター、スイング式ネックブリーカー、ハーフネルソン・スープレックス、 パワーボム、刈龍怒(慧音との合体技) スタンダードなプロレス技を多く駆使し、そのタフな耐久力とあいまって、どちらかといえば小柄ながらヘビー級のような選手である。 戦績 [部分編集] +全戦績 -ネタバレを含むので注意- 以下は、第40回興行時点。 大会 試合 形式 対戦相手 試合動画 試合結果 備考 第02回大会 第1試合 SINGLE『美鈴五番勝負』一番勝負 美鈴 sm2527673 ○(9 14フジヤマヴォルケイノ) Xとして登場初勝利/初ピン 第03回大会 第2試合 5WayBR 魔理沙,フラン,藍,輝夜 sm2565529 ○(13 54フジヤマヴォルケイノ・藍)●(15 52 フラン・そして誰もいなくなるか?) 残り3人で脱落 第05回大会 第2試合 LTWタイトルトーナメント(慧音) 輝夜,永琳 sm2628654 ●(24 12 輝夜・ブリリアントドラゴンスープレックス) ピンを取られたのは慧音 第06回大会 第5試合(メイン) LSW次期挑戦者決定戦 幽々子 sm2695846 ●(17 21 バタフライデリュージョン) 第⑨回大会 第3試合 TAG(慧音) 魔理沙,アリス sm2809925 ○(22 40ブレーンバスター・魔理沙) 第10回大会 第4試合 LTW次期挑戦者決定戦(慧音) 萃香,魔理沙 sm2844343 ○(20 04 寺子屋ピラミッドドライバー(慧音)・萃香) 第11回大会 第5試合(メイン) LTWタイトルマッチ(慧音) レミリア,フラン sm2876409 ○(14 06フジヤマヴォルケイノイラプション・レミリア) 二代目LTW王者戴冠ベストバウト選出試合 第14回大会 第4試合(メイン) LTWタイトルマッチ(慧音) 紫,幽々子 sm2979188 ○(21 27 寺子屋ピラミッドドライバー(慧音)・紫) LTW防衛1回目 第16回大会 第5試合(メイン) LSWタイトルマッチ フラン sm3115874 ●(15 52 スターボウブレイク) ベストバウト選出試合 第17回大会 第6試合(メイン) LTWタイトルマッチ(慧音) 霊夢,萃香 sm3186064 ●(24 57 霊夢・ノーザンライトボム→片エビ固め) LTW防衛失敗 第19回大会 第2試合 TAG(慧音) レミリア,咲夜 sm3335803 ○(23 29フジヤマヴォルケイノII・咲夜) 第20回大会 第2試合 TAG(慧音) 輝夜,てゐ sm3414652 ○(17 53 日出づる国の天子(慧音)・輝夜) 第21回大会 第4試合 SINGLE『NoMercyRoyalDeathMatch』 輝夜 sm3495097 ○(17 32フジヤマヴォルケイノイラプション) 第22回大会 第2試合 TAG(慧音)『このリングには神がいる』 神奈子,諏訪子 sm3580718 ●(21 07 神奈子・片羽絞め) ピンを取られたのは慧音ベストバウト選出試合 第24回大会 第2試合 TAG(慧音) 藍,橙 sm3716686 ○(18 19フジヤマヴォルケイノII・藍) 第26回大会 第3試合 SINGLE『永江衣玖デビュー記念戦』 衣玖 sm3863085 ○(14 14フジヤマヴォルケイノ・瞬) 第27回大会 第6試合 3vs3『Coop. Now』(慧音,衣玖) 幽香,永琳,魔理沙 sm9503327 ●(21 07 幽香・ダブルスタンプ) ピンを取られたのは衣玖ここからGM軍入り 第28回大会 第2試合 2vs3(慧音,天子) 幽香,永琳 sm4004575 ○(17 16フジヤマヴォルケイノイラプション・永琳) 第29回大会 第6試合(メイン) LTUタイトルマッチ『蓬莱の殺人医師』(慧音,輝夜) 幽香,永琳,雛 sm4172888 ●(20 38 幽香・VFT) ピンを取られたのは慧音ベストバウト選出試合 第30回大会 第3試合 4vs4(慧音,てゐ,リリカ) 霊夢,アリス,萃香,鈴仙 sm4228092 ○(18 25 幸せ四つ葉のクローバー(てゐ)・鈴仙) 第31回大会 第6試合 LTWタイトルマッチ(慧音) 霊夢,萃香 sn4340481 ○(0 00) 試合放棄による四代目LTW王者戴冠 緊急試合 LTWタイトルマッチ(慧音) アリス,萃香 ○(21 56 日出づる国の天子(慧音)・萃香) LTW防衛1回目 第32回大会 第4試合 4vs4(慧音,霊夢,輝夜) メディ,鈴仙,アリス,萃香 sm4413129 ○(23 51 夢想封印(霊夢)・アリス) 第33回大会 第5試合 3vs3(てゐ,リリカ) 橙,メルラン,幽々子 sm4903044 ○(14 09 ベーゼンドルファー(リリカ)・メルラン) 第34回大会 第5試合 TAG(霊夢) 紫,藍 sm5401890 - 無効試合 緊急試合 TAG『Phantazm Down』(霊夢) 紫,ミスティア ○(18 51フジヤマヴォルケイノイラプション・紫) 第35回大会 第7試合(メイン) 『SEVENSシリーズ』第3試合 3vs3(X1,X2) X3,X4,X5 sm5598534 ●(17 37 X5・高角度前方回転エビ固め) ピンを取られたのはX2 第36回大会 第6試合(メイン) LTWタイトルマッチ(慧音) 幽香,早苗 sm5664417 ○(19 53フジヤマヴォルケイノイラプション・幽香) LTW防衛2回目 第37回大会 第7試合 3VS3(輝夜,衣玖) レミリア,フラン,咲夜 sm5842889 ●(11 43 フラン・スターボウブレイク) ピンを取られたのは衣玖 第39回大会 第6試合 LTWタイトルマッチ(慧音) 文,小町 sm8430195 ●(17 28 文・なんだかよく分からないけどすごい技 ピンを取られたのは慧音LTW防衛失敗この後GM軍から離脱 第40回大会 第3試合 2vs3ハンディキャップマッチ(妹紅) 輝夜,てゐ,リリカ sm9327725 ●(11 32 リングアウト) リングアウトを取られたのは慧音東プロ初のリングアウト決着 シングル 5戦3勝2敗 タッグ 16戦11勝4敗1無効試合 (妹紅のフォールによる勝ちは6回・妹紅がフォールされての負けは1回)もこけーね(慧音とのタッグ) 14戦10勝4敗 (妹紅のフォールによる勝ちは5回・妹紅がフォールされての負けは1回) 6人タッグ 5戦1勝4敗 (妹紅がフォールによる勝ち・負けはなし) 8人タッグ 2戦2勝0敗 (妹紅のフォールによる勝ちはなし) その他5WayBR 1戦0勝 ハンディキャップマッチ 2戦1勝1敗 多いフィニッシュ技フジヤマヴォルケイノシリーズ (10回)フジヤマヴォルケイノI (2回) フジヤマヴォルケイノII (2回) フジヤマヴォルケイノ・瞬(1回) フジヤマヴォルケイノイラプション (5回) タイトル歴 LTW 第二代王者(パートナー:上白沢慧音)、防衛1回 第四代王者(パートナー:上白沢慧音)、防衛2回 ハードコアデスマッチ『NoMercyRoyalDeathMatch』 対輝夜戦、勝利。 受賞歴 2008年度東方プロレス大賞 最優秀タッグ賞(もこけーね(慧音)) 人間関係 上白沢慧音 (もこけーね。親密な関係である。) GM比那名居天子 (GM軍参入時にボディガード契約。服従してはいるが関係は薄い) 輝夜 (犬猿の仲。デスマッチを経た後GM軍でまさかの結託。しかし内心では納得がいっていない部分もある。衣玖への態度などを巡って再度関係悪化の兆しがある) てゐ (エンターティナーであるこのう詐欺のやり方には内心はあまりいい印象はないが、我関せずなスタンスなので基本的にはどうでもいいらしい) 入場曲 月まで届け、不死の煙 評 [部分編集] -激しく燃える不死鳥時代 旗揚げ~第26回大会 激しく燃える不死鳥時代 旗揚げ~第26回大会 タイトル争いへはタッグもこけーねとして参戦。 奇しくも混乱不和を起こしていた初代LTW王者レミリア・フラン組(紅魔館)を破り 二代目LTW王者に戴冠する。その後1度の防衛を挟むが陥落。 しかし東プロでも限られた『タッグパートナーを絶対に代えないタッグ』として 相互の信頼は厚い。 妹紅は、滅多なことではシングルマッチは受けなかったが、 唯一LSWタイトルへの挑戦だけは過去に行った事がある。 それもパートナーである慧音が 当時のLSW王者フランとの試合で善戦するも敗れた後、 フランが慧音を小馬鹿にして敬意を示さなかった事に対する怒りによるものであり、 二人の絆の深さを再確認する事となった。 残念ながら試合には敗北、その後は運営方針によりシングルは封印して もこけーねとしての活動を行う。 しかし、その後LTWの王座からも陥落。 LSW、LTWの2大タイトルへの挑戦が共に遠のいてしまい、 かといって3人目のパートナーがいない関係でLTUに参加する事も出来ず 積極的なマッチメイクもしてもらえない不遇の時期の中、 東プロ外での長年の因縁相手、輝夜(当時永遠亭)との関係が爆発、 リング上でお互いを『殺す』発言を交わした事により、 本部長判断でハードコアデスマッチが決定。 今日まで東プロ唯一のハードコアデスマッチ戦となった 『NoMercyRoyalDeathMatch』に生き残り、 もこけーねの連携も再度高まっていった頃にLSW,LTWへの再挑戦を宣言。 そしてLTUのための3人目の存在をにおわせる発言をした。 +黒く甦った不死鳥時代 第27回大会~第33回大会 黒く甦った不死鳥時代 第27回大会~第33回大会 しかしその宣言から一時期、一切の露出をせず イベントマッチにも召集されないという事態が続き、ファンが違和感を感じ始める。 その後第27回大会のGM天子登場の際には何とボディガードとして慧音と共に登場。 東プロきってのクリーンタッグが共にダークサイドに移籍するという事態にファンは大混乱した。 この移籍契約はGM天子との直接契約で、寺子屋の耐震補強と 優先的マッチメイク権という優遇措置があるとしている。 妹紅本人は優先的マッチメイク権に強く興味があると発言している事から、 本人らが試合参戦を強く望みつつも、U3級の躍進、 O.D.S対反O.D.Sの動きとそれに絡む形で 進行していたタイトル争いからは距離感がありすぎたがために、 メインのアングルから干される形となっていたことに対して 想像以上に不満を抱えていたことが伺える。 GM軍移籍後はその権利を存分に行使して出場機会が大幅に増え(第27回大会以降は全興行に出場中)、 第31回大会にはLTWタイトルもGM天子を利用した謀略により強奪。 もこけーねとして四代目王者となり東プロ史上初の再戴冠となったが、 それを讃える者は誰もおらず、即座に展開された防衛戦で 相手を完膚なきまで黒く焼き尽くしたその力にただファンは呆然とするしかなかった。 初期のうちは立場上馴染めていないような素振りもみせていたが 日に日に身も心もGM天子に忠誠を示すようになってしまっており GM軍筆頭守護として爆炎で近づく者を焼き尽くす番人と化してしまった。 +黒炎、爆砕 第34回大会~第36回大会 黒炎、爆砕 第34回大会~第36回大会 GM軍後は、もこけーね(慧音)以外の選手とも組んで試合をして、充実した様子である。 以前の不満の反動か、その後の試合は容赦なき紅蓮の炎である。(実質黒き炎) 第34回大会で、霊夢とタッグで八雲紫と八雲藍の両名と対戦が決定。 GM軍として抗争の渦に。 そして運命の第34回大会、GM軍特有の罠があったが、 試合は、八雲紫の殺人的な技の数々を受けきった妹紅が、フジヤマヴォルケイノイラプションでフィニッシュ。 不死身の耐久力で重鎮を跳ね除けた勝利であった。 第35回大会にて四軍連合との抗争には負けたが(そもそも抗争自体に興味があるか疑問だが) 直後、メンバーであった東風谷早苗と風見幽香がLTWに挑戦し、これを受諾。 第36回大会、ゆうさなとして向かってきた両名を、もこけーねが粉砕、防衛2回目を果たした。 特に妹紅は、怒涛の攻めをした幽香の攻撃を受けきっての勝利なので、その恐るべき耐久力が 無差別級の選手の壁となるのだろうか。 団体の方針上、今後も波乱含みの試合を余儀なくされるが、 妹紅自身はGM天子絡みのいざこざより、試合ができれば何でもいいスタンスだろう。 余談だが、天子が屈辱的な要求なんぞ呑めるかとごねた時に従わせるのは彼女の役目らしい。 +燻り始めた火種 第37回大会~ 燻り始めた火種 第37回大会~ 一方ではGM軍内部では揺らぎとも取れる出来事が。 第37回大会では、輝夜と衣玖と組んで参戦するも敗戦。 試合終了後の輝夜の暴言となり、メンバー内で確執が発生。 GM天子がいさめることに。 それでも、ベルト防衛戦には前向きで、かつGM軍の立場から 第38回大会、次の相手に決まった文と小町の試合に乱入。 文にフジヤマヴォルケイノを叩き込んで失神させ、 黒い炎はいまだ健在をアピールした。 しかし、翌第39回大会のタイトルマッチで、王座陥落。 しかも、試合後のGM軍メンバーとのやりとりから、慧音がGM軍から離脱を表明。 妹紅にも、一緒に着いてきてほしいと頼む慧音に、一度はそれを断るが、 調子に乗って囃し立てた輝夜にぶち切れ、ヴォルケイノを叩き込んで 慧音と共に自らもGM軍を離脱することを宣言した。 +永遠の腐れ縁・輝夜 永遠の腐れ縁・輝夜 輝夜とは遙かな過去からの因縁関係があるのは周知の通りだが、東プロではなかなか複雑な関係にある。 リングでの最初の接触は、もこけーね対蓬莱てるよの対決となったLTW初代王者決定トーナメント1回戦だが、 ここでは輝夜が終始まともにやり合おうとせずにのらりくらりとかわされたあげくに、最後だけ必殺のブリリアントドラゴンで しかも妹紅ではなく慧音を沈めるという、見事な(?)頭脳プレーであっさりと逃げられる。 その後、永琳の離反・紅魔館への移籍から端を発した永遠亭対紅魔館の抗争時には、 当時のLSW絶対王者フランに自ら挑戦することで、そのフランを対抗戦から外すという、 永遠亭陣営への側面からの支援を行う。 しかし、それ以降「難題者」に傾倒していく輝夜と、正統派の妹紅ではやはりそりが合わず、もこけーね対輝夜・てゐの タッグ戦を前哨戦として、ついに前代未聞のデスマッチ戦『NoMercyRoyalDeathMatch』での直接対決となり、 この2人の決裂ぶりは決定的で修復の余地など皆無と思われた。 それでも蓬莱人同士、何かが通じるものがあったのか、デスマッチ終了直後に輝夜が妹紅に礼を言ったのをマイクが拾っており(輝夜本人は否定)、 妹紅もLTUのためのもこけーねに加える3人目の存在をにおわせる発言をした時に、これは輝夜と手を組むことを想定しているのではないか、 というファンの意見があった。 そして、GM天子の登場と共に結成されたGM軍には、妹紅と共に輝夜の名前があり、 それ以後、もこけーねに輝夜を加えてLTUタイトルマッチに挑戦したのを始めとして、 何度もリング上で共闘を行っている。また、その言動に露骨に嫌悪感を示す慧音と違い、あくまでも慧音寄りとはいえ、妹紅の言動は 輝夜との間を取り持つかのようなものが多く、また輝夜から「もこたん」と呼ばれても怒らないなど、 2人の関係は過去に例がないほど良好なのが、第38回大会までの様子だった。 もっとも、短気なところのある妹紅と根っから我が儘姫の輝夜のこと。何かの弾みで火が付けば一瞬で大爆発するのはよくあることで、 そういう意味では実に緊張感溢れる関係と見られていた。 それが正鵠を射ていたことが明らかになったのが第39回大会でのLTWタイトルマッチ後。 GM軍離脱を宣言し、着いてきて欲しいと懇願する慧音に、「これだからいい子チャンは困る」と、一度は自らは残留することを 表明するも、それに乗って輝夜が慧音をあざ笑うや、いきなりぶち切れてヴォルケイノIIを輝夜に叩き込み、自らも慧音と共に GM軍を離脱すると宣言し直した。 こうして、ひとまずは再び(東プロとしては、である)それぞれの道を歩むことになった2人が今後どうなるのか、 ファンは注目せざるを得ないところであるといえよう。 このページを編集
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迷いの竹林 迷いの竹林迷いの竹林イベント 宝 ボス 竹林の淵イベント 宝 ボス 兎のお宿イベント 迷いの竹林奥イベント 宝 永遠亭イベント 宝 ボス 薬草苑宝 迷いの竹林 (スレ1の955から転載) 迷いの竹林の抜け方が大体分かった フラグは2点: 1. 行き先が一方通行になっているマップが3箇所あるので全て踏む(マップが追加される) 2. 太陽針が置いてあるマップを踏む(鈴仙が出現する) 以下補足: フラグ1を立てることで、竹林深部の最初の4分岐マップ北から鈴仙マップにいけるようになる また、東西直線の一本道マップから太陽針マップに移動できるようになる 一方通行になっているマップは全て一本道で分岐がないので分かりやすいが、 一本道マップは5(+2)箇所あるので注意 一方通行の箇所を全部移動しなければならないかと思っていたが、 そのマップに入ること自体がフラグらしくて、すぐに引き返してもOkっぽい おそらく最短ルートは、最初の4分岐マップから 東・南・北(引き返す)・西・西・南・北(引き返す)・ 北・北・南(引き返す)・南(真ん中)・西(引き返す)・南(東南?)・鈴仙 イベント 迷いの竹林を突破した 入り口から南・東・北でミスティアが居て、依頼を受けると加入して竹林の淵に移動。 宝 下駄 タケノコ 番傘 とんがり帽子 固定敵(イナバ人型 強) 太陽針 ボス 鈴仙 固定敵 イナバ(人型 強) 竹林の淵 イベント ヤツメウナギのボスを倒した 宝 落魂鍾 ボス 八つ目通常の強さ 兎のお宿 セーブ可能。てゐのショップがある。 いくつかのイベントで慧音から情報が聞ける。 永遠亭の池で妹紅に会うと、妹紅もここに居る。 永琳の依頼を断って見逃していると仲間に出来る。 イベント 慧音に迷子を引き渡した 前半ボスを2人以上撃破後、慧音に話かけると迷子探しを依頼される。 後半に入ると依頼されなくなる。 にとりから財宝の話を聞いてると情報をもらえる。 永琳から依頼のあと、慧音から妹紅の話を聞ける。(イベント進行には無関係?) 迷いの竹林奥 イベント 里の子供を見つけた 宝 帽子 クツ 50円 500円 イベントマークの場所で、里の子供を入手 永遠亭 イベント 輝夜に会った輝夜と戦闘。敗北してもゲームオーバーにならず、何度でも挑戦可能。 輝夜を撃破 永琳に薬草苑の場所を聞いたパチュリーの病気治療イベントの一環。鈴仙が加入可能になる。 侵入者退治の依頼を受けた永琳の依頼を受けた場合。妹紅との戦闘になる展開に。 侵入者退治の依頼をつっぱねた永琳の依頼を断った場合。妹紅を仲間に出来るようになる展開に。 妹紅を撃破 永琳を撃破輝夜撃、薬入手、妹紅のイベント終了後に戦闘可能。 永遠亭でこいしを見た。地霊殿に戻るらしい守矢神社でこいしを見ると入り口の部屋に居る。 鈴仙を仲間にすると薬草苑の入り口まで移動。 永琳に薬を渡す際に鈴仙を入れておくとアビリティ習得。 永琳の依頼を断って、再び話すと永遠亭の外に移動。 宝 300円 VRヘッド 南東の部屋 おふだ スターソード 中庭の次 中ボス(メガマリイナバ)撃破or万能鍵 モアイ 永琳の部屋 時の砂 永琳の部屋 万能鍵&中ボス(オーバーロード)撃破 永琳に薬の材料を渡すと、魔女コロリを入手。 輝夜を撃破後に再び会いに行くと、ボス&サブイベント数が進んでいると蓬莱の玉の枝を入手。 カウントは他の召喚アイテムと共有なので、後回しにした召喚アイテムはもっと多くのイベントを進めないと貰えなくなる。 ボス 輝夜 妹紅池の中。 永琳 固定敵 イナバ(メガマリ) オーバーロード 薬草苑 宝 三日月バッジ 入口 700円 2マップ目 薬の材料 2マップ目 ホオズキランプ 2マップ目